鼻症状のある方へ、鼻うがいのススメ

風邪、副鼻腔炎、インフルエンザなどの感染症が増えていますが、今回はその予防・治療のための『鼻うがい/鼻洗い/鼻洗浄』に関してです。
『鼻うがい』とは、ご存知の通り『のど』のうがいではなく、文字の通り『はな』を洗うことでです。

<目的・効果は?>
鼻から上咽頭(鼻の突き当たり付近)についた雑菌、ほこり、汚れ、アレルギー物質(花粉、ダニ、ハウスダストなど)、余分な鼻水を洗い流し、風邪、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻水・鼻詰まりなどへの効果が期待できます。
・風邪などの感染予防
鼻は口同様に異物の入口です。当然、ウイルスや細菌がたくさん入ってきます。入ってきたウイルス・細菌が増えたり定着してしまう前に鼻うがいで洗い流すことで、感染予防や発症のリスクを軽減させる効果が期待できます。
・花粉症/アレルギー対策
花粉やダニ・ハウスダストなどのアレルギー物質が鼻の粘膜に付着することで花粉症・アレルギー性鼻炎などのアレルギー反応を引き起こします。このアレルゲンを鼻うがいで洗い流すことで発症や症状を軽減させる効果が期待できます。
・鼻の中の不快感改善
乾燥などから鼻の中に不快感を感じる方も、鼻うがいをすることで乾燥した汚れを洗い流し、鼻の中が潤い、症状軽減が期待できます。

<どんな人にお勧め?>
・鼻水・鼻詰まりなどの鼻症状のある方
・副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎・花粉症、上咽頭炎の症状を和らげたい方
・風邪を予防したい方

<具体的な方法は?>
1. 洗浄液を適切な温度・濃度で作成し、容器に入れる
2. 洗面所などで前屈みになり、鼻の穴に容器を当てる
3. 必ず「えー」や「あー」と声を出しながら洗浄する
※耳を守るためにも大切なので恥ずかしがらずに声を出しましょう
4. 軽く鼻をかんで残った洗浄液を出す

<どのくらいの頻度?温度?濃度?>
頻度:1日2回程度がオススメです
※過剰な洗浄は必要な粘液も流し出してしまうので逆効果です!適切な鼻汁・粘液があることで外敵から体を守っています
温度:体温よりも暖かめの40℃前後(38-42℃)が良いです。冷たすぎたり、適切な塩分濃度ではない洗浄液で洗うと刺激が強くなってしまいます
濃度:体液の濃度の同じ塩分濃度(約0.9%)が良いです
市販の生理食塩水や市販の洗浄液での作成がお勧めです

<子供にもできるの?>
鼻うがいの器具によっては小さなお子様から使用は可能です。
ミスト状のものは小さなお子様から安全に使用可能と思われます。洗浄タイプのものは2歳からできるとされているものもありますが、中耳炎の危険性や気管に流れ込む危険性があるなど、注意点があるため小学校低学年から使用を検討してください。

<注意点は?>
・過度な洗浄は控える
上記記載しているように、過剰な洗浄は必要な粘液も流し出してしまいます。適切な鼻汁・粘液があることで外敵から体を守っていますので、洗い過ぎは逆効果です!
・適切な温度、濃度で行いましょう
熱すぎるとヤケドになります。冷たすぎたり、濃度が濃すぎたりすと刺激が強くなってしまいます。市販の生理食塩水や市販の洗浄液を使用しての洗浄がお勧めです。
ご自身で作成される場合は、沸騰させ38-40℃まで冷ました500mlのお湯に、食塩4.5g(小さじ1杯程度)を混ぜて作成してください。作成したものは毎回使い切るか、余ったものは捨ててください(置いておくと雑菌が繁殖するため)。
・強い圧で洗いすぎないようにしましょう
強く洗いすぎると、鼻の粘膜を傷つけてしまったり、耳に水が入ってしまって中耳炎になってしまったりします。
・洗浄中に洗浄液を飲み込まないようにしましょう
洗浄中に飲み込むと耳に水が入ってしまい中耳炎になることがあります。
・洗浄中に大きく上を向かないようにしましょう
大きく上を向いて洗浄すると、洗浄液が耳に入り中耳炎になってしまいます。
・お子様はうまくできないことが多いですので、必ず保護者が見てあげて下さい
・むせやすい人や鼻症状が強すぎる人や中耳炎の人は注意が必要
むせやすい人は誤嚥して気管の方に入っていってしまうので控えた方が良いでしょう。また、鼻症状(膿性鼻汁)がひどい人は中耳炎になる可能性があり、中耳炎の方は悪化することもあるため注意が必要です。

<どこで購入できる?>
薬局、ドラッグストア、インターネットショッピングサイトで購入可能です。

次回は、いくつかピックアップした鼻うがいの容器の比較・説明を行いますので、まだ購入されていない方は参考にしていただけますと幸いです。

今のお困りの症状改善のため、日々の体調管理のためなどに是非ご検討ください!

2025年01月12日