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鼻うがい容器の比較〜どれが合っている?〜

前回、鼻うがいについて投稿させていただきました。
今回、よく出回っている鼻うがいの器具をいくつかピックアップして比較してみました。

<鼻うがい容器にはどんなものがあるの?>

※あくまで個人的な意見です


・WINCARE鼻洗浄機(20ml)

電動鼻洗浄機の中には高額なものもありますが、紹介するにあたり5,000円以下のもので適当に選択しました。
洗浄量は非常に少ないですが、ミスト状・低刺激で鼻うがいが苦手な小さなお子様も安全に使用できると思います。ミストの強さは変更可能です。廃液ボトル付きで、びしょ濡れにならずに済みます。

ミスト状で鼻腔内を保湿する感じですので、この後に鼻吸いをすればより効果的に鼻詰まりが改善できる可能性があるのでは?と感じました。鼻を洗浄するというより保湿といった印象で、鼻や上咽頭をしっかり洗いたい方には不向きです。

清掃時には、5つの部品に分かれるため洗うのが少し面倒に感じました。

・ハナリラ(300ml)

ボトル底部のボタンを押すことで自然圧で水が押し出され洗浄ができます。最後の方は少し弱くなります。スクイーズ型のボトルと違い自分の握り具合で圧の調整ができないので、初めての方は戸惑うかもしれません。
自然圧なので弱めに洗いたい方は良いですが、しっかり洗いたい方には弱いと思います。水圧が足りない時は、ボトルを握ると水が強く出てきますが、スクイーズ用のボトルではないのでボトルは少し硬いです。

・EMSハナ通り(250ml)

自然圧のみならずスクイーズで圧調節が可能です。

洗う際には、

(1)ノズルの向きを変える

(2)キャップの穴を塞いだり通したりする

という2つの操作が必要なため慣れが必要です。

弱めの洗浄からしっかり洗浄まで幅広く対応は可能です。分解して中まで洗うことができます。

・サイナスリンス(120ml/240ml/480ml)

小児用(120ml)、成人用(240ml)、メガ(480ml)と、3種類のボトルがあります(左の写真は成人用です)。ボトルと握る強さで洗浄の強さが決まります。鼻腔〜上咽頭までしっかり洗浄可能です。

洗浄も簡単で、電子レンジで滅菌可能なので衛生的にも良いです。

・ハナクリーンS(150ml)

洗浄量は150ml、スライドノズルでキャップがあるため持ち運びに便利なサイズになっています。

ボトルと握る強さで洗浄の強さが決まります。鼻腔〜上咽頭までしっかり洗浄可能です。

液晶の温度計付きで、適温かどうか簡単に確認可能です。

・ハナノア(50ml/250ml)

ボトルは2タイプがあり、今回は250mlタイプを選択しました。

鼻腔〜上咽頭までしっかり洗浄可能です。

付属の洗浄液はミントの香りがついており洗った後にかなりスッキリします。ミントの香りが苦手な方は刺激が強すぎると感じる人もいそうです。

・ハナクリーンα(300ml)

洗浄量300mlと多めです。

プッシュポンプ式なので押す強さで洗浄の強さを調節可能なので、握力が弱い方に良いです。強く押すと強く洗うことも出来るのでしっかり洗いたい方にもお勧めです。温度計付きで、適温かどうか簡単に確認可能です。

洗浄部品が多いこと、やや大きめであることから少し面倒な点もあります。部品ごとに買い替え可能なようです。

<結局どれが良いの?>
年齢、慣れ、どの程度洗いたいかで大きく異なってきます。
(1)初心者の方:サイナスリンス、ハナクリーンS
(2)小さなお子様:WINCARE、小児用サイナスリンス
(3)しっかりたくさん洗いたい方:ハナノア、ハナクリーンα、サイナスリンスメガ
※あくまで個人的な意見です

<その他によくある質問>
・鼻を洗った後、しばらくして洗浄液が出てきます
きちんと副鼻腔まで洗うことができている証拠です。洗った後に前かがみや横向いたりして残っている洗浄液を出してください。
・鼻を洗っても洗った鼻から出てきません
鼻の奥で反対の鼻や喉に繋がっているので、反対の鼻や口から出てきているのであれば問題ありません。無理に洗った鼻から洗浄液を出そうとしたり、反対の鼻から洗浄液を出そうとしなくて良いです。
・洗うと耳の調子が悪くなります
鼻と耳は耳管という管で繋がっており、その通りが良い可能性がありますので、優しく洗ってください。それでも調子が悪い場合は、鼻洗浄が体質に合っていないと思われますので、鼻洗浄は止めましょう。
・洗浄液は何が良いですか?そして自分で作って良いですか?
市販の中に、粉を溶かすタイプ、液体を薄めるタイプなど何種類かあります。個人的にはどれも大して変わりはないと思いますので、お使いの鼻洗浄の器具のサイズに合ったタイプを購入するのが良いでしょう。
自作可能です。沸騰させ40℃程度に冷ましたお湯500mlに塩4.5g(小さじ1杯程度)を入れて洗浄液を作るのも良いでしょう。
濃度が適切でないと鼻が痛くなります。
作り置きは雑菌が増える原因になりますので、使用のたびに洗浄液を作るようにしましょう。

鼻うがいは注意点を守って行えば、鼻の諸症状の改善につながります。しかし、以前にも記載したように注意点を守らなければ逆効果になります。鼻うがいで、耳・鼻に不快感がある時は何かが間違っている可能性、鼻うがいが合っていない可能性や他の病気の可能性もありますので、近くの耳鼻咽喉科へ相談することをお勧めします。

2025年01月13日
鼻症状のある方へ、鼻うがいのススメ

風邪、副鼻腔炎、インフルエンザなどの感染症が増えていますが、今回はその予防・治療のための『鼻うがい/鼻洗い/鼻洗浄』に関してです。
『鼻うがい』とは、ご存知の通り『のど』のうがいではなく、文字の通り『はな』を洗うことでです。

<目的・効果は?>
鼻から上咽頭(鼻の突き当たり付近)についた雑菌、ほこり、汚れ、アレルギー物質(花粉、ダニ、ハウスダストなど)、余分な鼻水を洗い流し、風邪、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻水・鼻詰まりなどへの効果が期待できます。
・風邪などの感染予防
鼻は口同様に異物の入口です。当然、ウイルスや細菌がたくさん入ってきます。入ってきたウイルス・細菌が増えたり定着してしまう前に鼻うがいで洗い流すことで、感染予防や発症のリスクを軽減させる効果が期待できます。
・花粉症/アレルギー対策
花粉やダニ・ハウスダストなどのアレルギー物質が鼻の粘膜に付着することで花粉症・アレルギー性鼻炎などのアレルギー反応を引き起こします。このアレルゲンを鼻うがいで洗い流すことで発症や症状を軽減させる効果が期待できます。
・鼻の中の不快感改善
乾燥などから鼻の中に不快感を感じる方も、鼻うがいをすることで乾燥した汚れを洗い流し、鼻の中が潤い、症状軽減が期待できます。

<どんな人にお勧め?>
・鼻水・鼻詰まりなどの鼻症状のある方
・副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎・花粉症、上咽頭炎の症状を和らげたい方
・風邪を予防したい方

<具体的な方法は?>
1. 洗浄液を適切な温度・濃度で作成し、容器に入れる
2. 洗面所などで前屈みになり、鼻の穴に容器を当てる
3. 必ず「えー」や「あー」と声を出しながら洗浄する
※耳を守るためにも大切なので恥ずかしがらずに声を出しましょう
4. 軽く鼻をかんで残った洗浄液を出す

<どのくらいの頻度?温度?濃度?>
頻度:1日2回程度がオススメです
※過剰な洗浄は必要な粘液も流し出してしまうので逆効果です!適切な鼻汁・粘液があることで外敵から体を守っています
温度:体温よりも暖かめの40℃前後(38-42℃)が良いです。冷たすぎたり、適切な塩分濃度ではない洗浄液で洗うと刺激が強くなってしまいます
濃度:体液の濃度の同じ塩分濃度(約0.9%)が良いです
市販の生理食塩水や市販の洗浄液での作成がお勧めです

<子供にもできるの?>
鼻うがいの器具によっては小さなお子様から使用は可能です。
ミスト状のものは小さなお子様から安全に使用可能と思われます。洗浄タイプのものは2歳からできるとされているものもありますが、中耳炎の危険性や気管に流れ込む危険性があるなど、注意点があるため小学校低学年から使用を検討してください。

<注意点は?>
・過度な洗浄は控える
上記記載しているように、過剰な洗浄は必要な粘液も流し出してしまいます。適切な鼻汁・粘液があることで外敵から体を守っていますので、洗い過ぎは逆効果です!
・適切な温度、濃度で行いましょう
熱すぎるとヤケドになります。冷たすぎたり、濃度が濃すぎたりすと刺激が強くなってしまいます。市販の生理食塩水や市販の洗浄液を使用しての洗浄がお勧めです。
ご自身で作成される場合は、沸騰させ38-40℃まで冷ました500mlのお湯に、食塩4.5g(小さじ1杯程度)を混ぜて作成してください。作成したものは毎回使い切るか、余ったものは捨ててください(置いておくと雑菌が繁殖するため)。
・強い圧で洗いすぎないようにしましょう
強く洗いすぎると、鼻の粘膜を傷つけてしまったり、耳に水が入ってしまって中耳炎になってしまったりします。
・洗浄中に洗浄液を飲み込まないようにしましょう
洗浄中に飲み込むと耳に水が入ってしまい中耳炎になることがあります。
・洗浄中に大きく上を向かないようにしましょう
大きく上を向いて洗浄すると、洗浄液が耳に入り中耳炎になってしまいます。
・お子様はうまくできないことが多いですので、必ず保護者が見てあげて下さい
・むせやすい人や鼻症状が強すぎる人や中耳炎の人は注意が必要
むせやすい人は誤嚥して気管の方に入っていってしまうので控えた方が良いでしょう。また、鼻症状(膿性鼻汁)がひどい人は中耳炎になる可能性があり、中耳炎の方は悪化することもあるため注意が必要です。

<どこで購入できる?>
薬局、ドラッグストア、インターネットショッピングサイトで購入可能です。

次回は、いくつかピックアップした鼻うがいの容器の比較・説明を行いますので、まだ購入されていない方は参考にしていただけますと幸いです。

今のお困りの症状改善のため、日々の体調管理のためなどに是非ご検討ください!

2025年01月12日