耳垢が臭いのはなぜ?原因と受診の目安を耳鼻科が解説

ふとした時に、自分の耳から嫌な臭いがすると気になったことはありませんか。
耳垢が臭う理由には、心配のいらない体質的なものから、病気が隠れているケースまで様々です。
当院にも、

「耳垢のにおいが気になる」

「耳掃除だけで受診してもいいのか迷う」

といったご相談が少なくありません。

この記事では、耳垢が臭う主な原因、耳鼻科を受診したほうがよい症状の目安、ご自宅で気をつけたい対処法について、耳鼻咽喉科の立場からわかりやすく解説します。
臭いの原因を正しく理解し、適切な対処法を知ることで、不安を解消しましょう。


耳垢の臭いはどこからが異常?まずは心配ないケースを知ろう

耳垢の臭いが気になると、「何か悪い病気なのでは」と不安になるかもしれません。
ただ、耳垢はもともとまったくの無臭ではなく、誰でも多少のにおいはあります。まずは、異常とは限らないケースを知っておくことが大切です。
臭いの性質や、ご自身の耳垢のタイプを理解することが、適切な判断の第一歩になります。

基本的に耳垢には誰でも多少の臭いがある

耳垢は、耳の穴(外耳道)の古い皮膚や、皮脂腺・耳垢腺からの分泌物、外部からのホコリなどが混じり合ってできたものです。
汗や皮脂が含まれているため、ある程度の臭いがあるのは自然なことです。
これらの分泌物は、耳の皮膚を保護し、外部からの異物の侵入を防ぐという大切な役割を担っています。
そのため、少し臭いがするからといって、すぐに異常だと判断する必要はありません。
普段と変わらない、かすかな臭いであれば、生理的なものと考えてよいでしょう。
耳垢や耳掃除の基本については、耳垢・耳掃除についてのページでもご案内しています。

湿った耳垢は臭いがしやすい?ワキガ体質との関連性

耳垢には、カサカサした「乾性耳垢」と、ベタベタした「湿性耳垢」の2種類があり、このタイプは遺伝によって決まります。
湿性耳垢は、ワキガの原因にもなるアポクリン腺という汗腺からの分泌物を多く含んでいるため、乾性耳垢に比べて臭いが強くなる傾向があります。
アポクリン腺は耳の中や脇の下、陰部など特定の場所に存在するため、耳垢が湿っている方はワキガ体質と結びつくことがありますが、これらはあくまで病気ではありません。
臭いが気になる場合でも、それが体質によるものか、他の原因があるのかを見極めることが重要です。

<<【原因別】耳垢が特に臭いときに考えられる4つの可能性>>

いつもと違う強い臭いや、不快な臭いがする場合は、何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。その理由としては、単に耳垢が溜まっているケースから、耳の中で炎症が起きている可能性まで、いくつかの原因が考えられます。
ここでは、耳垢が特に臭くなる代表的な原因について解説します。ご自身の症状と照らし合わせながら、原因を探ってみましょう。

原因① 古い耳垢の蓄積による臭い

耳垢は、通常であればあごの動きなどによって自然に耳の外へと排出されます。
しかし、何らかの理由でこの排出機能がうまくいかないと、古い耳垢が耳の奥に溜まってしまうことがあります。
これを「耳垢栓塞」と呼びます。
溜まった耳垢に含まれる皮脂や汗は、時間とともに酸化したり、細菌が繁殖したりすることで、臭いが強くなる原因となります。
特に湿性耳垢の方は、粘度が高く耳垢が溜まりやすいため注意が必要です。
古いチーズのような、脂っぽい臭いがする場合は、耳垢の蓄積が原因かもしれません。
耳垢(みみあか)、耳掃除について

原因② 外耳炎による炎症や膿の臭い

耳掃除のしすぎや、指で耳を頻繁に触ることで外耳道の皮膚に細かい傷がつき、そこから細菌が感染して炎症を起こすのが外耳炎です。
外耳炎になると、耳の中で炎症が進み、膿が出ることがあります。
この膿が、ツンとした酸っぱい臭いや生臭いような嫌な臭いの原因となります。
外耳炎は強い痛みやかゆみを伴うことが多く、放置すると症状が悪化する可能性があります。
耳掃除をした後に臭いが強くなった、痛みがあるといった場合は、外耳炎を疑う必要があります。
外耳炎について

原因③ 中耳炎などからくる「耳だれ」の臭い

中耳炎は、風邪などをきっかけに鼓膜の奥にある中耳という空間で細菌やウイルスが繁殖し、炎症を起こす病気です。
特に小さなお子さんに多く見られます。
炎症が強くなると中耳に膿が溜まり、その圧力で鼓膜が破れて膿が耳の外へ流れ出てくることがあります。
これが「耳だれ(耳漏)」です。
耳だれは、粘り気のある液体で、独特の生臭いような不快な臭いを伴うことが特徴です。
耳垢とは別に、耳から液体が出てきて臭いがする場合は、中耳炎などの病気が原因である可能性を考え、早めに医療機関を受診することが重要です。
中耳炎について

原因④ 外耳道真菌症(カビ)による特有の臭い

外耳道真菌症は、耳の中にカビ(真菌)が繁殖してしまう病気です。
健康な耳にもカビは存在しますが、耳掃除のしすぎで皮膚のバリア機能が低下したり、イヤホンを長時間使用して耳の中が蒸れたりすると、カビが増殖しやすくなります。
この病気になると、強いかゆみや耳の詰まり感とともに、特有の臭いが発生することがあります。
通常の細菌感染とは異なるため、診断と治療には専門的な判断が必要です。
なかなか治らない耳のかゆみや、これまでとは違う種類の臭いを感じた場合は、カビが原因となっている可能性も考えられます。

<<こんな症状は要注意!耳の臭いに加えて確認したい受診のサイン>>

耳垢の臭いだけでなく、他に気になる症状がある場合は、耳の中で何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。
自己判断で様子を見たり、間違ったケアを続けたりすると、症状を悪化させてしまう恐れがあります。
以下のような症状がみられる場合は、早めに耳鼻科を受診することをおすすめします。
専門家による適切な診断と治療を受けることが、早期回復への近道です。

強い痛みや痒み、腫れを伴う場合

耳の臭いに加えて、我慢できないほどの強い痛みや痒み、耳の入り口が赤く腫れているといった症状がある場合は、外耳炎が進行している可能性が高いと考えられます。
炎症がひどくなると、口を開けたり食事をしたりする際に痛みが響くこともあります。
このような状態を放置すると、炎症がさらに広がってしまう恐れがあるため、早急な治療が必要です。
自己判断で市販薬を使用するのではなく、まずは耳鼻科で正確な診断を受け、適切な処置をしてもらうことが大切です。

膿のような液体(耳だれ)が出ている場合

耳から黄色や緑色がかったドロッとした液体、つまり膿のようなものが出てくる場合は、注意が必要です。
これは「耳だれ(耳漏)」と呼ばれ、外耳炎や中耳炎のサインであることが多いです。
特に、急性中耳炎が進行して鼓膜が破れた場合にも耳だれが生じます。
鼓膜に穴が開いた状態を放置すると、聴力に影響が出たり、中耳炎が慢性化したりするリスクがあります。
ティッシュや綿棒で耳の入り口を拭う程度にし、耳の奥はいじらずに、できるだけ早く耳鼻科を受診してください。

聞こえにくい耳が詰まった感じがする場合

耳垢の臭いとともに、「音がこもって聞こえる」「耳に水が入ったような詰まった感じがする」といった症状がある場合、様々な原因が考えられます。
例えば、大量の耳垢が固まって耳の穴を塞いでしまう「耳垢栓塞」や、滲出性中耳炎などで鼓膜の奥に液体が溜まっている状態などが疑われます。
また、突発性難聴など、早期の治療が必要な病気の可能性も否定できません。
聞こえに関する異常は、生活の質に大きく影響するため、軽視せずに耳鼻科で聴力検査などを含めた詳しい診察を受けましょう。

お子さんが頻繁に耳を気にしたり機嫌が悪かったりする場合

言葉で症状をうまく伝えられない小さなお子さんの場合、行動の変化が病気のサインになることがあります。
急に機嫌が悪くなる、夜泣きがひどい、頻繁に耳に手をやる、頭を振るなどの様子が見られたら、耳のトラブルを疑ってみてください。
特に、発熱を伴う場合は急性中耳炎の可能性が高いです。
お子さんの耳から嫌な臭いがして、このような行動が見られる場合は、耳に痛みや不快感を感じているのかもしれません。
心配な様子があれば、早めに耳鼻科へ相談しましょう。

<<耳の臭いが気になる時の正しい対処法とやってはいけないNG行動>>

耳の臭いが気になると、つい自分で何とかしようと耳掃除をしたくなるかもしれません。
しかし、間違ったセルフケアは症状をかえって悪化させる危険性があります。
ここでは、ご自宅でできる応急処置としての正しい治し方と、避けるべきNG行動について解説します。
耳の健康を守るためにも、適切な知識を身につけ、慎重に対応することが大切です。

自宅でできる耳の臭いへの応急処置

痛みやかゆみ、耳だれといった症状がなく、単に臭いだけが気になる場合の応急処置としては、耳の周りを清潔に保つことが基本です。
入浴時に、湿らせたガーゼやタオルで耳介(耳の外側の部分)や耳の裏、入り口付近を優しく拭き取る程度にしましょう。
このとき、耳の穴の中に水や石鹸が入らないように注意してください。
耳の中を無理にきれいにしようとせず、外側を清潔にするだけでも、臭いが軽減される場合があります。
これが、ご自身でできる安全な治し方の基本です。

症状を悪化させる危険なセルフケアと耳掃除

耳の臭いが気になるからといって、綿棒や耳かきを耳の奥深くまで入れて掃除するのは非常に危険です。
耳垢を奥に押し込んでしまったり、外耳道のデリケートな皮膚を傷つけて外耳炎を引き起こしたりする原因になります。
また、自己判断で消毒液や洗浄液などを耳の中に入れるのも避けてください。
鼓膜に傷があった場合、症状を悪化させる可能性があります。
良かれと思って行ったケアが、かえって耳のトラブルを招くことは少なくありません。
耳の中の違和感やしつこい臭いは、専門家である耳鼻科医に相談するのが最も安全で確実な方法です。

福岡市城南区で耳の悩みを気軽に相談できる「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」

耳の臭いや耳垢に関するお悩みは、デリケートな問題であり、どこに相談すればよいか迷う方もいるかもしれません。
当院では、耳鼻科の専門医が、お子様からご高齢の方まで、あらゆる耳のトラブルに対応しています。
「耳掃除だけで受診してもいいのかな?」といった些細なことでも、遠慮なくご相談ください。
地域のかかりつけ医として、皆さまの耳の健康をサポートします。

<よくある質問>

湿った耳垢は臭いやすいですか?ワキガと関係があるのでしょうか?

はい、湿った耳垢は臭いやすく、ワキガと関係があります。
湿性耳垢は、ワキガの原因でもあるアポクリン腺からの分泌物を多く含むため、乾性耳垢よりも臭いが強くなる傾向があります。
ただし、これは病気ではなく個人の体質によるものですので、過度な心配は不要です。 

耳垢から酸っぱいような臭いがします。これは病気のサインですか?

必ずしも病気とは限りませんが、外耳炎の可能性があります。
耳の中で細菌が繁殖すると、炎症や膿によってツンとした酸っぱい臭いが発生することがあります。
もし、耳の痛みやかゆみ、耳だれなどの症状を伴う場合は、病気のサインである可能性が高いため、早めの受診をおすすめします。

子どもの耳が臭いのですが、耳掃除のためだけに耳鼻科へ行っても良いですか?

はい、もちろんです!
遠慮なくご来院ください!
お子様の耳が臭う場合、自分ではうまく取れない耳垢が溜まっていたり、中耳炎などの病気が隠れていたりする可能性があります。
耳鼻科では安全に耳の中を確認し、必要であれば適切な処置を行いますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。

日本耳鼻咽喉科学会専門医が丁寧に診察します

当クリニックの院長は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が認定する耳鼻咽喉科専門医です。
国内外の専門病院で培った豊富な知識と経験を活かし、耳垢の臭いの原因を的確に診断します。
耳の中の状態を必要に応じて内視鏡などで詳しく観察し、一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診察と治療を心がけています。
耳に関するお悩みは、どんな些細なことでも専門家である耳鼻科医にお任せください。

お子様からご高齢の方まで安心して相談できる環境です

当クリニックは、小さなお子様からご高齢の方まで、ご家族皆様で安心して通える、地域のかかりつけ医を目指しています。
お子様が怖がらないよう優しく対応することはもちろん、ご高齢の方の聞こえに関するお悩みにも親身に寄り添います。
待合室や診察室は、どなたでもリラックスして過ごせるような空間づくりを心がけています。
耳のことで少しでも気になることがあれば、お気軽にご来院ください。

耳掃除のような些細な悩みでも気軽に受診できる「かかりつけ医」を目指しています

「耳垢が溜まっている気がする」「耳掃除をしてほしい」といったご希望だけでも、全く問題ありません。
無理にご自身で耳掃除を行うと、耳の中を傷つけてしまうリスクがあります。
当クリニックでは、耳垢の除去だけでも丁寧に対応いたします。
耳鼻科の専門器具を用いることで、安全かつ確実に耳垢を取り除くことが可能です。
普段の耳のケアに関するご相談も含め、些細なことでも遠慮なく受診できる、身近なクリニックでありたいと考えています。

まとめ

耳垢のにおいは、湿った耳垢など体質によることもあれば、外耳炎や中耳炎、耳だれ(耳漏)などが関係していることもあります。
においだけなら慌てすぎなくてよいこともありますが、痛み、かゆみ、耳だれ、聞こえにくさがあるときは、早めに受診するのがおすすめです。
福岡市城南区のなかの耳鼻科・美容皮ふ科では、耳掃除だけの受診も含め、耳の小さなお悩みからご相談いただけます。小さなお子さんから大人の方、ご高齢の方まで、「これくらいで受診してよいのかな」と迷うような内容でもお気軽にご相談ください。
耳鼻科の診療内容全体は耳鼻科ページでもご案内しています。

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2026年07月18日