赤ちゃんが耳をよく触るのはなぜ?中耳炎?それともただのクセ?

「最近、赤ちゃんがよく耳を触っています」
「眠いときに耳をよく触っています」
「片方の耳ばかり触るので、中耳炎ではないか心配です」

このようなご相談は、小児の耳鼻科診療ではよくあります。

結論からいうと、乳幼児が耳を触るからといって、必ずしも中耳炎とは限りません。

赤ちゃんは病気がなくても耳を触ることがあります。一方で、中耳炎や外耳炎などのサインとして耳を触っている場合もあります。

大切なのは「耳を触る」という行動だけで判断せず、ほかの症状や実際の耳の状態を一緒に確認することです。

① 病気ではなく、耳を触っているだけ

実は乳幼児では比較的よくあります。

赤ちゃんは成長とともに自分の手や足、顔など、さまざまな場所を触るようになります。その過程で「耳」という存在に気づき、触ったり、引っ張ったりすることがあります。

また、以下のような時に、癖のように耳を触るお子さんもいます。

・眠いとき
・授乳中
・機嫌が悪いとき
・安心したいとき

機嫌がよく、発熱や鼻水などもなく、耳を触っていても痛がる様子がなければ、病気ではないことも少なくありません。

② 急性中耳炎

耳を触る原因として、まず確認したい病気が「急性中耳炎」です。

乳幼児は「耳が痛い」と言葉で伝えることができません。

そのため、以下の行動が、耳の痛みのサインになっていることがあります。

・耳をしきりに触る
・耳を引っ張る
・いつもより機嫌が悪い
・夜に何度も起きる
・突然泣く
・発熱する
・食欲が低下する

特に、風邪をひいて鼻水が出ている途中から耳を頻繁に触るようになった場合は、中耳炎を疑うきっかけになります。

ただし、「耳を触っている」という症状だけでは中耳炎かどうかは判断できません。

耳鼻科では鼓膜を観察し、鼓膜が腫れていないか、中耳に膿や液体がたまっていないかなどを確認して診断します。

③ 滲出性中耳炎

中耳に液体がたまっているものの、急性中耳炎のような強い痛みや発熱を伴わない状態です。

乳幼児では自分から「耳が詰まる」「聞こえにくい」と訴えることができないため、

・耳を気にする
・テレビや音への反応が以前より悪い
・呼びかけへの反応が悪い
・言葉の発達が気になる

などをきっかけに見つかることがあります。

ただし、滲出性中耳炎でも耳を触るとは限りません。

④ 耳垢がたまっている

乳幼児の耳の穴は非常に狭いため、耳垢がたまって耳の穴をふさいでいることがあります。

耳垢そのものが必ずかゆみを起こすわけではありませんが、耳を気にする原因になることがあります。

また、耳垢で鼓膜が見えないと、中耳炎があるかどうか判断できないことがあります。

耳鼻科では必要に応じて耳垢を除去し、鼓膜まで確認します。

⑤ 外耳炎・耳の湿疹

耳の穴の入口や外耳道に、以下のような状況がある場合に、かゆみや痛みのために耳を触っている可能性があります。

・湿疹
・赤み
・ただれ
・耳漏

耳を頻繁に触ったり、耳かきを繰り返したりすることで皮膚が傷つき、さらにかゆくなるという悪循環になることもあります。

⑥ 耳以外が原因のこともあります

乳幼児では、耳そのものに異常がなくても耳の周辺を触ることがあります。

例えば、歯が生えてくる時期の口腔内の違和感、頬や耳周囲の皮膚トラブルなどです。

そのため、診察では耳だけでなく、必要に応じて鼻・のど・口腔内・皮膚なども確認します。

〜耳鼻科ではどんな検査をするの?〜

まず重要なのが鼓膜の診察です。

耳鏡や必要に応じて顕微鏡などを使って、以下のものを確認します。

・耳垢
・外耳道の赤みや腫れ
・鼓膜の赤み
・鼓膜の膨らみ
・鼓膜の奥に液体がたまっていないか

さらに必要に応じて、ティンパノメトリーという検査で鼓膜の動きや中耳の状態を調べることもあります。

聞こえへの反応や言葉の発達が気になる場合には、年齢に合わせて聴力検査を検討します。

〜どんな場合には受診した方がいい?〜

耳を触るだけで元気に過ごしている場合には、必ずしも急いで受診する必要はありません。

一方で、次のような症状があるときは、一度耳鼻科で耳の中を確認してもらうと良いでしょう。

・発熱している
・風邪や鼻水のあとから耳を頻繁に触るようになった
・耳を触ると泣く、嫌がる
・夜泣きや不機嫌が急に増えた
・耳から液体や膿(耳だれ)が出ている
・耳の周囲が赤い、腫れている
・呼びかけへの反応が悪い
・同じ側の耳ばかり長期間触っている

特に耳だれが出ている、強く痛がっている、ぐったりしている、高熱が続いている場合には、早めの受診をおすすめします。

〜治療は原因によって異なります〜

「耳を触る」という行動そのものを治療するわけではありません。

診察して耳に異常がなければ、基本的には治療の必要はありません。

急性中耳炎であれば重症度や年齢などに応じて経過観察、鎮痛薬、抗菌薬などを検討します。

滲出性中耳炎の場合には、まずは原因の除去に努めます。喉や鼻が悪い場合は、内服や鼻処置等を基本としながら、長期間続く場合や聴力への影響がある場合にはさらに追加の治療を検討します。

外耳炎や湿疹があれば、その状態に応じた外用薬などで治療します。

〜「耳を触る=中耳炎」ではありません〜

赤ちゃんが耳を触っていると、「耳が痛いのかな?」「中耳炎かな?」と心配になると思います。

しかし、乳幼児では病気がなくても耳を触ることは珍しくありません。

一方で、乳幼児は自分で「耳が痛い」「聞こえにくい」と伝えることができないため、耳を触ることが病気に気づくきっかけになることもあります。

「耳を触る」という行動だけではなく、発熱・鼻水・不機嫌・耳だれ・聞こえへの反応などを一緒に観察することがポイントです。

気になる状態が続く場合には、耳鼻咽喉科で一度鼓膜を確認してもらいましょう。

〜ご自宅では「耳を触る以外の症状」もチェックしてみましょう〜

赤ちゃんや小さなお子さんが耳を触っていても、元気で機嫌がよく、ほかに症状がなければ、単なるクセや眠いときの仕草ということも少なくありません。

一方で、次のような症状が一緒にみられる場合には、中耳炎や外耳炎などが隠れていることがあります。

・発熱がある

・鼻水や風邪が続いている

・いつもより不機嫌でよく泣く

・夜中に何度も起きる

・耳を触ると嫌がる、痛がる

・耳から液体や膿が出ている

・呼びかけや音への反応が悪い

・いつも同じ側の耳ばかり触っている

特に乳幼児は「耳が痛い」「耳が詰まっている」「聞こえにくい」と自分で伝えることができません。

「いつもと少し違う」という保護者の気づきが、耳の病気を見つけるきっかけになることがあります。

〜よくある質問〜

Q.耳を触っているだけでも耳鼻科を受診してよいですか?

もちろん大丈夫です!!耳を触るだけで中耳炎とは限りませんが、乳幼児では耳の症状を言葉で伝えられません。耳鼻科では耳垢を取り除いたうえで鼓膜まで確認できますので、「なんとなく気になる」という場合でもいつでもご相談ください。

Q.熱がなくても中耳炎のことはありますか?

あります。中耳炎だから必ず発熱するわけではありません。特に滲出性中耳炎では、発熱や強い痛みがなく、中耳に液体がたまっていることがあります。

Q.耳垢が原因で耳を触ることもありますか?

耳垢がたまっていることがきっかけで耳を気にすることもあります。また、耳垢で鼓膜が見えないと中耳炎の有無を確認できないことがあります。無理にご家庭で取ろうとせず、耳鼻科での耳垢除去もご相談ください。

Q.片方の耳ばかり触る場合は病気でしょうか?

必ずしも病気とは限りません。ただし、いつも同じ耳を触る、長期間続いている、痛がる、耳だれがある、聞こえへの反応が気になる、といった場合には一度耳の中を確認しておくとよいでしょう。

〜まとめ〜

「耳を触る=中耳炎」とは限りません。

赤ちゃんや乳幼児が耳を触るのは、決して珍しいことではありません。

眠いときのクセや、自分の耳に気づいて触っているだけということもあれば、急性中耳炎、滲出性中耳炎、耳垢、外耳炎や湿疹などが原因になっていることもあります。

大切なのは、「耳を触」と言う行動だけで判断しないことです。

発熱、鼻水、不機嫌、夜泣き、耳だれ、音への反応など、ほかの変化がないかも一緒に観察してみてください。

そして、中耳炎かどうかを判断するためには、実際に耳の中を診察して鼓膜の状態を確認することが重要です。

「中耳炎なのかな?」
「ただのクセなのかわからない」
「片方の耳ばかり触っている」

このような場合も、気になる状態が続くようであれば耳鼻咽喉科へご相談ください。

〜福岡市城南区でお子さんが耳を気にしている場合は「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」へ〜

赤ちゃんや小さなお子さんは、耳の痛みや聞こえにくさを上手に言葉で伝えることができません。そのため、「耳をよく触る」「いつも同じ耳を気にしている」といった何気ない仕草が、耳の異常に気づくきっかけになることがあります。

なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、乳幼児のお子さんについても耳の中や鼓膜を確認し、必要に応じて耳垢の除去や中耳炎・外耳炎などの診断、治療を行います。

一方で、診察してみると耳に異常がなく、単なるクセや成長過程の行動と考えられることもあります。

「こんなことで受診してもいいのかな?」という場合でも大丈夫です。

福岡市城南区やその周辺で、お子さんの耳を触る仕草、耳だれ、耳の痛み、聞こえなどが気になる場合は、お気軽にご相談ください。

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2026年10月04日