
今年(2026年度)は例年よりも早くインフルエンザが流行しています。
インフルエンザの流行シーズンが近づくと、患者さんからよくいただく質問があります。
「インフルエンザワクチンはいつ打つのがいい?」
「10月に接種すると効果が早く切れてしまう?」
「注射とフルミスト(鼻に噴霧するワクチン)はどちらがいい?」
インフルエンザワクチンは、接種する時期だけでなく、年齢や健康状態、ワクチンの種類によっても選び方が異なります。
今回は、インフルエンザワクチンの適切な接種時期、効果が現れるまでの期間、注射とフルミストの違いについて、医学的な根拠をもとにわかりやすく解説します。
一般的には、10月〜11月に接種を済ませておくことをおすすめします。
日本では例年、冬にインフルエンザの流行が大きくなりますが、2026年度のように近年は流行開始が早まったり、季節外れの流行がみられたりすることもあります。
ワクチン接種後、十分な免疫応答が得られるまでには一般に約2週間かかるため、流行が本格化する前に接種しておくことが重要です。
一般的な接種時期の考え方について表にまとめましたので、今後の参考にしてみてください。
| 接種時期 | 考え方 |
| 9月 | 早期流行への備え。ただし接種可能時期は医療機関・製剤による (製剤が医療機関に届いていないことが多い) |
| 10月 | おすすめの接種時期 (ほぼどの医療機関にも製剤あることが多い) |
| 11月 | おすすめの接種時期 |
| 12月 | 未接種であれば流行状況に応じて検討 |
| 1月以降 | 流行が続いていれば接種の意義がある場合も (医療機関によっては接種終了していることも多い) |
特に、13歳未満のお子さんで注射ワクチンを2回接種する場合は、接種間隔も考慮して早めに予定を立てましょう。
インフルエンザワクチンによる免疫は時間とともに低下します。
ただし、10月に接種すると冬の途中で必ず効果がなくなる、というわけではありません。
接種後の抗体応答は一般に約2週間で得られ、その後数か月にわたって一定の予防効果が期待されます。
効果の持続期間には年齢、免疫状態、流行株との適合性などが影響します。特に高齢者では時間経過による予防効果の低下が問題になることがあります。
そのため、春までの効果を期待して意図的に接種を遅らせるよりも、地域の流行状況に合わせて早めに備えることが大切です。
日本では、従来の注射による不活化インフルエンザワクチンに加え、鼻に噴霧する弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト®︎」が使用されています。

従来からの注射ワクチンとフルミスト®︎(点鼻ワクチン)の違いについて簡単にまとめておりますので、接種を検討する際に参考にされてください。
| 項目 | 注射ワクチン | フルミスト®︎ |
| ワクチンの種類 | 不活化ワクチン | 弱毒生ワクチン |
| 接種方法 | 皮下注射(日本国内の主流) 筋肉注射(海外の主流) | 両鼻腔に噴霧 |
| 国内の対象年齢 | 生後6か月以上 | 2歳以上19歳未満 |
| 接種回数 | 13歳未満は原則2回 13歳以上は原則1回 | 1回 |
| 主な副反応 | 接種部位の痛み・腫れ、発熱など | 鼻水・鼻づまり、発熱など |
| 特徴 | 幅広い年齢層に使用可能 | 針を使わず接種できる |
| 注意点 | 重篤なアレルギー歴など | 免疫不全、妊娠、喘息などで注意・禁忌がある |
フルミストは鼻の粘膜で免疫応答を誘導するという特徴があります。一方、注射ワクチンは血中抗体を中心とした免疫応答を誘導します。
どちらが優れているかは一概には言えず、年齢や基礎疾患、流行株などによって効果が異なります。
フルミストは、注射が苦手なお子さんや、1回で接種を終えたいご家庭にとって選択肢になります。
ただし、すべてのお子さんに適しているわけではありません。
特に、以下の場合は接種前に医師による確認が必要です。
・喘息の治療中、または喘鳴を繰り返している
・免疫機能に異常がある、免疫抑制治療を受けている
・妊娠している
・特定の薬剤を使用している
・強い鼻づまりがある
フルミストの国内添付文書では、妊娠中や免疫機能に異常がある方などは禁忌とされており、喘息のある方には慎重な判断が必要です。
また、鼻づまりが強い場合はワクチンが鼻粘膜に十分届かない可能性があるため、接種時期の変更や注射ワクチンを検討することがあります。
基本的には、毎年の接種が推奨されます。
その理由は、インフルエンザウイルスが変化することと、ワクチンによる免疫が時間とともに低下することです。
ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、発症や重症化、入院のリスクを減らす効果が期待できます。2025〜2026年シーズンの米国の暫定的な評価でも、ワクチン接種による一定の予防効果が報告されています。
Q. インフルエンザワクチンは12月に打っても遅くありませんか?
遅すぎるとは限りません。流行が続いている場合、12月以降でも接種する意義があります。ただし、免疫が得られるまでの時間を考えると、早めの接種が望ましいでしょう。
Q. 注射ワクチンとフルミストで免疫ができるまでの期間は違いますか?
どちらも接種後おおむね2週間を目安に免疫応答が得られます。ただし、免疫の仕組みや個人差があり、厳密に同じタイミングで同等の防御効果が完成するわけではありません。
Q. 昨年インフルエンザにかかった場合もワクチンは必要ですか?
接種を検討する意義があります。インフルエンザには複数の型や株があり、前年の感染だけで翌シーズンの十分な予防効果が得られるとは限りません。実際に当院でも1シーズンに複数回インフルエンザに罹患した方も何人もおられます。
Q. ワクチン接種後にインフルエンザにかかることはありますか?
あります。ワクチンは感染・発症を100%防ぐものではありませんが、重症化予防という重要な役割があります。
Q. インフルエンザにかかった直後でもワクチンを接種できますか?
急性期の症状が回復し、全身状態が安定してから接種を検討します。インフルエンザに感染したこと自体を理由に、すべての方で一律の長期間の接種間隔を設ける必要はありません。
しかし、インフルエンザの治療で用いた薬剤によってはワクチン接種までの間隔を一定期間空ける必要があります。過去のブログで案内しておりますので、インフルエンザになった後、ワクチンはいつ打てる?をご参照ください。
接種時期とワクチンの種類を適切に選びましょう!
インフルエンザワクチンは、一般的には流行が本格化する前の10〜11月に接種することが一つの目安です。
注射ワクチンは幅広い年齢層に使用でき、フルミストは2歳以上19歳未満の方に使用できる針を使わないワクチンです。
どちらにも特徴があり、年齢や基礎疾患、接種歴などを踏まえて選択することが大切です。
なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、注射によるインフルエンザワクチンと、点鼻ワクチン「フルミスト®︎」に対応しています。フルミスト®︎が日本に導入された当初からの使用経験があり、患者さんに合わせて柔軟に対応しております。
接種時期やワクチンの選択についても、耳鼻咽喉科専門医がご相談に応じています。 福岡市城南区・鳥飼・別府・茶山・七隈周辺、福岡市中央区、福岡市早良区でインフルエンザ予防接種をご検討の方は、ホームページまたは公式LINEからWeb予約をご利用ください。
ワクチンの在庫や予約枠は時期によって異なりますので、最新の案内をご確認ください。
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