いびきはなぜ起こる?鼻づまりや睡眠時無呼吸との関係

「家族からいびきがうるさいと言われる」

「寝ているときに息が止まっていると言われた」

「朝起きても疲れが取れない」

このようなお悩みはありませんか?

いびきは、寝ている間に鼻からのどにかけての空気の通り道(上気道)が狭くなり、周囲の粘膜や軟らかい組織が振動することで生じます。

疲れているときや飲酒後などに一時的に起こることもありますが、毎晩のように大きないびきをかいている場合は、鼻やのどの病気、あるいは睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。

特に寒い季節は、風邪や鼻炎による鼻づまり、室内の乾燥などが重なり、いびきが気になる方もいらっしゃいます。

今回は、いびきの原因や治療法、耳鼻咽喉科で行う検査について詳しく解説します。

〜いびきが起こる仕組み〜

私たちが眠ると、舌やのどの周囲の筋肉が緩み、起きているときよりも空気の通り道が狭くなります。

その狭い部分を空気が通過すると、軟口蓋や口蓋垂、咽頭周囲の組織などが振動し、いびきが発生します。

いびきの原因となる狭窄部位は一つとは限りません。鼻、軟口蓋、扁桃、舌根など、複数の部位が関係することもあります。

また、仰向けで寝ると重力によって舌が後方へ移動し、気道が狭くなりやすくなります。

そのため、横向きで寝るといびきが軽くなる方もいます。

〜いびきの主な原因とは?〜

いびきにはさまざまな原因があります。特に耳鼻咽喉科で重要なのは、鼻やのどの構造的な問題です。

① 鼻づまり(アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎など)

鼻づまりは、いびきを悪化させる要因の一つです。

鼻の通りが悪くなると、鼻呼吸に必要な抵抗が増加し、口呼吸になりやすくなります。その結果、睡眠中の上気道が狭くなり、いびきが生じやすくなることがあります。

代表的な原因として、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、下鼻甲介肥大などがあります。

特に、次のような症状がある方は鼻の病気が関係しているかもしれません。

・普段から鼻が詰まっている

・寝ると鼻づまりが強くなる

・左右どちらかの鼻がいつも詰まっている

・花粉症やハウスダストアレルギーがある

鼻づまりの治療によって、いびきが軽減する場合があります。 ただし、鼻の治療だけで睡眠時無呼吸症候群が改善するとは限りません。

② 扁桃肥大・アデノイド肥大

口蓋扁桃やアデノイドが大きいと、空気の通り道が狭くなり、いびきの原因になります。

特に小児では、扁桃肥大やアデノイド肥大が睡眠時無呼吸の重要な原因となります。

お子さんに大きないびき、口呼吸、寝相の悪さ、睡眠中の呼吸停止などがある場合は注意が必要です。

③ 肥満・首周囲の脂肪

肥満によって舌や咽頭周囲に脂肪が蓄積すると、気道が狭くなりやすくなります。

特に首周囲の脂肪が多い方では、睡眠中に気道が閉塞しやすくなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。

④ 顎が小さい・下顎が後退している

日本人を含む東アジア人では、肥満がなくても顎顔面の骨格がいびきや睡眠時無呼吸に関係することがあります。

下顎が小さい方や後退している方では、舌が相対的に後方へ位置し、睡眠中に気道が狭くなりやすくなります。

そのため、痩せているから睡眠時無呼吸症候群にはならない、というわけではありません。

⑤ 加齢・飲酒・睡眠薬など

加齢に伴う筋緊張の変化や、就寝前の飲酒による上気道筋の弛緩も、いびきを悪化させる原因となります。

一部の睡眠薬や鎮静薬も睡眠中の呼吸に影響することがあるため、使用中の薬について診察時に確認することが重要です。

〜いびきと睡眠時無呼吸症候群(SAS)の違い〜

いびきがあるからといって、必ず睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。

しかし、大きないびきに加えて睡眠中の呼吸停止や日中の強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群を疑う必要があります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し停止したり、浅くなったりする病気です。

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では、睡眠中に上気道が部分的または完全に閉塞することで、低酸素血症や睡眠の分断が起こります。

このような症状はありませんか?

<いびき・睡眠の症状チェック>

・毎晩のように大きないびきをかく

・家族から呼吸が止まっていると言われる

・夜中に息苦しくて目が覚める

・朝起きても疲れが取れない

・日中に強い眠気がある

・起床時に頭痛や口の渇きがある

このチェックは診断用のスコアではありません。該当する症状がある場合、特に呼吸停止や強い日中の眠気がある場合は医療機関で相談しましょう。

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧、不整脈、心血管疾患、脳血管疾患などのリスクと関連することが知られています。

また、日中の眠気による集中力の低下や交通事故のリスクにも注意が必要です。

〜いびきの原因を調べるには?当院で行う診察・検査〜

いびきの原因は、鼻づまりや扁桃肥大などの耳鼻咽喉科疾患から、睡眠時無呼吸症候群までさまざまです。

なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、鼻やのどの診察に加え、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査にも対応しています。

① 鼻やのどの診察

まずは鼻づまりの有無や、扁桃肥大、咽頭の狭さなどを確認します。

必要に応じて鼻咽腔ファイバースコープを使用し、鼻腔から咽頭にかけての状態を詳しく観察します。

特に、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症、下鼻甲介肥大、扁桃肥大などがないかを確認し、いびきに関係する原因を調べます。

② 自宅でできる睡眠時無呼吸の簡易検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、自宅で行える簡易睡眠検査をご案内しています。

睡眠中に専用の機器を装着し、呼吸の状態や血液中の酸素飽和度などを測定します。

検査結果から、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりしていないかを評価します。

ただし、簡易検査だけでは診断が確定しない場合もあり、必要に応じて専門施設での精密検査(PSG検査)をご案内します。

③ 検査結果に応じた治療

当院では、睡眠時無呼吸症候群と診断された方に対して、CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)も行っています。

CPAP療法は、睡眠中に専用のマスクから空気を送り込むことで、気道が塞がるのを防ぐ治療です。

また、鼻づまりがあるとCPAPを快適に使用できない場合があります。

当院では耳鼻咽喉科として鼻の状態も確認し、必要に応じて鼻炎などの治療を併用することで、CPAP療法を継続しやすい状態を目指します。

※CPAP療法の適応は、睡眠検査の結果や症状、保険診療上の基準などを踏まえて判断します。

〜いびきの治療法にはどのようなものがある?〜

いびきの治療は、原因や睡眠時無呼吸の重症度によって異なります。

① 鼻づまりの治療

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などがある場合には、原因疾患に応じた治療を行います。

アレルギー性鼻炎ではステロイド点鼻薬や抗アレルギー薬、適応がある場合には舌下免疫療法などが選択肢となります。

鼻中隔弯曲症や下鼻甲介肥大などによって鼻閉が強い場合には、レーザー治療(当院でも可能です)や鼻中隔矯正術など(専門施設にご紹介いたします)の手術治療を検討することもあります。

② 生活習慣の改善

肥満がある方では減量が有効な場合があります。また、就寝前の飲酒を控えることや、仰向けでいびきが悪化する場合に横向きで寝ることも対策の一つです。

③ マウスピース(口腔内装置)

下顎を前方に移動させる口腔内装置によって、舌根周囲の気道を広げる治療です。

単純性いびきや、適応のある閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対して使用されます。歯科での作製や調整が必要です。

④ CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

中等症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群などに対して行われる代表的な治療です。

睡眠中に鼻や口に装着したマスクから空気を送り込み、気道が閉塞しないようにします。

CPAPは睡眠中の無呼吸や低呼吸を減らす効果が高い治療法ですが、継続的な使用が重要です。

また、鼻づまりがあるとCPAPの使用が難しくなることもあるため、鼻疾患を適切に治療することにも意味があります。

⑤ 手術治療

扁桃肥大やアデノイド肥大など、明らかな解剖学的狭窄がある場合には手術が検討されます。

成人でも病態に応じて咽頭手術などが選択肢となりますが、すべての患者さんに適応があるわけではありません。

手術の必要性は、狭窄部位、睡眠検査の結果、年齢、合併症などを総合して判断します。

〜子どものいびきにも注意が必要です〜

子どものいびきは、大人と原因や治療方針が異なる場合があります。

特に、アデノイド肥大や口蓋扁桃肥大は小児の閉塞性睡眠時無呼吸の代表的な原因です。

睡眠中の大きないびきや呼吸停止だけでなく、寝相の悪さ、夜尿、日中の落ち着きのなさ、集中力の低下などがみられることもあります。

お子さんが習慣的にいびきをかいている場合は、「成長すれば治るだろう」と自己判断せず、耳鼻咽喉科で相談することをおすすめします。

〜よくある質問〜

Q.いびきは耳鼻科と内科のどちらに相談すればよいですか?

A.鼻づまり、扁桃肥大、のどの狭さなどが疑われる場合は耳鼻咽喉科が適しています。睡眠時無呼吸症候群の診断や治療は、耳鼻咽喉科のほか、呼吸器内科や睡眠医療を専門とする医療機関でも行われています。

Q.鼻づまりを治せば、いびきも治りますか?

A.鼻づまりがいびきの主な原因であれば、治療によって軽減する可能性があります。ただし、舌根や咽頭の狭窄など複数の原因がある場合には、鼻の治療だけでは改善しないこともあります。

Q.痩せている人でも睡眠時無呼吸症候群になりますか?

A.はい。肥満がなくても、下顎が小さい、下顎が後退している、扁桃が大きいなどの理由で睡眠時無呼吸症候群になることがあります。

Q.いびきの治療に手術は必要ですか?

A.必ずしも必要ではありません。原因に応じて、薬物療法、生活習慣の改善、口腔内装置、CPAP療法などを検討します。手術は解剖学的な問題や重症度などを踏まえて判断します。

Q.いびきだけで、日中の眠気がなくても検査した方がよいですか?

A.日中の眠気がなくても睡眠時無呼吸症候群が存在することがあります。習慣的な大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘されている場合には、検査を検討する価値があります。

〜まとめ〜

いびきには治療できる原因が隠れていることもあります。

いびきは単なる寝ているときの音ではなく、鼻やのどの空気の通り道が狭くなっているサインかもしれません。

鼻づまり、扁桃肥大、肥満、顎の骨格など、原因は一人ひとり異なります。

また、いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていることもあります。

大切なのは、いびきを止めることだけではなく、なぜいびきが起こっているのかを調べ、原因に合った治療を選択することです。

〜福岡市城南区/福岡市中央区/福岡市早良区でいびき・睡眠時無呼吸症候群にお悩みなら「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」へ〜

いびきの原因には、鼻づまり、扁桃肥大、顎の骨格など、さまざまな要因が関係しています。

また、いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていることもあります。

なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、鼻やのどの診察から、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査、CPAP療法まで対応しています。

耳鼻咽喉科として鼻づまりや咽頭の状態を確認しながら、患者さん一人ひとりの原因や症状に合わせた治療をご提案しています。

「家族からいびきを指摘される」「寝ている間に呼吸が止まっていると言われた」「朝起きても疲れが取れない」「鼻づまりがあり、いびきも気になる」

このようなお悩みがある方は、福岡市城南区のなかの耳鼻科・美容皮ふ科へお気軽にご相談ください。

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〜参考文献〜

Kapur VK, et al. J Clin Sleep Med. 2017.

Ramar K, et al. J Clin Sleep Med. 2015;.

Mitchell RB, et al. Otolaryngol Head Neck Surg. 2019.

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2026年10月26日