
鼻をかんでもすっきりせず、夜も息苦しくて眠れないなど、つらい鼻詰まりに悩んでいませんか。
鼻詰まりの原因は、単に鼻水が溜まっているだけではありません。
多くの場合、風邪や花粉症・アレルギー性鼻炎などによる鼻の粘膜の「炎症」や「腫れ」が大きく関係しています。
この記事では、鼻詰まりが起こる理由から、症状別に考えられる病気、自宅でできる即効性のある解消法、そして耳鼻咽喉科を受診すべき目安までを詳しく解説します。
ご自身の鼻詰まりの原因を特定し、適切な対処法を見つけるための参考にしてください。

鼻をかんでも鼻水があまり出ないのに詰まっている感じがするのは、空気の通り道そのものが狭くなっているためです。つまり、鼻詰まりが起こる主な原因は、鼻の内部にある粘膜の腫れです。
この鼻の通りが悪くなる状態は、主に「炎症性」のものと「構造性」の2つの理由に分けられます。
それぞれの原因を理解することで、ご自身の鼻詰まりがなぜ起こるのかを把握しやすくなります。
炎症性の鼻詰まりは、ウイルスやアレルゲンなどの異物が鼻の粘膜に付着し、それを排出しようと体が防御反応を起こすことで生じます。
例えば、風邪のウイルスに感染したり、花粉症のアレルゲンを吸い込んだりすると、鼻の粘膜にある血管が拡張して血流が増加します。
その結果、粘膜がうっ血して腫れ上がり、鼻の内部が狭くなることで鼻詰まりが起こります。
急性鼻炎やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などがこのタイプにあたります。
構造性の鼻詰まりは、鼻の内部の物理的な構造が原因で空気の通り道が狭くなっている状態です。
代表的なものに、左右の鼻を仕切る壁である「鼻中隔」が曲がっている鼻中隔弯曲症や、鼻の粘膜がキノコのように腫れてできる鼻ポリープ(鼻茸)があります。
これらはウイルス感染などの炎症とは直接関係なく、常に鼻の通りを妨げる原因となります。
片方の鼻だけが常に詰まっている場合などは、この構造的な問題が隠れている可能性があります。
鼻詰まりと一言でいっても、その症状の現れ方はさまざまです。
鼻水の状態や他の症状を伴うかによって、考えられる病気は異なります。
ここでは、代表的な症状のパターン別に、鼻詰まりの原因となりうる主な病気を解説します。
しかし、実際はこれらの病態が組み合わさっていることも多々あります。
ご自身の症状と照らし合わせて、原因を探る手がかりにしてください。
両方の鼻が詰まり、くしゃみや透明でサラサラした鼻水、目のかゆみを伴う場合、アレルギー性鼻炎が考えられます。
スギやヒノキなどの花粉が原因となる季節性のもの(花粉症)と、ハウスダストやダニなどが原因で一年中症状が続く通年性のものがあります。
アレルゲンが鼻の粘膜に付着することでアレルギー反応が起き、粘膜が腫れて鼻詰まりを引き起こします。
風邪をひいた後などに、黄色や緑色の粘り気のある鼻水が出て、鼻詰まりが長引く場合は、副鼻腔炎(ちくのう症)の可能性があります。
副鼻腔は鼻の奥にある空洞で、風邪による炎症がこの部分にまで及ぶと、細菌が増殖して膿が溜まります。
症状が進行すると、頬や額、目の奥などに痛みや重い感じを伴うことも少なくありません。
左右どちらか片方の鼻だけが常に詰まっている場合、鼻の内部構造に原因がある可能性が考えられます。
鼻の中を左右に仕切る壁(鼻中隔)が大きく曲がっている「鼻中隔弯曲症」や、鼻の粘膜にポリープ(鼻茸)ができている場合、物理的に空気の通り道が狭くなります。
これらは薬だけでは改善が難しく、根本的な治療には手術が必要となることもあります。
お子さん、特に2歳から6歳頃をピークによく見られる鼻詰まりの原因としてアデノイド肥大があります。
アデノイドは鼻の突き当りにあるリンパ組織で、この時期に生理的に最も大きくなります。
アデノイドが大きくなりすぎると鼻の奥を塞いでしまい、鼻詰まりやいびき、口呼吸、睡眠時無呼吸の原因となります。
また、滲出性中耳炎を繰り返す一因にもなります。
市販の血管収縮剤を含む点鼻薬を長期間使い続けると、かえって鼻詰まりが悪化する「薬剤性鼻炎」を引き起こすことがあります。
薬を使いすぎると、血管がリバウンド反応で拡張しやすくなり、薬の効果が切れると以前より強く粘膜が腫れてしまうためです。
薬が手放せず、使用頻度や量が増えている場合は注意が必要です。
日中はそれほど気にならなかったのに、夜、布団に入ると鼻詰まりが悪化して寝苦しい、という経験をしたことがある方は多いでしょう。
この現象には、体のメカニズムが大きく関わっています。
ここでは、夜に鼻詰まりが悪化する主な2つの理由を解説します。
夜、横になって寝ると、頭部への血流が増加します。
これにより、鼻の粘膜にある血管に血液が溜まりやすくなり、うっ血が起こります。
粘膜がうっ血すると腫れが生じ、日中立っている時よりも鼻の通り道が狭くなってしまうため、鼻詰まりを感じやすくなります。
私たちの体は、活動的な時に優位になる「交感神経」と、リラックスしている時に優位になる「副交感神経」という2つの自律神経によってコントロールされています。
夜、体を休めるためにリラックスすると副交感神経が優位になりますが、この副交感神経には血管を拡張させる働きがあります。
そのため、鼻の粘膜の血管も拡張し、粘膜が腫れて鼻詰まりが悪化しやすくなります。

つらい鼻詰まりを今すぐ何とかしたい時に、日常生活の中で手軽に試せる対処法があります。
薬に頼るだけでなく、これらのセルフケアを組み合わせることで、一時的に鼻の通りを良くすることが期待できます。
ただし、これらは対症療法のため、症状が長引く場合は根本的な原因を調べることが重要です。
濡らしたタオルを電子レンジで温めて蒸しタオルを作り、鼻の付け根あたりを温める方法です。
鼻周辺を温めることで血行が促進され、鼻粘膜のうっ血が一時的に緩和されるため、鼻の通りが良くなることがあります。
やけどに注意し、心地よい温度で行いましょう。
東洋医学では、鼻詰まりに効果的とされるツボがいくつかあります。正直申し上げると、自宅で行うツボ押しについてはまだ科学的根拠は限定的です。ただし安全に行う範囲なら、鼻づまりを一時的に楽にするセルフケアとして試す価値はあると思います。
代表的なものは、小鼻のすぐ両脇にある「迎香」と、眉間の真ん中にある「印堂」です。
これらのツボを、人差し指の腹で気持ちいいと感じる程度の強さで、ゆっくりと5秒ほど押して離す動作を数回繰り返します。
横向きに寝ると、下側になった鼻が詰まりやすくなる傾向があります。
これは重力の影響で粘膜の血液が下側に集まるためです。
この性質を利用し、詰まっている方の鼻を上にして横向きに寝ると、一時的に詰まっている側の鼻の通りが改善されることがあります。
左右交互に詰まる場合は、寝返りを打つのも一つの方法です。
空気が乾燥していると、鼻の粘膜が刺激を受けて炎症が悪化しやすくなります。
特に就寝中は、加湿器を使ったり、濡れたタオルを部屋に干したりして、室内の湿度を50~60%程度に保つことが大切です。
鼻粘膜の乾燥を防ぐことで、刺激が和らぎ、鼻詰まりの悪化を防ぎます。
鼻うがいは、鼻の中に入り込んだアレルゲンやウイルス、溜まった鼻水を洗い流すのに役立つと考えられています。体液に近い濃度の生理食塩水(0.9%の食塩水)や市販の鼻うがい専用液を使い、市販の専用ボトルで片方の鼻からゆっくりと流し込みます。水道水をそのまま使用すると、非結核性抗酸菌やネグレリア・フォーレリなどの微生物による感染症のリスクがあるため、必ず適切な処理がされた水で生理食塩水を作り、使用してください。
別のブログでも鼻うがいや、鼻うがいの容器の比較についてまとめておりますのでご参照ください。
多くの鼻詰まりは一時的なものですが、中には病気が隠れていて専門的な治療が必要なケースもあります。
セルフケアを続けても改善しない場合や、特定の症状を伴う場合は、自己判断で放置せずに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。
気になる症状があれば、早めに専門医に相談しましょう。
風邪による鼻詰まりは、通常1週間程度で快方に向かいます。
しかし、1週間以上経っても症状が改善しない、あるいは悪化する傾向にある場合は、単なる風邪ではなく、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など、他の病気の可能性が考えられます。
長引く鼻詰まりは放置せず、一度原因を調べてもらうことをお勧めします。
透明な鼻水が黄色や緑色で粘り気のある状態に変化て長引いている場合、副鼻腔炎の可能性が考えられます。ウイルス性の鼻炎でも同様の鼻水が見られることがありますが、鼻の奥の副鼻腔に炎症が起きている場合は、自然に治りにくいことも多いため、適切な治療が必要になることがあります。
鼻詰まりに加えて、頬、目の奥、おでこ、あるいは頭全体に痛みや重い感じがある場合、副鼻腔炎が進行している可能性があります。
副鼻腔内の圧力が高まることで、周囲に痛みが広がります。
症状が悪化すると治療が長引くこともあるため、このような痛みを感じたら早めに受診しましょう。
慢性的な鼻詰まりは、睡眠中の呼吸にも影響を及ぼします。
家族から大きないびきや、睡眠中に呼吸が止まっている「無呼吸」を指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
夜、十分に眠れていないため日中の強い眠気や集中力低下につながるだけでなく、将来的には生活習慣病のリスクを高めるため、専門的な検査と治療が必要です。
鼻詰まりがひどくなると、においを感じる神経まで空気中のにおいの分子が届かなくなり、嗅覚障害が起こることがあります。
においが分からないと、食事の風味も感じにくくなり、日常生活の質が大きく低下します。
放置すると嗅覚が戻りにくくなることもあるため、気になる症状があれば早めに相談してください。
ここでは、鼻詰まりに関して患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
ご自身の疑問を解決するのにお役立てください。
鼻中隔弯曲症など鼻の構造的な問題が考えられます。
また、健康な人でも数時間ごと左右の鼻の粘膜が交互に腫れて休む「ネーザルサイクル」という生理現象があり、一時的に片方が詰まりやすく感じることもあります。
しかし、常に同じ側だけが詰まる場合は、一度耳鼻科で診てもらうと良いでしょう。
副鼻腔炎に関連する頭痛には、主に2つの要因が考えられます。一つは、副鼻腔内に膿や空気が溜まることで内圧が高まり、周囲を圧迫することです。もう一つは、副鼻腔の換気障害によって陰圧が生じることや、炎症が周辺の神経を刺激することなどが挙げられます。
いずれも、鼻詰まりを改善することが頭痛の解消につながる可能性があります。
鼻水が原因の場合は、鼻吸い器でこまめに吸引してあげることが効果的です。
特に0歳から6歳頃のお子さんは自分で鼻をかめないため、物理的に取り除く必要があります。
また、部屋の加湿や、寝る時に上半身を少し高くしてあげることも有効です。
ただし、いびきがひどい、口呼吸が続く場合はアデノイド肥大なども考えられるため、小児科や耳鼻科に相談してください。
鼻詰まりの原因は、単なる鼻水だけでなく、風邪やアレルギーによる「粘膜の腫れ」や、鼻の骨格など「構造的な問題」が大きく関わっています。
多くの鼻詰まりはセルフケアで対処できますが、長引く場合や色のついた鼻水、痛みなどの症状を伴う場合は、副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症などの病気が隠れている可能性があります。
特に、夜間の悪化は睡眠の質を大きく下げるため、放置は禁物です。
症状が改善しない場合は、自己判断で悩まずに耳鼻咽喉科を受診し、専門医に原因を特定してもらうことが、つらい症状から解放されるための最も確実な方法です。
福岡市城南区の「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」では、耳鼻咽喉科専門医が、つらい鼻詰まりの原因を 的確に診断し、患者さん一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた最適な治療法をご提案します。
長引く鼻詰まりや、気になる症状でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
当院では、問診や視診に加え、必要に応じて鼻の奥の状態を直接観察できるファイバースコープ検査を行います。
これにより、鼻ポリープの有無や鼻中隔の曲がり具合、副鼻腔からの鼻水の状態などを詳細に確認し、鼻詰まりの根本的な原因を正確に突き止めます。
治療法は、症状を抑える内服薬や点鼻薬の処方だけでなく、アレルギー性鼻炎による鼻詰まりに効果的な「鼻粘膜焼灼術(レーザー治療)」や、アレルギー体質の根本的な改善を目指す「舌下免疫療法」まで、幅広い選択肢に対応しています。
当然ですが患者さんと相談しながら、最適な治療計画を立てていきます。
当院は、小さなお子さんからご高齢の方まで、ご家族で安心して受診できるクリニックを目指しています。
特に、自分で症状をうまく伝えられない6歳までのお子さんの鼻詰まりは、保護者の方のお話をじっくり伺いながら丁寧に診察します。
耳掃除だけでもお気軽にご来院いただける、地域のかかりつけ医として皆さまの健康をサポートします。
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