
耳垢栓塞とは、耳垢が耳の穴に完全に詰まってしまい、栓をしたような状態になる病気です。通常、耳垢は自然に耳の外へ排出されますが、何らかの原因で耳の奥に溜まり、硬く固まってしまうことで発症します。特に、不適切な耳掃除によって耳垢を奥に押し込んでしまうことが大きな原因の一つです。
耳垢の詰まりによって、聞こえにくさや耳の閉塞感といった症状が引き起こされます。
耳垢には、個人の体質によって大きく2つのタイプがあります。一つは、乾燥してカサカサした「乾性耳垢(かんせいじこう)」です。もう一つは、湿り気があり粘り気の強い、いわゆるアメ耳と呼ばれる「湿性耳垢(しっせいじこう)」です。
この違いは遺伝によって決まるもので、湿性耳垢は乾性耳垢に比べて耳の穴に付着しやすく、溜まりやすい特徴があります。
日本人の約7〜8割は、カサカサとした乾性耳垢であると言われています。乾性耳垢は、皮膚が鼓膜側から外耳道入り口方向に移動する「epithelial migration/上皮遊走」という作用や、顎の動きなどに伴って自然と耳の入り口の方へ移動し剥がれ落ちていく、「自浄作用」が働くため、本来は頻繁な耳掃除を必要としません。過度な耳掃除は、この自浄作用を妨げ、かえって耳垢を奥に押し込んでしまう可能性があります。

耳垢栓塞になると、耳の中に栓がされたような状態になるため、特有の症状が現れます。自分で判断するのは難しいですが、以下のような症状に心当たりがないか確認してみてください。これらの症状は、耳垢栓塞を判断する上での重要なサインとなります。
耳垢栓塞の最も代表的な症状は、突然の難聴や耳の詰まり感(耳閉感)です。特に、シャワーやお風呂、プールなどで耳に水が入ったことをきっかけに、耳垢が水分を吸って膨張し、急に耳が聞こえにくい状態になることがよくあります。音がこもって聞こえる、膜が張ったような圧迫感を感じるのも特徴です。
耳垢の塊が鼓膜の近くを圧迫したり、外からの音が遮断されることで、脳が音を聞こうと感度を上げたりすることで、「キーン」や「ジー」といった耳鳴りが生じることがあります。難聴や耳閉感と同時に耳鳴りが気になる場合は、耳垢栓塞の可能性も考えられます。
耳垢で外耳道が完全に塞がれると、音が届きにくくなる伝音難聴の状態が生じます。このとき、自分の発した声や呼吸音が骨を伝わって直接耳に響く「自声強聴」が起こり、自分の声が頭の中で大きく響く・割れて聞こえるといった違和感を自覚します。なお、自声強聴は耳管が開いたままになる「耳管開放症」でも見られる症状ですが、耳垢栓塞の場合は耳垢を取り除くことで速やかに改善するのが特徴です。
耳垢栓塞は、日常生活の中の些細な習慣が原因で引き起こされることが少なくありません。特に良かれと思って行っている耳掃除が、かえって症状を悪化させる最大の理由となる場合があります。なぜ耳垢が詰まりやすくなるのか、その主な原因を理解することが予防の第一歩です。
耳垢栓塞の最も多い原因は、不適切な耳掃除です。綿棒や耳かきを耳の奥まで入れると、耳垢を外にかき出すどころか、逆に奥へ奥へと押し込んでしまいます。これを繰り返すことで、耳垢が圧縮されて硬い塊となり、外耳道を塞いでしまうのです。
もともと耳の奥に溜まっていた乾燥した耳垢は、お風呂やシャワー、水泳などで水分を吸収すると、まるでスポンジのように膨張します。それまで隙間があった外耳道が、膨らんだ耳垢によって完全に塞がれてしまい、突然聞こえなくなるという症状を引き起こします。
補聴器やイヤホン、耳栓などを日常的に使用していると、耳の穴が塞がれる時間が長くなります。これにより、耳垢が自然に排出されるのを物理的に妨げてしまい、耳の奥に溜まりやすくなります。器具を出し入れする際に、耳垢を奥に押し込んでしまうことも一因です。
高齢になると、皮膚の新陳代謝が衰えるため、外耳道の皮膚が乾燥し、耳垢を自然に外へ送り出す自浄作用が低下します。そのため、耳垢が剥がれ落ちにくく、外耳道に蓄積しやすくなります。これも高齢者に耳垢栓塞が多く見られる理由の一つです。
耳垢栓塞の症状がある場合、自分で無理に取ろうとするのは危険です。耳鼻咽喉科では、専門の医師が安全かつ確実に耳垢を除去するための治療を行います。痛みを伴うことは少なく、多くは短時間で処置が完了しますので、安心して受診してください。専門医による処置は、最も安全な治し方です。
耳鼻咽喉科では、耳垢鉗子や耳垢鈎といった専用の器具を使い、耳垢を安全に取り除きます。また、医療用の吸引器を用いて、耳垢を吸い出す処置も行われます。
これらの方法は、医師が耳の中を直接見ながら行うため、鼓膜や外耳道を傷つけるリスクが低いのが特徴です。場合によっては、ぬるま湯で洗い流す「耳洗浄」を行うこともあります。
耳垢が長期間にわたって蓄積し、石のように硬くなってしまっている場合は、無理に剥がそうとはしません。まず、耳垢を柔らかくする点耳薬を処方します。この薬を数日間、自宅で耳の中に垂らしてもらい、硬い耳垢を十分にふやかしてから、後日改めて来院していただき、安全に除去する処置を行います。
耳鼻咽喉科の医師は、処置を行う際に必要に応じて顕微鏡を使用します。これにより、耳の奥深くや鼓膜の状態を拡大して鮮明に確認しながら、丁寧かつ安全に耳垢の除去を行うことが可能です。自分で見えない部分を無理に触るのとは異なり、鼓膜などの重要な組織を傷つけることなく、安全性の高い処置ができます。

一度耳垢栓塞の治療を受けても、誤った耳掃除の習慣を続けていると、再び繰り返す可能性があります。
耳の健康を守るためには、正しい耳掃除の頻度と方法を知っておくことが非常に重要です。
やりすぎは禁物であり、適切なケアを心がけましょう。
耳には自浄作用があるため、耳掃除は基本的に必要ありません。気になるときは、耳の入り口から1cm程度の目で見える範囲を、綿棒やティッシュで優しく拭う程度にとどめましょう。毎日や週に何度も行う必要はなく、むしろやりすぎは耳のトラブルの原因になります。耳のつまりや聞こえにくさの詳しい原因については、耳の症状・疾患ページも併せてご確認ください。
お風呂上がりに毎日綿棒で耳の奥を掃除する習慣がある方もいますが、これは避けるべきです。頻繁な耳掃除は、耳の皮膚を守っている皮脂を取り過ぎてしまい、外耳道を乾燥させ、かえって炎症を引き起こすリスクを高めます。
耳垢栓塞は、年齢を問わず誰にでも起こり得ますが、特にお子さんと高齢者は注意が必要です。それぞれの年代で耳垢が詰まりやすい理由があり、ご本人が症状をうまく伝えられない場合も多いため、ご家族が変化に気づいてあげることが大切になります。
子供は大人に比べて耳の穴(外耳道)が狭く、新陳代謝が活発なため耳垢が溜まりやすい傾向があります。また、自分で「聞こえにくい」といった症状を正確に訴えることが難しいため、ご家族が「呼びかけへの反応が悪い」「テレビの音を大きくする」といった変化に気づくことが重要です。難聴の原因が中耳炎など他の病気の可能性もあるため、気になる場合は耳鼻科での正確な診断が必要です。
高齢になると、加齢によって耳の自浄作用が低下し、さらに皮膚の乾燥が進むことで耳垢が硬く、剥がれにくくなります。これにより、耳垢が外耳道に蓄積しやすくなります。また、補聴器の使用も耳垢の排出を妨げる一因です。
ご家族が会話中に聞き返しが増えたと感じた場合は、難聴だけでなく耳垢栓塞の影響も考えられます。
ここでは、耳垢栓塞に関して患者さんからよく寄せられる質問についてお答えします。
はい!!もちろん大丈夫です!
安全な耳掃除は専門知識を要する医療行為であり、ご自身で無理に行うよりも耳鼻咽喉科で処置を受ける方がはるかに安全です。また、他の病気が隠れていないかを確認する良い機会にもなりますので、耳掃除だけでも遠慮なくご来院ください。
耳垢の除去は、通常ほとんど痛みを伴いません。耳垢が非常に硬い場合でも、専用の薬で柔らかくしてから処置するため、無理に剥がすことはありません。処置にかかる時間は耳垢の状態によりますが、数分で終わることがほとんどです。
ただし、耳垢をふやかす点耳薬が必要な場合は、複数回の通院が必要になることもあります。
湿性耳垢は粘り気が強く詰まりやすいため、ご自宅で無理に取ろうとせず、定期的に耳鼻咽喉科で除去してもらうのが最も安全です。ご自宅でケアする場合は、耳の入り口付近に出てきたものを綿棒で優しく拭う程度にとどめ、決して奥まで入れないようにしてください。
耳垢栓塞は、急な難聴や耳の詰まり感を引き起こす病気ですが、その多くは不適切な耳掃除が原因です。綿棒などで耳の奥を掃除する習慣は、かえって耳垢を押し込み、症状を悪化させるリスクがあります。もし耳垢栓塞が疑われる症状があれば、自分で解決しようとせず、速やかに耳鼻咽喉科を受診することが最も安全で確実な方法です。
また、再発を防ぐためには、無理な耳掃除を避け、気になるときに耳の入り口を優しく拭う程度の正しいケアを心がけましょう。
急な耳の詰まりや聞こえにくさでお悩みではありませんか。福岡市城南区の「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」では、耳鼻咽喉科の専門医が、耳垢栓塞の診断から安全な除去まで丁寧に対応いたします。「耳掃除だけで受診してもいいのかな?」とためらう必要はありません。
お子さまからご高齢の方まで、耳のことで気になる症状があれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
顕微鏡や内視鏡といった専門設備を用いて、肉眼では見えない耳の奥までしっかりと観察し、鼓膜や外耳道を傷つけることなく安全に処置を行います。お一人おひとりの耳の状態に合わせて、最適な方法で治療を進めます。
当院は、言葉で症状をうまく伝えられない小さなお子さんから、ご高齢の方まで、幅広い年代の患者さんに安心して受診していただけるクリニックを目指しています。ご家族皆さまの耳・鼻・のどの健康をサポートしますので、気になることがあればいつでもご相談ください。
患者さんの貴重な時間を大切にするため、WEB予約システムを導入しています。スマートフォンやパソコンから事前に順番受付をすることで、院内での待ち時間を最小限に抑え、スムーズに診察を受けていただくことが可能です。お忙しい方でも安心してご来院ください。
ご予約やお問い合わせは、こちらの予約ページ(LINEまたはWEB)よりご利用ください。
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今年(2026年度)は例年よりも早くインフルエンザが流行しています。
インフルエンザの流行シーズンが近づくと、患者さんからよくいただく質問があります。
「インフルエンザワクチンはいつ打つのがいい?」
「10月に接種すると効果が早く切れてしまう?」
「注射とフルミスト(鼻に噴霧するワクチン)はどちらがいい?」
インフルエンザワクチンは、接種する時期だけでなく、年齢や健康状態、ワクチンの種類によっても選び方が異なります。
今回は、インフルエンザワクチンの適切な接種時期、効果が現れるまでの期間、注射とフルミストの違いについて、医学的な根拠をもとにわかりやすく解説します。
一般的には、10月〜11月に接種を済ませておくことをおすすめします。
日本では例年、冬にインフルエンザの流行が大きくなりますが、2026年度のように近年は流行開始が早まったり、季節外れの流行がみられたりすることもあります。
ワクチン接種後、十分な免疫応答が得られるまでには一般に約2週間かかるため、流行が本格化する前に接種しておくことが重要です。
一般的な接種時期の考え方について表にまとめましたので、今後の参考にしてみてください。
| 接種時期 | 考え方 |
| 9月 | 早期流行への備え。ただし接種可能時期は医療機関・製剤による (製剤が医療機関に届いていないことが多い) |
| 10月 | おすすめの接種時期 (ほぼどの医療機関にも製剤あることが多い) |
| 11月 | おすすめの接種時期 |
| 12月 | 未接種であれば流行状況に応じて検討 |
| 1月以降 | 流行が続いていれば接種の意義がある場合も (医療機関によっては接種終了していることも多い) |
特に、13歳未満のお子さんで注射ワクチンを2回接種する場合は、接種間隔も考慮して早めに予定を立てましょう。
インフルエンザワクチンによる免疫は時間とともに低下します。
ただし、10月に接種すると冬の途中で必ず効果がなくなる、というわけではありません。
接種後の抗体応答は一般に約2週間で得られ、その後数か月にわたって一定の予防効果が期待されます。
効果の持続期間には年齢、免疫状態、流行株との適合性などが影響します。特に高齢者では時間経過による予防効果の低下が問題になることがあります。
そのため、春までの効果を期待して意図的に接種を遅らせるよりも、地域の流行状況に合わせて早めに備えることが大切です。
日本では、従来の注射による不活化インフルエンザワクチンに加え、鼻に噴霧する弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト®︎」が使用されています。

従来からの注射ワクチンとフルミスト®︎(点鼻ワクチン)の違いについて簡単にまとめておりますので、接種を検討する際に参考にされてください。
| 項目 | 注射ワクチン | フルミスト®︎ |
| ワクチンの種類 | 不活化ワクチン | 弱毒生ワクチン |
| 接種方法 | 皮下注射(日本国内の主流) 筋肉注射(海外の主流) | 両鼻腔に噴霧 |
| 国内の対象年齢 | 生後6か月以上 | 2歳以上19歳未満 |
| 接種回数 | 13歳未満は原則2回 13歳以上は原則1回 | 1回 |
| 主な副反応 | 接種部位の痛み・腫れ、発熱など | 鼻水・鼻づまり、発熱など |
| 特徴 | 幅広い年齢層に使用可能 | 針を使わず接種できる |
| 注意点 | 重篤なアレルギー歴など | 免疫不全、妊娠、喘息などで注意・禁忌がある |
フルミストは鼻の粘膜で免疫応答を誘導するという特徴があります。一方、注射ワクチンは血中抗体を中心とした免疫応答を誘導します。
どちらが優れているかは一概には言えず、年齢や基礎疾患、流行株などによって効果が異なります。
フルミストは、注射が苦手なお子さんや、1回で接種を終えたいご家庭にとって選択肢になります。
ただし、すべてのお子さんに適しているわけではありません。
特に、以下の場合は接種前に医師による確認が必要です。
・喘息の治療中、または喘鳴を繰り返している
・免疫機能に異常がある、免疫抑制治療を受けている
・妊娠している
・特定の薬剤を使用している
・強い鼻づまりがある
フルミストの国内添付文書では、妊娠中や免疫機能に異常がある方などは禁忌とされており、喘息のある方には慎重な判断が必要です。
また、鼻づまりが強い場合はワクチンが鼻粘膜に十分届かない可能性があるため、接種時期の変更や注射ワクチンを検討することがあります。
基本的には、毎年の接種が推奨されます。
その理由は、インフルエンザウイルスが変化することと、ワクチンによる免疫が時間とともに低下することです。
ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、発症や重症化、入院のリスクを減らす効果が期待できます。2025〜2026年シーズンの米国の暫定的な評価でも、ワクチン接種による一定の予防効果が報告されています。
Q. インフルエンザワクチンは12月に打っても遅くありませんか?
遅すぎるとは限りません。流行が続いている場合、12月以降でも接種する意義があります。ただし、免疫が得られるまでの時間を考えると、早めの接種が望ましいでしょう。
Q. 注射ワクチンとフルミストで免疫ができるまでの期間は違いますか?
どちらも接種後おおむね2週間を目安に免疫応答が得られます。ただし、免疫の仕組みや個人差があり、厳密に同じタイミングで同等の防御効果が完成するわけではありません。
Q. 昨年インフルエンザにかかった場合もワクチンは必要ですか?
接種を検討する意義があります。インフルエンザには複数の型や株があり、前年の感染だけで翌シーズンの十分な予防効果が得られるとは限りません。実際に当院でも1シーズンに複数回インフルエンザに罹患した方も何人もおられます。
Q. ワクチン接種後にインフルエンザにかかることはありますか?
あります。ワクチンは感染・発症を100%防ぐものではありませんが、重症化予防という重要な役割があります。
Q. インフルエンザにかかった直後でもワクチンを接種できますか?
急性期の症状が回復し、全身状態が安定してから接種を検討します。インフルエンザに感染したこと自体を理由に、すべての方で一律の長期間の接種間隔を設ける必要はありません。
しかし、インフルエンザの治療で用いた薬剤によってはワクチン接種までの間隔を一定期間空ける必要があります。過去のブログで案内しておりますので、インフルエンザになった後、ワクチンはいつ打てる?をご参照ください。
接種時期とワクチンの種類を適切に選びましょう!
インフルエンザワクチンは、一般的には流行が本格化する前の10〜11月に接種することが一つの目安です。
注射ワクチンは幅広い年齢層に使用でき、フルミストは2歳以上19歳未満の方に使用できる針を使わないワクチンです。
どちらにも特徴があり、年齢や基礎疾患、接種歴などを踏まえて選択することが大切です。
なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、注射によるインフルエンザワクチンと、点鼻ワクチン「フルミスト®︎」に対応しています。フルミスト®︎が日本に導入された当初からの使用経験があり、患者さんに合わせて柔軟に対応しております。
接種時期やワクチンの選択についても、耳鼻咽喉科専門医がご相談に応じています。 福岡市城南区・鳥飼・別府・茶山・七隈周辺、福岡市中央区、福岡市早良区でインフルエンザ予防接種をご検討の方は、ホームページまたは公式LINEからWeb予約をご利用ください。
ワクチンの在庫や予約枠は時期によって異なりますので、最新の案内をご確認ください。
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「のどが痛くて熱が出たけれど、溶連菌?それとも扁桃炎?」
「扁桃腺に白い膿がついていると言われたけれど、溶連菌なの?」
「溶連菌と診断されたら、抗生物質は必ず飲まないといけないの?」
このような疑問を持ったことはありませんか?
のどの痛みや発熱は、子どもから大人までよく見られる症状です。特に「溶連菌」と「扁桃炎」は、似たような症状が現れるため、混同されることも少なくありません。
しかし、実は溶連菌と扁桃炎は、そもそも意味が異なる言葉です。
今回は、溶連菌と扁桃炎の違いや見分け方、必要な検査、治療法、注意すべき合併症について、耳鼻咽喉科専門医の立場からわかりやすく解説します。
まず知っていただきたいのは、溶連菌は「細菌の名前」、扁桃炎は「病気の状態」を表す言葉だということです。
・溶連菌とは?
溶連菌とは「溶血性連鎖球菌」の略称で、一般的にのどの感染症で問題となるのは、A群β溶血性連鎖球菌という細菌です。
この細菌がのどに感染すると、咽頭炎や扁桃炎を引き起こすことがあります。
特に5〜15歳くらいの子どもに多く見られますが、大人も感染することがあります。
溶連菌感染症では、のどの痛みや発熱に加えて、首のリンパ節の腫れや、体に細かい赤い発疹が出ることもあります。
・扁桃炎とは?
扁桃炎とは、のどの奥の左右にある「口蓋扁桃」に炎症が起こった状態です。
一般的に「扁桃腺が腫れている」と言われるのは、この口蓋扁桃が赤く腫れている状態を指します。
扁桃炎の原因はさまざまで、溶連菌などの細菌だけでなく、アデノウイルスをはじめとするウイルスによっても起こります。
つまり、溶連菌は扁桃炎を引き起こす原因の一つなのです。

溶連菌による咽頭炎・扁桃炎と、ウイルスによる咽頭炎・扁桃炎では、症状にいくつかの傾向があります。
| 症状 | 溶連菌性咽頭炎・扁桃炎 | ウイルス性咽頭炎・扁桃炎 |
| 発熱 | 発熱が多い | 発熱する場合もある |
| のどの痛み | 強いことが多い | 軽度から強い痛みまでさまざま |
| 扁桃の腫れ | よく見られる | よく見られる |
| 扁桃の白い付着物(白苔) | 見られることがある | 見られることがある |
| 咳・鼻水 | 比較的少ない | 比較的多い |
| 首のリンパ節の腫れ | 前頸部に圧痛を伴うことがある | 見られることがある EBウイルスでは後頸部が多い |
| 発疹 | 猩紅熱では細かい赤い発疹 | 原因ウイルスによっては出現 |
| その他 | いちご舌(舌が赤くなる)が出ることがある | EBウイルスの場合、血液検査異常(異型リンパ球・肝機能異常など)がある |
特に、溶連菌感染症では、突然の発熱や強いのどの痛みがあり、咳や鼻水が目立たないことが特徴の一つです。
ただし、これらの症状だけで確実に区別できるわけではありません。
扁桃腺に白い膿がついていたら溶連菌?
「扁桃腺に白いものがついているから、溶連菌ではないか」と心配される方もいます。
確かに溶連菌性扁桃炎では、扁桃に白い付着物(白苔)が見られることがあります。
しかし、アデノウイルスやEBウイルスなどによる感染症でも、同じような白苔が見られます。
そのため、扁桃に白苔がついているだけで溶連菌と判断することはできません。
診察では、扁桃の状態だけでなく、発熱の経過、咳や鼻水の有無、首のリンパ節の状態などを総合的に確認します。

溶連菌感染症が疑われる場合には、必要に応じて迅速抗原検査を行います。
溶連菌の迅速検査とは?
綿棒でのどの奥や扁桃の表面をぬぐい、溶連菌が存在するかを調べる検査です。
一般的には5〜10分程度で結果がわかりますが、検査キットによって所要時間は異なります。
ただし、すべての患者さんに検査が必要というわけではありません。
例えば、咳や鼻水、声がれなど、明らかにウイルス感染を疑う症状がある場合には、溶連菌の検査が不要と判断されることもあります。
また、溶連菌感染症は3歳未満のお子さんでは典型的な咽頭炎として発症することが比較的少なく、年齢や周囲の感染状況によっても検査の必要性は異なります。
検査が陰性なら溶連菌ではない?正確性は?
溶連菌の迅速抗原検査は、短時間で結果がわかる便利な検査ですが、100%正確というわけではありません。
小児を対象とした研究では、以下のように報告されています。
・感度:約86% … 溶連菌が存在する人のうち、約86%で陽性となる割合
・特異度:約95% … 溶連菌が存在しない人のうち、約95%で陰性となる割合
つまり、検査が陰性でも、実際には溶連菌に感染している場合があります。尚、検査の精度は使用する検査キットや検体の採取方法によっても異なります。
特に3歳以上の小児や思春期の患者さんでは、溶連菌感染症が疑われ、迅速抗原検査が陰性だった場合、必要に応じて咽頭培養検査などで確認することが推奨されています。
一方、成人では溶連菌感染後のリウマチ熱がまれであることなどから、迅速検査が陰性だった場合に、全例で追加の培養検査を行う必要は通常ありません。
検査結果だけでなく、症状や診察所見を合わせて判断することが大切です。
症状がなくても溶連菌検査が陽性になることもある?
実は、健康で症状のない子どもでも、約8〜12%はのどに溶連菌を保菌していると報告されています。
「保菌」とは、細菌がのどに存在していても、感染症としての症状が出ていない状態です。
そのため、例えば溶連菌を保菌している子どもが、別のウイルスによってのどの痛みを起こした場合、溶連菌の迅速検査が陽性になることがあります。しかし、この場合、のどの痛みの原因はウイルスである可能性があります。
溶連菌検査が陽性でも、必ずしも現在の症状の原因が溶連菌とは限らないということです。
このため、症状のない方にむやみに検査を行うことは、通常推奨されません。
耳鼻咽喉科では、発熱、のどの痛み、扁桃の状態、咳や鼻水の有無などを総合的に確認し、検査の必要性や結果を判断することが大切です。
治療を考えるうえで最も重要なのは、原因が細菌なのか、ウイルスなのかという点です。
溶連菌の検査結果は治療方針を決めるうえで重要ですが、検査が陽性であっても、保菌の可能性を含めて症状や診察所見を総合的に判断することが大切です。
・溶連菌性咽頭炎/扁桃炎の場合
溶連菌による感染症と診断された場合には、抗菌薬(抗生物質)による治療を行います。
一般的に使用されるのは、ペニシリン系抗菌薬であるアモキシシリンなどです。
溶連菌に対して適切な抗菌薬を使用することで、症状の持続期間を短縮し、周囲への感染を減らす効果が期待できます。
また、急性リウマチ熱などの合併症を予防する目的もあります。
アモキシシリンなどでは通常10日間の治療が基本となりますが、薬剤や患者さんの状態によって治療期間は異なります。
症状が改善しても、自己判断で薬を中止せず、指示された期間を守ることが大切です。
・ウイルス性咽頭炎/扁桃炎の場合
ウイルスが原因の場合、通常は抗菌薬を使用しません。
治療は、解熱鎮痛薬による痛みや発熱の緩和、水分補給、十分な休養などが中心となります。
なお、扁桃炎を引き起こす細菌は溶連菌だけではありません。細菌感染が疑われる場合でも、原因や重症度を評価したうえで抗菌薬の必要性を判断します。
「扁桃炎だから抗生物質が必要」というわけではないことを知っておきましょう。
多くの咽頭炎や扁桃炎は適切な治療や経過観察によって改善しますが、まれに注意が必要な合併症を起こすことがあります。
・扁桃周囲膿瘍
扁桃の周囲に膿がたまる病気です。
片側の強いのどの痛み、口が開けにくい、唾液が飲み込めない、声がこもるなどの症状が現れることがあります。
扁桃周囲膿瘍では、抗菌薬治療だけでなく、膿を排出する処置が必要となる場合があります。
・溶連菌感染後急性糸球体腎炎
溶連菌感染後、一定期間(約1-3週間)が経過してから腎臓に炎症が起こることがあります。
血尿、尿量の減少、顔やまぶたのむくみ、血圧上昇などが主な症状です。
なお、適切な抗菌薬治療を行っていても、発症を完全に予防できるわけではありません。
・急性リウマチ熱
溶連菌感染後に免疫反応によって起こる病気で、関節や心臓などに炎症を引き起こすことがあります。
現在の日本では比較的まれな合併症ですが、溶連菌性咽頭炎に対して適切な抗菌薬治療を行う理由の一つです。
<こんな症状があれば早めに受診を>
・のどの痛みが強く、水分を十分に飲めない
・片側だけのどが非常に強く痛む
・口が開けにくい
・高熱が続く、または症状が悪化している
・首が大きく腫れている
・息苦しい感じがある
特に、息苦しさ、唾液が飲み込めない、急激に悪化する首の腫れなどがある場合は、気道に影響する重い感染症の可能性もあるため、速やかな救急受診が必要です。
溶連菌感染症は、咳やくしゃみなどによる飛沫や、接触を通じて周囲の人に感染することがあります。
適切な抗菌薬治療を開始すると、一般的に24時間程度で感染性は大きく低下します。
日本の学校保健安全法では、溶連菌感染症は原則として第三種の感染症「その他の感染症」として扱われることがあり、一律の出席停止期間が定められているわけではありません。
一般的には、適切な抗菌薬を開始して24時間程度が経過し、発熱がなく、全身状態が良好であることが登園・登校再開の目安になります。
ただし、学校や保育施設のルール、医師の判断に従ってください。
その他の感染症(インフルエンザ・コロナなど)の隔離期間・療養期間については過去の記事をご参照ください。
Q. 溶連菌は熱がなくても感染していることがありますか?
はい。発熱が目立たない場合もあります。
また、症状がなくても、のどに溶連菌が存在する「保菌」という状態があります。
検査が陽性でも、必ずしも現在の症状の原因が溶連菌とは限らないため、検査の必要性や結果の解釈には注意が必要です。
Q. 溶連菌は何度も感染しますか?
はい。溶連菌にはさまざまな型があることなどから、一度感染しても再び感染することがあります。
ただし、繰り返し検査が陽性となる場合には、無症状の保菌状態にウイルス感染が重なっている可能性もあります。
Q. 抗生物質を飲めば、すぐに治りますか?
適切な抗菌薬治療を開始すると、一般的には24〜48時間程度で症状が改善し始めることが多いです。
ただし、改善までの時間には個人差があります。治療開始後48時間程度経過しても改善しない場合や、症状が悪化する場合は再度診察を受けましょう。
Q. 家族が溶連菌になったら、全員検査を受けた方がよいですか?
無症状の家族全員に検査や予防的な抗菌薬治療を行う必要は通常ありません。
ただし、家族にも発熱やのどの痛みなどの症状が現れた場合は、医療機関に相談しましょう。
Q. 溶連菌の治療後には尿検査が必要ですか?
溶連菌感染後には、まれに急性糸球体腎炎を発症することがあります。
しかし、症状がなく順調に回復している方全員に、治療後の尿検査を行う必要は通常ありません。
血尿、むくみ、尿量の減少などが見られる場合には、尿検査や血液検査などが必要になります。
のどの痛みは原因に合った治療が大切です。溶連菌と扁桃炎は混同されがちですが、溶連菌は細菌の名前、扁桃炎は扁桃に炎症が起きた状態を表します。
扁桃炎の原因はさまざまで、溶連菌などの細菌によるものもあれば、ウイルスによるものもあります。
そのため、扁桃が赤く腫れている、白い膿がついているといった見た目だけで、原因を判断することはできません。
また、すべての扁桃炎に抗生物質が必要なわけではありません。
大切なのは、症状や診察所見、必要な検査から原因を見極め、それぞれに合った治療を行うことです。
福岡市城南区の「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」では、お子さんから大人の方まで、のどの痛みや発熱、扁桃炎などの診察を行っています。
「のどが痛くて食事がとりにくい」
「扁桃腺が腫れている」
「子どもが溶連菌に感染していないか心配」
このような症状でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
耳鼻咽喉科専門医が、のどの状態や症状の経過を確認し、必要に応じた検査と治療をご提案します。
福岡市城南区や周辺地域で、のどの痛みや扁桃炎、溶連菌感染症が気になる方は、なかの耳鼻科・美容皮ふ科へご相談ください。
ご相談や受診の予約はこちら。
厚生労働省. 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版
Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Clinical Guidance for Group A Streptococcal Pharyngitis. Updated November 18, 2025.
Barshak MB, et al. Clin Infect Dis. 2026
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Shaikh N, et al. Pediatrics. 2010
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最近、会話中に聞き返すことが増えたり、ご家族からテレビの音量を指摘されたりして、ご自身の聞こえに不安を感じていませんか。
補聴器が必要なレベルなのか、年齢相応なのか、その境界線が分からず悩んでいる方も多いでしょう。
この記事を読めば、ご自身の聴力状態を医学的な基準や具体的な症状と照らし合わせ、「今すぐ補聴器を検討すべきか、まだ様子見で良いのか」を明確に判断できるようになります。
補聴器が必要な聴力レベルを判断するには、まず医学的な基準を理解することが重要です。聴力は「デシベル(dB)」という単位で表され、数値が大きくなるほど聞こえにくい状態を示します。
専門的な聴力検査によってご自身の聴力レベルを客観的に把握することが、適切な対策への第一歩です。補聴器が必要なレベルかどうか、まずはその基準を知りましょう。
難聴の程度は、日本聴覚医学会の基準に基づき、主に4つの段階に分類されます。それぞれのレベルで、日常生活における聞こえ方が異なります。
軽度難聴(25dB~40dB未満):ささやき声や小さな声が聞き取りにくいレベルです。静かな場所での会話には支障が少ないですが、少し離れたり騒がしかったりすると聞き間違いが増えます。
中等度難聴(40dB〜70dB未満):普通の大きさの会話が聞き取りにくくなるレベルです。補聴器がないと、会議の内容を理解したり、複数人での会話に参加したりすることが困難になります。
高度難聴(70dB〜90dB未満):非常に大きな声でないと聞き取れないレベルです。補聴器なしでは、耳元で大声で話されても言葉の判別が難しい状態です。
重度難聴(90dB以上):補聴器を使っても会話の聞き取りが極めて困難なレベルです。すぐ近くの車のクラクションなど、非常に大きな音しか感じ取れません。
一般的に、聴力レベルが40dB以上の中等度難聴と診断された場合が一つの目安とされ、補聴器の装用が検討されることが多くなります。このレベルになると、日常会話の聞き取りに支障が生じ、コミュニケーションに困難を感じる場面が増えるためです。
補聴器を使用することで、言葉の聞き取りを補い、社会生活における不便さや孤立感を軽減することが期待できます。ただし、これはあくまで一つの目安であり、40dB未満の軽度難聴であっても、個人の生活環境やコミュニケーションの機会(会議で聞こえにくいなど)に応じて生活の質向上のために補聴器の装用が検討・推奨されるケースもあります。

聴力検査の数値だけでなく、日常生活の中での「聞こえにくさ」も補聴器が必要なレベルか判断する重要なサインです。専門家への相談を検討する前に、ご自身の状況が当てはまるかセルフチェックしてみましょう。これらのサインが複数当てはまる場合は、補聴器をつけることを考えるタイミングかもしれません。
自分では適切な音量だと思っていても、一緒にテレビを見ている家族や友人から「音が大きすぎる」と頻繁に指摘されるのは、難聴の初期サインとして非常に多いケースです。特に、ドラマのセリフなど人の声が聞き取りにくく、無意識のうちに全体の音量を上げてしまう傾向があります。他の人と比べて明らかに大きな音量でないと楽しめない場合は、聴力が低下している可能性があります。
1対1の会話であっても、「え?」「もう一度お願いします」と聞き返す回数が以前より増えてきたら注意が必要です。特に、周りが少し騒がしい場所や、相手が早口で話している場合に、言葉を正確に捉えるのが難しいと感じるようになります。聞き返しはコミュニケーションの妨げとなり、相手に気を使わせてしまうことにもつながるため、聞き取りが難しいと感じたら専門家への相談を検討しましょう。
家族での食事や友人との集まり、職場での会議など、複数人が同時に話す場面で会話の流れについていくのが難しいと感じるのも、難聴の代表的な症状です。誰が話しているのか、どんな話題なのかが掴みにくく、会話から取り残されているような孤立感を覚えることがあります。
音は聞こえていても、言葉として内容を理解するのが難しい状態です。
背後や少し離れた場所から名前を呼ばれたり、話しかけられたりしても気づかないことが増えた場合も、聴力が低下しているサインです。音の方向を認識する能力や、小さい音を捉える力が弱まっている可能性があります。
安全面でも、例えば後ろから来る車や自転車の音に気づきにくくなる危険性があるため、軽視できない症状といえます。
電話での会話は、相手の表情や口の動きが見えないため、聞き取りの難易度が上がります。以前は問題なくできていた電話での会話が、相手の声がこもって聞こえたり、言葉を判別するのが難しいと感じたりするようになったら、聴力低下が考えられます。聞き取りやすい方の耳に変えたり、受話器を強く押し当てたりしないと会話が難しい場合は、注意が必要です。

聴力レベルがまだ軽度難聴の段階であっても、早めに補聴器の使用を検討することには大きな意味があります。「まだ何とか聞こえるから大丈夫」と放置せず、早期から適切な音の刺激を脳に届けることが、将来的な「言葉を理解する力」や認知機能の維持に繋がります。
難聴を放置して脳への音の情報入力が減少すると、音を聞き取る力だけでなく、言葉の意味を処理・理解する能力自体が低下していく可能性があります。その結果、後から補聴器をつけ始めても「音は大きく聞こえるが、何を言っているのか言葉として判別できない」という状態になりかねません。
早期から補聴器を活用することは、脳に継続的な刺激を与え、「言葉を聞き分ける力」を維持するためのリハビリテーションとしても重要です。
難聴と認知症リスクの関連は、様々な研究で指摘されています。世界的な医学誌の報告では、難聴のある方は、難聴のない方と比較して認知症発症リスクが約1.4倍と報告されています。また、補聴器を用いた聴覚介入により、認知機能低下のリスクが高い高齢者では、3年間の認知機能低下が約48%抑制されたという研究結果もあります。過度な期待は禁物ですが、聞こえをサポートして音の刺激や会話の機会を保つことは、脳の健康維持において重要な意義を持つと考えられています。(Lancet 2020, JAMA Neurology 2023, Lancet 2024など)
当院の補聴器診療の流れや「聞こえと脳のトレーニング」の考え方については、補聴器診療の流れで詳しくご案内しています。
聞こえにくさを感じた際、自己判断で補聴器や集音器を購入する前に、まずは耳鼻咽喉科を受診してください。専門医による適切な診察・検査を受けることで、以下のような重要なメリットが得られます。
聞こえにくさの原因は加齢だけではありません。耳垢栓塞や滲出性中耳炎など、医療的な治療によって回復する病気が隠れている場合もあります。まずは治療可能な疾患がないかを診察・鑑別することが最優先です。
防音室内で行う純音聴力検査や語音聴力検査を通じて、現在の聴力状態や言葉の聞き取りやすさを正確に測定します。また、単に音を増幅させる「集音器」とは異なり、医療機器である「補聴器」は個々の聴力に合わせて精密な調整が行われます。専門医の指導のもとで適切な機器の選定と調整を進めることが可能です。
補聴器と集音器の違い(法律上の位置づけ・価格・調整機能)は、補聴器と集音器の違いとは?で詳しく解説しています。
難聴の程度が一定の基準以上に進行した場合、公的な支援制度を利用できることがあります。聴力が両耳で70dB以上(6級相当)または片耳で90dB以上かつもう片方が50dB以上などの基準を満たすと、身体障害者手帳(聴覚障害)の交付対象となる可能性があります。
手帳が交付されると、障害者総合支援法に基づき、補聴器の購入費用の一部が助成されます。対象となる聴力レベルや助成内容は自治体によって異なるため、詳しくはお住まいの市区町村の福祉担当窓口にご確認ください。
補聴器が必要なレベルかどうかを考える際、多くの方が抱く疑問についてお答えします。
補聴器をつけ始めるのに特定の年齢はありません。「聞きにくさ」を感じ、日常生活やコミュニケーションに不便が生じた時が検討のタイミングです。加齢性難聴は少しずつ進行するため自覚しにくいですが、聞き返しや聞き間違いが増えたら、年齢に関わらず一度耳鼻咽喉科に相談することをお勧めします。
静かな場所での1対1の会話など、支障が少ない場面もあります。職場での会議や少し騒がしい場所では、聞き取りにくさからストレスを感じたり、重要な情報を聞き逃したりする可能性があります。
また、音の刺激が少ない状態が続くと脳の機能低下にもつながるため、軽度でも積極的に補聴器の使用を検討する価値は十分にあります。
左右の聴力差が大きい場合など、片耳にだけ補聴器をつけることもあります。しかし、人は本来両耳で音を聞くことで、音の方向や距離感を掴み、雑音の中から会話を聞き分けています。両耳に難聴がある場合は、両耳に装用する方がより自然な聞こえに近づき、聞き取りの改善効果も高まります。
まずは専門医に相談し、ご自身の聴力状態に合った装用方法を判断してもらうことが重要です。
当院では、聞こえにお悩みの方が安心して最適な一歩を踏み出せるよう、専門性の高いサポート体制を整えています。単に補聴器を販売するのではなく、医学的な診断から購入後の生活までを見据えた、一貫したケアを提供します。
当院の院長は、一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会より委嘱された「補聴器相談医」です。聞こえにくさの原因を医学的に正しく診断し、補聴器が本当に必要なのか、あるいは治療によって改善する可能性があるのかを的確に判断します。専門医の診断が基盤にあるため、安心してご相談いただけます。
補聴器は購入後すぐに理想通り聞こえるようになるわけではなく、音に脳を慣らしていく期間が必要です。当院では認定補聴器技能者と連携し、最初は抑えた音量から始めて段階的に微調整を重ねることで、新しい音環境に脳を無理なくなじませる調整と丁寧な経過観察(アフターフォロー)を行っています。
補聴器相談医の診察に基づき、補聴器の購入が治療のために必要と判断された場合、確定申告で医療費控除の対象となることがあります。当院では、その際に必要となる「補聴器適合に関する診療情報提供書」を作成することが可能です。費用に関するご負担を軽減するための一助となります。
補聴器外来は完全予約制です。診療の詳細は補聴器診療の流れをご確認ください。
お気軽にご相談ください。
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ある日ふと首を触ったときに、しこりのようなものを見つけると、何か悪い病気ではないかと不安になりますよね。
首にしこりができる原因は様々で、何科を受診すればよいか迷う方も少なくありません。
この記事では、首のしこりに気づいたときに何科を受診すればよいのか、症状別の見分け方や放置すると危険なサインについて、耳鼻咽喉科専門医が分かりやすく解説します。

首のしこりに気づいたとき、どの診療科を受診すればよいか迷うかもしれませんが、結論から言うと、まずは「耳鼻咽喉科」の受診をおすすめします。
耳鼻咽喉科は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科といって、耳・鼻・のどだけでなく、甲状腺や唾液腺、リンパ節などを含む首周り(頭頸部)全体の専門家です。
しこりの原因を正確に診断し、適切な治療へとつなげるために、自己判断で様子を見るのではなく、専門医に相談することが重要です。
首(頚部)は、リンパ節、甲状腺、唾液腺(耳下腺・顎下腺)、血管、神経、筋肉などが密集している非常に複雑な部位です。
耳鼻咽喉科医は、これらの解剖学的構造を熟知しており、しこりがどの器官から発生しているのかを的確に判断できます。
触診だけでなく、必要に応じて専門的な検査機器を用いて詳しく調べることで、しこりの正体に迫ることが可能です。
首にしこりができる原因は、リンパ節の炎症から唾液腺や甲状腺の腫瘍まで多岐にわたります。
耳鼻咽喉科では、これらの疾患の多くを専門的に診療しています。
例えば、のどの炎症が原因でリンパ節が腫れている場合、ファイバースコープでのどの奥まで観察し、根本的な原因を特定できます。
一つの科で総合的に診察・検査ができるため、効率的に診断を進められるのが大きな強みです。

首のしこりの多くは耳鼻咽喉科が専門ですが、しこりの場所や性状によっては他の診療科が適している場合もあります。
ここでは、症状やしこりのある場所から、どの診療科を受診すべきかの目安を解説します。
ご自身の症状と照らし合わせて、受診先を選ぶ参考にしてください。
耳の下やあごの下、首にしこりがある場合、唾液腺(耳下腺や顎下腺)の腫れやリンパ節の腫脹が考えられます。
唾液腺の腫瘍や唾石症、ウイルス感染による耳下腺炎(おたふくかぜ)、細菌感染によるリンパ節炎などが主な原因です。
これらの領域は耳鼻咽喉科の専門分野であるため、まずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。
皮膚のすぐ下に(耳たぶの中など)、触るとコリコリと動き(指でつまむことが出来る)、比較的境界がはっきりした首にしこりがある場合、粉瘤などの良性の皮下腫瘤の可能性があります。
これらは皮膚科や形成外科が専門となります。
どちらを受診すべきか迷う場合は、まずは皮膚科や形成外科で相談してみるのも一つの方法です。
のど仏の周辺〜下の方や首の付け根にしこりがある場合、甲状腺の病気が疑われます。
甲状腺腫瘍や内部に液体が溜まった嚢胞(のうほう)、甲状腺全体が腫れる橋本病(慢性甲状腺炎)などが考えられます。
甲状腺疾患は耳鼻咽喉科でも診療を行いますが、ホルモンの異常を伴う場合は内分泌内科が専門となります。
まずは耳鼻咽喉科でエコー検査などを受けてしこりの状態を調べ、必要に応じて適切な診療科を紹介してもらうのがスムーズです。
首(顎の下、首筋、首の両サイド)にしこりがある部分に痛みや熱っぽさ、赤みがある場合は、細菌やウイルス感染によるリンパ節炎の可能性が高いです。
のどの痛みや鼻水など、風邪のような症状を伴うことも少なくありません。
原因となる感染源はのどや鼻、歯などにあることが多いため、これらの部位も併せて診察できる耳鼻咽喉科の受診が適しています。
首にしこりができても、多くは一時的な炎症など心配のないものですが、中には悪性腫瘍など早めの対応が必要な病気が隠れている可能性もゼロではありません。
以下のような特徴がみられる場合は、自己判断で放置せず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
風邪などによる一時的なリンパ節の腫れは、通常1〜2週間で自然に小さくなります(EBウイルスによるリンパ節炎などは改善までに1ヶ月かかることもあります)。
しかし、首のしこりが数週間にわたって消えない、あるいはだんだん大きくなってくる場合は注意が必要です。
特に痛みを伴わないのに大きさが変わらない、または増大傾向にある場合や増加傾向にある場合は、腫瘍性の病気も考えられるため、一度検査を受けることをおすすめします。
しこりを指で触ってみたときの感触も重要なサインです。
炎症によるリンパ節の腫れは、比較的弾力があり、指で押すと動くことが多いです。
一方で、悪性のしこりは周囲の組織に食い込むように広がるため、石のように硬く、指で押しても動かない傾向があります。
このような特徴を持つ首のしこりには注意が必要です。
良性の腫瘍は、比較的境界がはっきりしていて、表面が滑らかなことが多いです。
それに対して、悪性の腫瘍は不規則な形をしており、表面がゴツゴツ、デコボコしていることがあります。
しこりの形がいびつだと感じた場合は、専門医による診察を受けるようにしましょう。
首のしこりに加えて、声がかすれる(嗄声)、食べ物や飲み物が飲み込みにくい(嚥下障害)、息苦しいといった症状がある場合、しこりが声帯の神経や食道、気管などを圧迫している可能性があります。
特に甲状腺がんや下咽頭がんなどでは、このような症状がみられることがあります。
これらの症状は生活の質にも関わるため、早めに専門医に相談することが重要です。
首にしこりができる原因は一つではありません。
感染による一時的なものから、良性・悪性の腫瘍まで様々です。
ここでは、首のしこりの原因として考えられる代表的な病気について解説します。
原因を知ることで、過度な不安を和らげ、冷静に受診するきっかけとなります。
首のしこりの原因として最も頻度が高いのが、リンパ節の腫れです。
リンパ節は体内に侵入した細菌やウイルスと戦う免疫器官で、風邪や歯周病、のどの炎症などに反応して腫れることがあります。
これを反応性リンパ節炎と呼びます。
通常は痛みを伴い、原因となる感染症が治るとともに自然にしこりも小さくなります。
耳の下(耳下腺)やあごの下(顎下腺)が腫れる場合、唾液腺の病気が考えられます。
唾液腺にできる腫瘍は、多形腺腫やワルチン腫瘍といった良性であることが多いですが、まれに悪性の場合もあります。
痛みのないしこりがゆっくり大きくなるのが特徴です。
また、唾液の通り道に石ができる唾石症では、食事のたびに痛みと腫れを繰り返します。
のど仏の下あたりにできるしこりは、甲状腺の病気の可能性があります。
良性腫瘍である腺腫様甲状腺腫や、液体が溜まった袋である嚢胞が代表的です。
ほとんどは良性ですが、甲状腺がんの可能性も考慮する必要があります。
飲み込むときにしこりが上下に動くのが特徴の一つです。
皮膚のすぐ下にできるしこりでは、粉瘤や脂肪腫がよくみられます。
粉瘤は、皮膚の下にできた袋の中に垢や皮脂が溜まったもので、中央に黒い点が見えることがあります。
脂肪腫は、脂肪が増殖してできた柔らかい良性腫瘍です。
いずれも通常は痛みがありませんが、粉瘤は感染すると赤く腫れて痛むことがあります。
頻度は低いですが、悪性腫瘍が原因で首にしこりができることもあります。
血液のがんである悪性リンパ腫では、痛みなくリンパ節が腫れて大きくなります。
また、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、肺がん、胃がんなどが首のリンパ節に転移して、最初の症状として首のしこりが見つかることもあります。
これを転移性リンパ節腫脹と呼びます。
「病院で何をされるのだろう」という不安から、受診をためらってしまう方もいるかもしれません。
ここでは、実際に医療機関を受診した際の一般的な診察・検査の流れを解説します。
流れを知ることで、安心して受診に臨むことができます。
まず、医師が問診を行います。
いつからしこりがあるか、大きさや形に変化はあるか、痛みや他の症状はあるかなどを詳しく伺います。
その後、しこりの場所、大きさ、硬さ、動き、表面の状態などを直接手で触って確認する「触診」を行います。
問診と触診で得られた情報は、しこりの原因を推測する上で非常に重要です。
次に、超音波(エコー)検査を行うことが一般的です。
これは、超音波を使って首の内部を画像として映し出し、しこりの状態を詳しく観察する検査です。
しこりの大きさや形、内部の性状(液体か固形か)、血流の状態などをリアルタイムで確認できます。
痛みや放射線被ばくの心配がなく、身体への負担が少ない安全な検査で、診断のための多くの情報を得られます。
エコー検査で悪性の腫瘍が疑われる場合や、診断を確定するためには、さらに詳しい検査が必要になります。
代表的なものが「穿刺吸引細胞診」です。
これは、しこりに細い針を刺して細胞を直接採取し、顕微鏡で良性か悪性かを調べる検査です。
また、炎症の程度を調べたり、腫瘍マーカー/リンパ腫のマーカー、甲状腺ホルモンの異常を確認したりするために、血液検査を行うこともあります。
首のしこりに関して患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。受診前の疑問や不安を解消するための参考にしてください。
はい、受診をおすすめします。
リンパ節炎など炎症によるしこりは痛みを伴うことが多いですが、一方で悪性リンパ腫やがんの転移、多くの良性腫瘍は痛みを伴わないことが少なくありません。
「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、一度専門医の診察を受けることが重要です。
耳鼻咽喉科か小児科を受診してください。
子どもの首のしこりは、風邪などの感染症に伴うリンパ節の腫れがほとんどで、心配のない場合が多いです。
しかし、まれに他の病気が隠れている可能性もあるため、しこりが長引く場合や大きい場合は、一度専門医に診てもらうと安心です。
診察や検査は健康保険が適用されます。
3割負担の方の場合、頸部エコー検査の費用は1,050円程度で、その他に初診料や診察料などがかかります。
行う検査内容によって費用は異なりますが、身体的にも経済的にも負担の少ない検査から段階的に進めていくのが一般的です。
首のしこりは、風邪による一時的なリンパ節の腫れから、唾液腺・甲状腺の病気、さらには悪性腫瘍まで、様々な原因で生じます。
多くは心配のないものですが、中には注意が必要な病気が隠れている可能性もあります。
どの科を受診すべきか迷った場合は、首周りの構造を熟知した「耳鼻咽喉科」に相談するのが最も確実です。
特に、しこりが数週間消えない、硬くて動かない、急に大きくなったなどのサインが見られる場合は、早めに受診しましょう。
自己判断で放置せず、専門医による適切な診断を受けることが、安心への第一歩です。
福岡市城南区およびその周辺で、首のしこりに関するお悩みや不安をお持ちの方は、ぜひ「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」にご相談ください。
当院では、九州大学病院や九州がんセンターで培った専門的な知識と豊富な経験を持つ医師が、患者さん一人ひとりの症状に寄り添い、丁寧な診察と的確な診断を心がけています。
地域の皆さんが安心して相談できる「かかりつけ医」として、お悩みの解決をサポートします。
当院では、患者さんに安心して最適な医療を受けていただくために、専門性の高い診療体制を整えています。
首のしこりの診断から治療まで、一貫して質の高い医療を提供できるのが当院の強みです。
当院では、日本耳鼻咽喉科学会認定の専門医が、問診から診察、検査、結果説明までを一貫して担当します。
首(頚部)の複雑な解剖を熟知した医師が直接診療にあたることで、より正確な診断と、患者さんの不安に寄り添った分かりやすい説明が可能です。
当院では、高性能な超音波検査機器を導入しており、首のしこりの状態を詳細に観察することができます。
しこりの大きさや内部の性状、血流などをその場で評価し、画像をお見せしながら結果を説明することで、患者さんご自身の納得度も高まります。
痛みや被ばくの心配がない安全な検査です。
首のしこりの原因は、首自体にあるとは限りません。
鼻やのどの慢性的な炎症が原因でリンパ節が腫れることもあります。
耳鼻咽喉科の強みは、しこりを単独で診るのではなく、ファイバースコープなどを用いて鼻やのどの奥の状態まで詳しく観察し、頭頸部全体から原因を探れる点にあります。
このような総合的な視点での診断が、根本的な原因の解明につながります。
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今年は例年より早くインフルエンザが流行しており、当院にも発熱やのどの痛み、咳、鼻水などの症状で受診される患者さんが増えてきます。
その際、患者さんからよくいただく質問があります。
「熱が出てまだ数時間ですが、インフルエンザの検査はできますか?」
「インフルエンザの検査は、発熱から12時間以上経たないと正確にわからないのでしょうか?」
実は、インフルエンザの検査にはいくつかの種類があり、発症からどのくらい時間が経過しているかによって、検査の精度が変わることがあります。
なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、約3年前からAIを活用したインフルエンザ診断支援機器「nodoca(ノドカ)」を導入し、日常診療で活用してきました。
今回は、当院でのnodocaの使用経験も踏まえながら、従来の迅速抗原検査との違いや、発症早期の検査精度、検査を受ける適切なタイミングについて、医学的医学的な研究データを交えてわかりやすく解説します。
一般的なクリニックで行われるインフルエンザ検査には、主に次の3つがあります。
① AI検査「nodoca(ノドカ)」(のどの写真撮影で検査・診断)
専用のカメラでのどの奥を撮影し、AI(人工知能)が咽頭の状態や体温、自覚症状などを組み合わせて解析する検査です。
従来の検査とは異なり、鼻の奥に綿棒を入れる必要がなく、発症して間もない時期でも検査が可能です。
② 迅速抗原検査(鼻から綿棒をグリグリしてする検査・診断)
鼻の奥などから綿棒で検体を採取し、インフルエンザウイルスの抗原(ウイルスのタンパク質)を検出する検査です。
一般的に10〜15分程度で結果がわかり、インフルエンザA型・B型の判別も可能です。
ただし、発症して間もない時期にはウイルス量が少なく、実際にはインフルエンザに感染していても陰性となることがあります。
③ PCR検査
鼻の奥などから綿棒で検体を採取し、インフルエンザウイルスのの遺伝子を検出する検査です。遺伝子を増幅させる検査であるため一般的に抗原検査よりも感度が高いという特徴があります。
ただし、検査機器によって費用や検査時間が異なり、保険適用にも条件があります。そのため、すべての患者さんにPCR検査ができるわけではなく、すべての患者さんに必要というわけではありません。
nodocaは、AIを活用したインフルエンザ診断支援機器です。
専用のカメラでのどの奥を撮影し、扁桃や咽頭のリンパ組織などの所見をAIが解析します。
さらに、体温や自覚症状などの情報を組み合わせ、インフルエンザに特徴的な所見や症状があるかを判定します。
従来の抗原検査との大きな違いは、ウイルスそのものを検出するのではなく、インフルエンザに伴う体の変化や症状を評価することです。
<nodocaの特徴>
・鼻の奥に綿棒を入れる必要がない
・発症して間もない時期にも検査できる
・のどの画像と症状を組み合わせてAIが解析する
・AIによる判定は数秒〜十数秒程度で得られる
鼻の奥に綿棒を入れる検査が苦手な患者さんにとっても、選択肢の一つになります。
ただし、のどの奥を撮影するため、舌圧子などによる刺激や嘔吐反射が起こる場合はあります。また、軟口蓋低位といってのどの奥が体質的に観察しにくい人や扁桃腺が非常に大きい人がいます、そのような人にもNodocaは困難です。従いまして、当院では必ず先にのどの診察をして、その人がNodocaできるかどうかを確認してから行います!
また、現時点では6歳未満のお子さんについては有効性・安全性が確立されておらず、使用は推奨されていません。
迅速抗原検査は、インフルエンザウイルスのタンパク質(抗原)を検出する検査です。
鼻咽頭などから採取した検体を専用のキットで調べ、一般的に10〜15分程度で結果がわかります。
迅速抗原検査の大きな特徴は、ウイルス由来の抗原を直接検出することです。
一方、発症して間もない時期には、鼻やのどのウイルス量がまだ十分でないことがあり、実際にはインフルエンザに感染していても陰性になる場合があります。
これを「偽陰性」といいます。
そのため、迅速抗原検査で陰性だった場合も、インフルエンザを完全に否定できるわけではありません。

ここが今回の最も重要なポイントです。
発症12時間未満では、抗原検査の感度が低くなることがある
2021年に日本感染症学会の学術誌に掲載された国内の前向き研究では、インフルエンザ迅速抗原検査の感度が、発症からの時間によってどのように変化するかを調査しています。
PCR検査を基準とした結果は次のとおりでした。
| 発症からの時間 | 迅速抗原検査の感度 |
| 12時間未満 | 38.9% |
| 12〜24時間 | 40.5% |
| 24〜48時間 | 65.2% |
| 48時間以降 | 69.6% |
※感度とは、実際にインフルエンザに感染している人を、検査で正しく陽性と判定できる割合です。
この研究では、発症12時間未満の抗原検査の感度は38.9%でした。
つまり、この研究集団では、PCR検査でインフルエンザと確認された患者さんのうち、抗原検査で陽性になったのは約4割という結果でした。
一方、発症24〜48時間では感度が65.2%まで上昇しています。
この結果から、発症直後の迅速抗原検査は偽陰性に注意が必要であり、時間の経過とともに検出しやすくなる場合があることがわかります。
ただし、現在は従来型より感度の高い検査キットもあり、すべての抗原検査で同じ結果になるわけではありません。
nodocaの承認審査資料では、国内11施設で行われた臨床試験において、PCR検査を基準とした次の結果が報告されています。
・感度:76.0%
・特異度:88.1%
特異度とは、インフルエンザに感染していない人を正しく陰性と判定できる割合です。
さらに、発症後12時間以内の患者さんでは、nodocaの方が従来のイムノクロマト法による抗原検査よりも感度が高い傾向が認められました(ただし、この差は統計学的に有意差はなし)。
そのため、現時点では「発症12時間以内は必ずnodocaの方が正確」とまでは言えませんが、発症早期の検査方法として有用な選択肢と考えられます。
なお、nodocaの感度76.0%は、発症12時間以内だけを対象とした数値ではありません。異なる研究で得られた抗原検査の感度と単純に比較することはできませんので注意が必要です。
発症から24時間程度経過すると、鼻咽頭のウイルス抗原を検出しやすくなることがあり、迅速抗原検査の有用性が高まります。
また、迅速抗原検査は一般に特異度が高く、A型・B型の区別ができるという利点もあります。
一方、nodocaは症状や咽頭所見から判定するため、インフルエンザ以外の感染症でも陽性となる可能性があります。
つまり、発症から時間が経過している場合には、ウイルス抗原を直接検出できる迅速抗原検査を選択する意義が大きくなります。
ただし、発症から何時間経ったかだけで優劣が決まるわけではありません。患者さんの年齢や症状、検査目的なども考慮する必要があります。
発症からの時間による検査の考え方
| 発症からの時間 | 検査の考え方 |
| 12時間未満 | 抗原検査の偽陰性に注意。nodocaも有用な選択肢 |
| 12〜24時間 | どちらも選択肢。症状や検査目的で判断 |
| 24〜48時間 | 抗原検査の感度が高まりやすい時期 |
| 48時間以降 | 病状や検査目的に応じて判断 |
※これは一般的な傾向であり、時間だけで検査方法が決まるわけではありません。

| 比較項目 | nodoca | 迅速抗原検査 |
| 検査方法 | 咽頭画像+診療情報をAI解析 | ウイルス抗原を検出 |
| 鼻の奥への綿棒 | 不要 | 通常必要(鼻出血に注意が必要) |
| 発症12時間未満 | 早期検査の選択肢 | 偽陰性に注意 |
| 発症24〜48時間 | 検査可能 | 検出感度が高まりやすい |
| A型・B型の区別 | 不可 | 可能 |
| 主な長所 | 鼻咽頭採取が不要 (鼻からの綿棒不要) | ・ウイルス抗原を直接検出 ・複数の抗原を同時に検査可能 |
| 主な注意点 | ・のどの観察が苦手な人はできないことがあります ・他の感染症との判別に限界 | 発症初期の偽陰性 |
なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、約3年前からnodocaを導入し、インフルエンザが疑われる患者さんの診療に活用しています。
nodocaの大きな特徴は、鼻の奥に綿棒を挿入せずに検査ができること、そして発症早期にも使用できることです。
一方で、nodocaはウイルスそのものを検出する検査ではないため、AIの判定結果だけでインフルエンザと確定できるわけではありません。
そのため、当院では検査結果だけでなく、発症からの時間、発熱の程度、咳やのどの症状、周囲の流行状況などを総合的に判断することを大切にしています。
また、必要に応じて迅速抗原検査など、ほかの検査方法も検討します。
「発熱してすぐだから検査ができない」と一律に考えるのではなく、その時点でどのような検査や診療が適切かを判断することが重要です。
インフルエンザ検査は、発熱した患者さん全員に行う必要があるわけではありません。
検査にはそれぞれ適切なタイミングがあり、必要性の低い検査や繰り返しの検査は、患者さんの負担や限られた医療資源の浪費につながることもあります。
一方で、検査によって早期診断や適切な治療につながるケースもあります。
大切なのは、「誰に、いつ、どの検査を行うべきか」を見極めることです。
当院では、約3年間にわたるnodocaの使用経験と耳鼻咽喉科専門医としての知識を生かし、患者さんの症状や発症からの時間、重症化リスクなどを踏まえて、適切な検査を選択するよう心がけています。
Q. 発熱して3時間しか経っていません。インフルエンザの検査はできますか?
はい。発症直後でも検査は可能です。
ただし、従来の迅速抗原検査では、発症早期に陰性となることがあります。
nodocaも早期に使用できる検査ですが、陰性であってもインフルエンザを完全に否定できません。
Q. nodocaは小さな子どもでも検査できますか?
nodocaは6歳以上の患者さんを対象として、有効性と安全性が確認されています。
6歳未満のお子さんについては、臨床試験で十分な評価が行われておらず、検査の正確性や安全性が確立されていないため、使用が推奨されていません。
これは、6歳未満のお子さんに危険であることが証明されたという意味ではなく、検査の信頼性を裏付けるデータが不足しているためです(のどの写真撮影が難しい、成長・発達の影響など)。
当院では、6歳未満のお子さんには、症状や発症からの経過時間に応じて、従来の迅速抗原検査などを検討します。
Q. nodocaで陽性なら、インフルエンザと確定できますか?
nodocaはインフルエンザ診断を補助する医療機器であり、検査結果だけで確定診断することを目的としていません。
医師が症状や診察所見、周囲の流行状況などと組み合わせて判断します。
Q. 抗原検査で陰性でしたが、翌日もう一度検査した方が良いですか?
発症早期に検査を受けた場合、時間が経過してから再検査することで陽性になることがあります。
ただし、すべての患者さんに再検査が必要なわけではありません。症状の経過や重症化リスクなどを考慮して判断します。
Q. 検査が陰性なら、インフルエンザの治療薬は使えませんか?
必ずしもそうではありません。
インフルエンザが強く疑われる場合には、検査結果だけでなく、症状や患者さんの周囲の流行状況などを踏まえて治療を判断することがあります。
特に重症化リスクの高い患者さんでは、検査結果を待つことで抗インフルエンザ薬の開始が遅れないようにすることが重要です。
Q. 発熱から12時間経つまで受診を待った方が良いですか?
いいえ。必ずしも12時間待つ必要はありません。
インフルエンザの治療薬は、一般的に発症から48時間以内に開始することで効果が期待できます。
特に高熱が続く場合や、呼吸が苦しい場合、ぐったりしている場合などは、検査のタイミングを待たずに早めの受診が大切です。
〜まとめ〜
インフルエンザ検査は発症からの時間に応じた選択が大切です。
インフルエンザ検査には、それぞれ特徴があります。
発症して間もない時期は、従来の迅速抗原検査で偽陰性となることがあるため、nodocaなどの検査方法も選択肢になります(当院では年齢・のどの状況などで判断します)。
発症からある程度時間が経過した時期には、ウイルス抗原を直接検出できる迅速抗原検査が有用です。
ただし、どちらの検査も万能ではありません。
大切なのは、発症からの時間だけでなく、症状や診察所見、周囲の流行状況などを総合的に判断することです。
「発熱から12時間経っていないから、まだ受診できない」と考える必要はありません。
症状がつらい場合やインフルエンザが心配な場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
発熱やのどの痛み、咳、鼻水などの症状がある場合には、インフルエンザをはじめ、さまざまな感染症の可能性があります。
なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、約3年前からAI検査「nodoca」を導入し、日常診療で活用してきました。
当院では、耳鼻咽喉科専門医の立場から、患者さん一人ひとりの症状や発症からの経過時間を踏まえ、適切な検査・治療につなげることを大切にしています。
「まだ発熱して数時間だから、受診するのは早いかな?」
「検査で陰性だったけれど、熱が続いていて心配」
そのような場合も、お気軽にご相談ください。
福岡市城南区で発熱やのどの痛み、インフルエンザの症状にお困りの際は、「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」へご相談ください。
ご相談や受診の予約はこちら。
明石祐作ほか.感染症学雑誌.2021
厚生労働省.nodoca 製品概要・臨床上の有用性.医療機器承認関連資料.
アイリス株式会社.AI搭載インフルエンザ検査医療機器 nodoca:製品情報・臨床性能.
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【その他注意事項】
・1~20本は一律6,600円です
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・1回で全ての毛が脱毛できるわけではありません。発毛のサイクルに合わせて施術が必要です。
・医師の診察で適応か判断しますので事前にカウンセリングにお越しください
(予約サイトより眉周りモニターカウンセリングの項目にてご予約ください)
まずは医師の診察・カウンセリングで適応を確認したうえで施術を行います。
ご希望の方は、お電話またはWebでDrカウンセリングのご予約をお待ちしてります。
🏥なかの耳鼻科・美容皮ふ科
〒814-0103福岡市城南区鳥飼7丁目1−21
グレイス鳥飼2F
駐車場有(18台)
TEL:092-400-0834(美容皮膚科)
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鼻のレーザー治療(鼻粘膜焼灼術)を受けた後、一時的に鼻づまりが悪化することに不安を感じていませんか。
今回の記事を読めば、術後の経過日数ごとの症状の変化『ダウンタイム』と注意・禁止事項を正しく理解し、不安なく日常生活を送りながら完治までのケアを適切に実行できる状態になれます。
鼻のレーザー治療は、アレルギー性鼻炎などの原因となる鼻の粘膜(下鼻甲介)をレーザーで焼灼する手術です。術後に鼻づまりが一時的に悪化するのは、この焼灼によって粘膜が軽いやけどを起こし、その反応で腫れるために起こります。これは異常なことではなく、粘膜が治癒していく過程で起こる正常な反応です。
この腫れは数日から1〜2週間で徐々に引いていき、その後は治療前よりも鼻の通りが良くなります。術後の鼻づまりは、治療が順調に進んでいる証拠の一つと捉えることができます。

鼻のレーザー治療後の回復過程は、個人の状態によって異なります。一般的なダウンタイムの経過を知っておくことで、ご自身の状態を客観的に把握し、安心して過ごすことができます。
治療当日から2〜3日は、レーザーで焼灼した粘膜の腫れが最も強くなる時期です。治療前よりも鼻づまりがひどく感じられ、息苦しさを感じることもあります。
また、麻酔が切れると、鼻の奥にじんわりとした痛みやヒリヒリ感が出ることがありますが、痛み止めが必要になるほどの痛みが出ることは少ないです。この時期は、安静に過ごすことが大切です。
治療後1週間ほど経つと、焼灼した粘膜の表面に「かさぶた」が形成され始めます。このかさぶたは、傷ついた粘膜を保護し、再生を促す重要な役割を果たします。また、粘膜の反応性の分泌物が増えるため、鼻水の量が多くなったり、少し色のついた鼻水が出たりすることがあります。
これは治癒過程の一環であり、心配する必要はありません。
治療後1〜2週間目に入ると、大きかったかさぶたが少しずつ自然に剥がれ落ちてきます。かさぶたが取れるにつれて、術後の腫れも引き、徐々に鼻の通りが良くなってくるのを実感できる時期です。この頃に一度受診し、医師にかさぶたの状態を確認してもらい、必要に応じて除去の処置を受けると、より回復がスムーズになります。
治療後1ヶ月も経つと、鼻の粘膜の状態はかなり落ち着き、腫れもほとんどなくなります。かさぶたもきれいに取れ、鼻の通りが安定してきます。この時期になると、レーザー治療の効果が本格的に現れ、鼻づまりや鼻水といった症状が改善された、すっきりとした感覚を実感できる方がほとんどです。
治療後の適切な自己管理は、この回復過程をスムーズに進めるために不可欠です。次に、日常生活で守るべき注意点を具体的に見ていきましょう。
治療当日は、長時間の入浴や熱いお湯に浸かるのは避けましょう。体を温めすぎると血行が促進され、鼻からの出血リスクが高まります。当日は、ぬるめのシャワーで軽く済ませるようにしてください。
アルコールには血管を拡張させる作用があり、治療後の腫れや出血を助長する原因となります。回復を妨げる可能性があるため、術後少なくとも1週間は飲酒を控えるようにしましょう。特に、治療直後の飲酒は厳禁です。
ジョギングや筋力トレーニングなど、心拍数や血圧が上がるような激しい運動は、治療後1週間程度避ける必要があります。血流が増加することで、出血のリスクが高まるためです。デスクワークや軽い散歩程度であれば問題ありませんが、息が上がるような運動の再開は、医師に相談してからにしましょう。
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、鼻粘膜への血流を悪化させます。血行不良は傷の治りを遅らせ、感染症のリスクを高めることにもつながります。治療後のスムーズな回復のためにも、できる限り喫煙は控えることが推奨されます。

治療後の鼻の中は、かさぶたができており非常に出血しやすい状態です。特に、鼻をかむ、くしゃみをするといった日常的な動作にも注意が必要です。
正しいセルフケアを実践することで、不要な鼻血を防ぎ、快適に回復期間を過ごすことができます。
治療後、鼻の中にできるかさぶたは、治癒過程で重要な役割を担っています。気になっても、指で触ったり、無理に剥がそうとしたりしないでください。かさぶたを無理に剥がすと、再生中の粘膜を傷つけてしまい、多量の出血を引き起こす原因となります。
かさぶたは自然に剥がれ落ちるのを待つか、治療後1〜2週間後の診察時に医師に除去してもらいましょう。
鼻うがいは鼻腔内を清潔に保つのに役立ちますが、治療後の開始時期については医師に相談することが重要です。術後の鼻腔洗浄はかさぶたや分泌物の除去を助けたり、感染のリスクを低減させたりするために推奨されることがありますが、自己判断ではなく必ず医師の指示に従い、適切な方法で行うようにしてください。
治療後は、炎症を抑えるための薬、点鼻薬などが処方されることがあります。これらの薬は、粘膜の回復を助け、合併症を防ぐために非常に重要です。医師の指示通りに、用法・用量を守って最後まで使い切るようにしましょう。
自己判断で服用を中止しないでください。
治療後に少量のにじむ程度の鼻血が出ることはありますが、ティッシュで押さえても止まらない、ダラダラと流れ続けるような多量の鼻血が出た場合は、すぐに医療機関へ連絡してください。夜間や休日であっても、救急外来の受診が必要になることがあります。安静にして、小鼻を圧迫しながら連絡を取りましょう。
治療後の痛みは、痛み止めが必要になることは少なく、痛みが強くなっても痛み止めでコントロールできることが一般的です。しかし、痛み止めを飲んでも全く効かない、日に日に痛みが強くなる、ズキズキとした拍動性の痛みが続くといった場合は、感染症などの可能性があります。我慢せずに、早めに通院して医師の診察を受けてください。
治療後に透明や少し色のついた鼻水が出るのは正常な経過ですが、黄色や緑色で粘り気があり、嫌なにおいを伴う鼻水が出るようになった場合は、細菌感染を起こして副鼻腔炎などを併発している可能性があります。抗生物質による治療が必要になるため、このような鼻水に気づいたら、通院するようにしましょう。
花粉が飛散しているシーズン中は、鼻の粘膜がアレルギー反応によって非常に過敏になっています。この時期にレーザー治療を行うと、治療後の炎症が通常よりも強く出たり、治りが遅くなったりする可能性があります。また、治療後1〜2週間は一時的に鼻づまりが悪化するため、花粉による鼻づまりと重なると、日常生活に大きな支障をきたすほどつらい症状になることがあります。
スギ花粉症のレーザー治療では、花粉が本格飛散する前の時期(9月~12月頃)に手術を受ける
ことが効果的だとされています。この時期に治療を行っておくことで、花粉シーズン中の症状を軽減しやすくなります。手術を検討する場合は、医師と相談し、個々の症状やライフスタイルに合わせた最適な治療計画を立てることが重要です。
鼻のレーザー治療に関して、患者様から多く寄せられるご質問とその回答をまとめました。
特に術後2〜3日がピークで、1〜2週間ほどでかさぶたが取れるとともに改善に向かいます。1ヶ月後には通りが安定化します。
1〜2週間頃から剥がれ始めます。出血や傷の悪化の原因となるため自分で無理に剥がさず、気になる場合は受診時に医師へご相談ください。
出血や腫れのリスクを高めるため、最低1週間は控えてください。再開のタイミングは経過観察の際、医師に確認すると安心です。
当院では、日本耳鼻咽喉科学会専門医である院長が、鼻の中の状態を詳細に診察し、レーザー治療が本当に適しているかを正確に判断します。薬物療法で効果が不十分な方や、薬を減らしたい方など、それぞれの患者さんのご希望を伺いながら、最適な治療計画を一緒に立てていきます。手術だけでなく、多様な選択肢から最良の方法をご提案できるのが当院の強みです。
アレルギーの原因は人それぞれです。当院では、アレルギー検査の結果や症状が出る時期を考慮し、患者さんにとって最も効果的な治療スケジュールをご提案します。例えばスギ花粉症の方であれば秋から冬にかけて、通年性アレルギーの方であれば症状が比較的落ち着いている時期など、効果を最大化できるタイミングでの治療を推奨しています。
当院では、鼻粘膜焼灼術(レーザー治療)だけでなく、アレルギー体質そのものを改善する根本治療である「舌下免疫療法」にも対応しています。手術だけでなく、長期的な視点での体質改善も含め、幅広い治療の選択肢をご用意しています。それぞれの治療法のメリット・デメリットを丁寧に説明し、患者さんが納得できる治療法を選んでいただけるようサポートします。
鼻のレーザー治療や診察のご相談、ご予約はWEB予約・お問い合わせよりお気軽にご利用ください。
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首の細かいイボや、顔のホクロやイボが気になっている方に、取り放題プランのご紹介です。
「顔のホクロやイボがだんだん増えてきて目立ってきた」
「首のポツポツが増えてきて、どこに相談すればいいのか迷う」
こうしたお悩みは、30〜40代以降に増えてきます。小さなホクロやイボは一つひとつが目立たなくても、数が増えると見た目の印象が変わります。
当院では3mm未満のホクロ・イボを対象に、個数制限のない取り放題プランをご用意しています。このブログでは、対象となるもの、除去の方法、麻酔、費用、リスクまでを順番にご説明します。
当院のプランの特徴は、次の3点です。
「何個あるか分からないので取り放題がお得なのか、一個ずつの料金がお得なのかわからない」という方も、まずは診察で状態を確認し、対象かどうかをお伝えします。
| メニュー | 料金(税込) | 対象のサイズ |
|---|---|---|
| 顔のホクロ・イボ取り放題 | 69,300円 | 3mm未満(個数制限なし) |
| 首のイボ取り放題 | 59,800円 | 3mm未満(個数制限なし) |
※自由診療です。
※初診料・再診料・テープ代・軟膏代は別途、麻酔代は含みます
※施術の期間は4ヶ月以内です。
※しみ・血管腫は対象外です。
※診察の結果、プランの対象外となる場合があります。
ホクロやイボの大きさ、深さ、位置などを診察で確認し、切除またはレーザーのうち、適した方法をご提案します。
※ホクロ・しみ・血管腫は対象外です。
首のポツポツは、年齢を重ねるにつれて増えやすく、衣類の摩擦で気になる方も少なくありません。顔と同様に、診察の上で切除またはレーザーを選択します。
※テープ保護は深さや大きさにより2~3週間必要です
見た目が似ていても、ホクロやイボの種類はさまざまです。急に大きくなった、形がいびつ、色にムラがある、出血するといった変化がある場合は、除去の前に医師の診察が必要です。診察の結果、プランの対象外と判断することもあります。
施術には、次のようなリスクや副作用が起こる可能性があります。
効果や経過には個人差があります。ご不明点は、施術前にご相談ください。
Q. 3mm以上のものも対象ですか?
A. 本プランは3mm未満が対象です。3mm以上の場合は、診察の上で別途ご案内します。
Q. しみも取れますか?
A. しみは本プランの対象外です。ご希望の場合は、別のメニューをご案内します。
Q. 痛みはありますか?
A. 表面麻酔または局所麻酔を行います。感じ方には個人差があります。
Q. テープはどのくらい貼る必要がありますか?
A. 首の小さなイボであれば5~7日、顔の脂漏性角化症は1~2週間、ホクロは2~3週間が目安です。
Q. 痛みはありますか?
A. 表面麻酔または局所麻酔を行います。感じ方には個人差があります。
Q. 4ヶ月以内とはどういう意味ですか?
A. 一回で全てのイボ・ホクロを除去するのではなく、一回30分の範囲で除去します。
残りの施術は改めてご予約いただきます。通院の回数に制限はございませんが、再診料の550円がかかります。
通院の期限が4ヶ月となります。
なかの耳鼻科・美容皮ふ科
〒814-0103 福岡県福岡市城南区鳥飼7丁目1−21 GRACE 鳥飼 2階






「インフルエンザになってタミフルを飲みました。ワクチンの注射はいつから打てますか?」
「イナビルを吸入した後でも、フルミストはできますか?」
インフルエンザが流行する時期になると、このようなご質問をいただくことがあります。
実は、インフルエンザ治療薬を使用した後のワクチン接種は、「注射のインフルエンザワクチン」と「点鼻ワクチンのフルミスト®︎」では考え方が異なります。
特にフルミストでは、使用した抗インフルエンザ薬によって、接種まで一定期間空ける必要があります。
今回は、インフルエンザの治療後にワクチンを接種する場合、どのくらい間隔を空ければよいのかについて解説します。
大きなポイントは、注射か点鼻ワクチンかです!
注射のインフルエンザワクチン
→ 抗インフルエンザ薬による接種間隔は原則必要ありません
フルミスト®︎(点鼻ワクチン)
→ 抗インフルエンザ薬の種類によって一定の間隔が必要です
それでは、なぜこのような違いがあるのでしょうか?
一般的な注射のインフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」です。
接種したワクチンのウイルスが体内で増殖するわけではないため、タミフルやイナビルやゾフルーザなどの抗インフルエンザ薬を使用しても、ワクチンのウイルスの増殖が抑えられて効果が弱くなるという問題は基本的にありません。
そのため、抗インフルエンザ薬を使用したことだけを理由に、注射のワクチンを何日間も延期する必要は原則ありません。
ただし、以下のような症状がある場合には、ワクチン接種を急ぐ必要はありません。
・まだ発熱している
・強い倦怠感が残っている
・食事や水分が十分にとれない
・全身状態がまだ回復していない
インフルエンザから十分に回復してから接種すると考えてください。
フルミストは、鼻に噴霧する「経鼻弱毒生インフルエンザワクチン」です。
注射のワクチンとの大きな違いは、弱毒化したワクチンウイルスが鼻の粘膜で増殖することで免疫反応を起こす点です。
一方、タミフルやイナビル、ゾフルーザなどの抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるためのお薬です。
簡単にまとめると以下の通りです。
フルミストを接種
↓
鼻の粘膜でワクチンウイルスが限定的に増殖
※抗インフルエンザ薬がこの部分を妨げてしまう可能性があります!
↓
免疫反応が起こる
実際、日本のフルミストの添付文書にも、抗インフルエンザウイルス薬によってワクチンウイルスの増殖が抑制され、フルミストの効果が減弱する可能性が記載されています。
そのため、フルミストでは抗インフルエンザ薬との「間隔」が重要になります。
抗インフルエンザ薬とワクチン接種の関係を整理すると、次のようになります。
| 使用した薬 | 注射ワクチン | フルミスト |
| タミフル®(オセルタミビル) | 薬による間隔は原則不要 | 最終投与後48時間以上 |
| リレンザ®(ザナミビル) | 薬による間隔は原則不要 | 最終投与後48時間以上 |
| ラピアクタ®(ペラミビル) | 薬による間隔は原則不要 | 投与後5日以上 |
| ゾフルーザ®(バロキサビル) | 薬による間隔は原則不要 | 投与後17日以上 |
| イナビル®(ラニナミビル) | 薬による間隔は原則不要 | 明確な公的基準なし※ |
※いずれの場合も、実際の接種時にはインフルエンザから十分に回復していることを確認して判断します。
ここで特に注意したいのが、ゾフルーザです。
2024年度の国内市場流通割合では、ゾフルーザは29.3%を占めており、日本で非常によく使用されている抗インフルエンザ薬の一つです。顆粒製剤も承認されたため、2025年度以降はさらに増えていることが予想されます。
しかし、ゾフルーザ(バロキサビル)は薬剤が比較的長く体内に残るため、米国CDCでは、ゾフルーザを使用してから17日以内はフルミストを接種を控えることが示されています。
一方、タミフルやリレンザの場合は最終投与後48時間です。
そのため、「インフルエンザが治って1週間経ったから、もうフルミストを受けても大丈夫」とは限りません。
インフルエンザになった日だけではなく、「どの薬を使用したのか」を確認することが大切です。
日本ではイナビル(ラニナミビル)も非常によく使用されています。
2024年度の市場流通割合では23.9%を占めています。
しかし、イナビルは日本を中心に使用されている薬剤で、米国CDCが示しているフルミストとの具体的な接種間隔には含まれていません。
日本のフルミストの添付文書では、ラニナミビルを含む抗インフルエンザ薬について、ワクチンウイルスの増殖を抑制し、フルミストの効果を弱める可能性があることが記載されています。
しかし、「イナビルを使用してから○日空ければよい」という具体的な日数については、現時点では明確な公的基準がありません。
そのため、イナビル使用後にフルミストを希望される場合は、使用した時期などを確認したうえで個別に接種時期を判断する必要があります。
反対のケースにも注意が必要です。
たとえば、以下のような場合です。
フルミストを接種
↓
5日後にインフルエンザを発症
↓
タミフルを処方された
CDCでは、フルミスト接種後2週間以内に抗インフルエンザ薬を使用すると、ワクチンウイルスの増殖が抑えられ、フルミストによる十分な免疫が得られない可能性があるとしています。
ただし、インフルエンザを発症して治療が必要な場合には、
「フルミストの効果が弱くなるかもしれないから、治療薬を使わない」
という判断をしてはいけません。
必要なインフルエンザ治療を優先します!
そのうえで、フルミストによる免疫が十分得られなかった可能性を考え、回復後に注射のインフルエンザワクチンなどによる再接種を検討します。
これもよくある質問です。
インフルエンザには複数の型・亜型があります。
一度インフルエンザに感染しても、そのシーズンに別の型・亜型のインフルエンザに感染する可能性があります。実際に当院でも、1シーズンでインフルエンザA型に2回、インフルエンザB型に1回罹患した患者さんもおられました!
そのため、「今年すでにインフルエンザになった=今年のワクチンはもう必要ない」とは限りません。
その年の流行状況、年齢、基礎疾患、これまでのワクチン接種状況などを考慮して判断します。
インフルエンザの薬を5日間内服したか、1日だけ内服したか、吸入薬で治療したかでわかる場合ば非常に多いです。しかし、それも全く分からない場合は、ワクチンの効果を最優先し、ゾフルーザに®︎合わせて約2-3週間以上は空けるようにしましょう。
尚、現在、日本では複数の抗インフルエンザ薬が使用されています。厚生労働省が公表している2024年度の国内市場流通量を、治療に使用できる「人数分」に換算すると、次のようになっていますので参考にされてください。
| 抗インフルエンザ薬 | 代表的な商品名 | 2024年度の市場流通割合 |
| オセルタミビル | タミフル®・後発品 | 43.3% |
| バロキサビル | ゾフルーザ® | 29.3% |
| ラニナミビル | イナビル® | 23.9% |
| ザナミビル | リレンザ® | 2.4% |
| ペラミビル | ラピアクタ® | 1.3% |
※オセルタミビルはカプセル29.5%+ドライシロップ13.8%を合算。
※四捨五入のため合計が100%を超える場合があります。
つまり、日本では、以下の3系統だけで、国内市場流通量の約96%を占めています。
①タミフルなどのオセルタミビル
②ゾフルーザ
③イナビル
ただし、この数字は「インフルエンザ患者の43.3%にオセルタミビルが処方された」という意味ではありません。厚生労働省が集計した市場流通量を、それぞれの薬剤の治療に必要な量から「○万人分」に換算した割合です。実際の患者さん一人ひとりへの処方割合とは異なりますので、その点には注意が必要です。
また、2025年からゾフルーザ®︎の顆粒製剤が保険承認されており、この比率が大きく変化していることが予想されますのでご注意ください。
Q. タミフルを飲み終わった翌日に注射のワクチンはできますか?
抗インフルエンザ薬との相互作用という点では、特別な間隔は必要ありません。
ただし、発熱などがなく、インフルエンザから十分に回復していることを確認して接種します。
Q. タミフルを飲み終わった翌日にフルミストはできますか?
おすすめできません。CDCでは、オセルタミビル(タミフル)は最終投与から48時間以上空けてからフルミストを接種することが示されています。
Q. ゾフルーザを飲んで1週間経ちました。フルミストはできますか?
まだ接種時期として早いと考えます。CDCでは、バロキサビル(ゾフルーザ)使用後は17日以上空けることが示されています。
Q. イナビルを使いました。フルミストはいつできますか?
イナビルについては、フルミスト接種までの具体的な日数を示した確立した公的基準がありません。いつイナビルを使用したのかを接種医に伝え、接種時期をご相談ください。
インフルエンザ治療後のワクチン接種で重要なのは、ご希望のワクチンが「注射なのか、フルミストなのか」そして「どの抗インフルエンザ薬を使用したのか」という2点です。
注射の不活化ワクチンでは、抗インフルエンザ薬そのものを理由に一定期間空ける必要は基本的にありません。
一方、フルミストは生ワクチンのため、抗インフルエンザ薬によってワクチンウイルスの増殖が抑えられ、十分な効果が得られなくなる可能性があります。
以下のような違いになります。
タミフル・リレンザ → 48時間以上
ラピアクタ → 5日以上
ゾフルーザ → 17日以上
また、日本でよく使用されているイナビルについては、具体的な接種間隔が確立されていないため、個別に判断する必要があります。
「インフルエンザが治ったから何日後」という一律の考え方ではなく、使用した薬を確認してワクチンの接種時期を決めることが大切です。
なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、注射によるインフルエンザワクチンに加えて、対象となる方には点鼻タイプのインフルエンザワクチン「フルミスト」も行っています。
「先週インフルエンザになったけど接種できる?」
「タミフルを飲んだけどフルミストは大丈夫?」
「ゾフルーザを飲んだ場合はいつから?」
「イナビルを使った場合は?」
など、判断に迷われる場合には、使用したお薬の名前と最後に使用した日を確認してご相談ください。
安全に接種することはもちろん、ワクチンの効果を十分に得るためにも、適切なタイミングで接種することが大切です。
厚生労働省/医薬品医療機器総合機構(PMDA) フルミスト点鼻液 電子化された添付文書
厚生労働省 抗インフルエンザウイルス薬の市場流通割合(令和4~6年度)
Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Influenza Antiviral Medications: Summary for Clinicians.
Centers for Disease Control and Prevention (CDC). ACIP Recommendations Summary: Influenza Vaccination and Influenza Antiviral Medications.
日本小児科学会.インフルエンザ治療・予防指針
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