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睡眠時無呼吸の検査は自宅でできる?簡易検査と精密検査(PSG)の違いを耳鼻科専門医が解説

「家族から寝ている間に呼吸が止まっていると言われた」

「いびきがひどいけれど、病院に泊まって検査するのは大変そう」

「しっかり寝ているはずなのに、日中の眠気や疲れが取れない」

このようなお悩みはありませんか?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が心配でも、「検査のために入院しなければならないのでは?」と考え、受診をためらっている方もいらっしゃるかもしれません。

実は、睡眠時無呼吸症候群の検査は、自宅で行うことができます。

自宅で行う「簡易睡眠検査」では、普段と同じように眠りながら、睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素の変化を調べます。

ただし、簡易検査だけでは診断が難しい場合もあり、必要に応じて「精密検査(PSG)」を行います。

今回は、睡眠時無呼吸症候群の検査方法や検査結果の見方、治療方法について、耳鼻咽喉科専門医が分かりやすく解説します。

〜睡眠時無呼吸症候群とは?〜

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりする病気です。

特に多いのが、眠っている間に舌や喉の周囲の組織によって空気の通り道(気道)が狭くなる「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」です。

こんな症状はありませんか?

・大きないびきをかく

・家族から睡眠中に呼吸が止まっていると言われる

・寝ている途中で息苦しくなって目が覚める

・朝起きても疲れが取れない

・日中に強い眠気を感じる

・起床時に頭痛がある

・集中力が低下する

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧、不整脈、心血管疾患、脳卒中などのリスクが高まることが知られています。

また、日中の眠気による交通事故や仕事中の事故にも注意が必要です。

「いびきがあるだけ」と軽く考えず、呼吸が止まっている可能性があれば、一度検査を受けることをおすすめします。

〜睡眠時無呼吸症候群の検査は2種類〜

睡眠時無呼吸症候群の主な検査には、「簡易睡眠検査」と「精密検査(PSG)」 の2種類があります。

① 簡易睡眠検査(自宅検査)

自宅で小型の検査機器を装着し、睡眠中の呼吸や酸素の状態を調べる検査です。

普段と同じ環境で眠りながら検査でき、入院する必要がないため、比較的手軽に受けることができます。

② 精密検査(PSG)

PSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)は、呼吸や酸素の状態だけでなく、脳波や眼球運動、筋電図なども測定する詳しい検査です。

実際に眠っている時間や睡眠の深さを評価できるため、睡眠時無呼吸症候群の診断や重症度の判定に役立ちます。

医療機関で一晩かけて行う方法が一般的ですが、検査体制によっては自宅で実施できる場合もあります。

・簡易検査と精密検査の違い

比較項目簡易睡眠検査精密検査(PSG)
検査場所主に自宅主に医療機関
入院原則不要必要な場合あり
呼吸の状態○○
酸素飽和度○○
脳波による睡眠判定通常なしあり
睡眠の深さの評価原則不可可能
無呼吸の詳しい評価一部制限ありより詳細
検査の負担比較的小さいセンサーが多い

※検査機器によって測定項目は異なります。

最初からすべての方に精密検査が必要なわけではありません。

症状や基礎疾患、診察結果をもとに、適切な検査を選択することが大切です。

〜自宅で行う簡易睡眠検査の流れ〜

自宅での簡易睡眠検査は、一般的に次のような流れで行います。

STEP 1.医療機関を受診する

いびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気などについて問診を行います。必要に応じて、鼻や喉の状態も確認します(鼻や喉の様子次第では、先に治療を行います)。

STEP 2.検査の準備をする

検査機器の使用方法や注意点について説明を受け、自宅で検査を行う準備をします。

STEP 3.自宅で眠りながら測定する

鼻や指先などにセンサーを装着し、普段と同じように就寝します。

睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素の変化などを記録します。

STEP 4.検査結果を確認する

記録されたデータを解析し、医師が結果を説明します。

STEP 5.必要に応じて精密検査や治療へ

検査結果や症状に応じて、精密検査(PSG)やCPAP療法などの治療を検討します。

自宅での簡易睡眠検査は、仕事や家庭の都合で入院が難しい方にも受けやすい検査です。

〜簡易睡眠検査では何が分かる?〜

簡易睡眠検査では、主に次のような項目を調べます。

① 呼吸の停止や低下

睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりする回数を調べます。

② 血液中の酸素飽和度(SpO₂)

呼吸が止まることで、血液中の酸素がどの程度低下しているかを確認します。

③ いびきや呼吸のパターン

検査機器によっては、いびきや呼吸努力、睡眠中の体の向きなども記録します。

これらの情報を組み合わせて、睡眠時無呼吸症候群の可能性や重症度を評価します。

ただし、簡易検査では通常、脳波を測定しません。

そのため、実際に眠っていた時間や睡眠の深さを正確に判定できない場合があります。

〜検査結果の見方|AHIとは?〜

睡眠時無呼吸症候群の重症度を判断する際に重要なのが、AHI(無呼吸低呼吸指数) という数値です。

AHIとは、睡眠1時間あたりに無呼吸や低呼吸が何回起きたかを示す指標です。

例えば、AHIが20であれば、睡眠中に1時間あたり平均20回の無呼吸・低呼吸が起きていることを意味します。

・AHIによる重症度分類(成人)

AHI(回/時)重症度
5未満正常範囲
5以上15未満軽症
15以上30未満中等症
30以上重症

ただし、ここで重要な注意点があります。

自宅での簡易睡眠検査で示される数値は、厳密にはPSGで測定するAHIと同じではない場合があります。

簡易検査では、実際の睡眠時間ではなく、機器の記録時間などを基準として無呼吸・低呼吸の頻度を算出するREI(呼吸イベント指数)、無呼吸・低呼吸に加え呼吸な乱れも含めて算出するRDI(呼吸障害指数)と呼ばれる指数を用いることもあります。

そのため、簡易検査では実際の重症度を低く評価してしまう可能性があります。

また、無呼吸・低呼吸の回数だけでなく、酸素飽和度の低下や日中の眠気なども重要な評価項目です。

検査結果は数値だけで判断せず、症状や診察所見も含めて総合的に評価することが大切です。

〜簡易検査だけで睡眠時無呼吸症候群と診断できる?〜

簡易睡眠検査は非常に便利ですが、すべての患者さんで確定診断ができるわけではありません。

特に注意したいのは、「簡易検査で異常が少ない=睡眠時無呼吸症候群ではない」とは限らないことです。

例えば、次のようなケースでは精密検査(PSG)が必要になることがあります。

・いびきや無呼吸の症状が強いのに、簡易検査では異常が少ない

・簡易検査の結果が判定困難だった

・センサーが外れるなど、十分な記録が取れなかった

・心臓や肺の重い病気などがあり、より詳しい評価が必要

・中枢性睡眠時無呼吸や睡眠関連低換気が疑われる

米国睡眠医学会(AASM)のガイドラインでも、簡易検査で陰性や判定不能だった場合、睡眠時無呼吸が疑われる患者さんにはPSGを行うことが推奨されています。

つまり、検査結果の数字だけでなく、症状と検査結果が一致しているかを確認することが重要です。

〜睡眠時無呼吸症候群と診断されたら?治療方法について〜

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、重症度や原因に応じて治療を検討します。

① CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

CPAPは、睡眠中に鼻などに装着したマスクから空気を送り、気道が閉塞しないようにする治療法です。

中等症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対して、広く行われている治療です。

2026年6月の診療報酬改定により、日本ではCPAP療法の保険適用基準が変更されました。

検査方法CPAP保険適用の主な数値基準
簡易睡眠検査無呼吸・低呼吸指数30以上
精密検査(PSG)AHI 15以上

従来は簡易検査で40以上、精密検査で20以上が基準でしたが、今回の改定により基準が引き下げられました(以前の投稿も参照ください)。

これにより、以前は保険診療でCPAP療法を受けられなかった方でも、治療の対象となる可能性があります。

ただし、CPAP療法の適応は検査結果の数値だけで決まるわけではありません。 日中の眠気などの症状、睡眠中の呼吸状態、検査所見などを総合的に評価し、保険診療上の要件を満たすか判断します。

また、簡易検査で30未満だった場合でも、精密検査(PSG)で詳しく評価することにより、CPAP療法の適応となる場合があります。

② マウスピース(口腔内装置)

睡眠中に下あごを前方に移動させ、気道を広げる治療方法です。

軽症から中等症の方や、CPAPの使用が難しい方などで検討されます。

③ 鼻づまりなどの原因に対する治療

睡眠時無呼吸症候群には、肥満だけでなく、鼻や喉の構造が関係している場合もあります。

例えば、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症、下鼻甲介肥大、扁桃肥大などがあると、睡眠中の呼吸に影響することがあります。

鼻づまりを改善することで、睡眠中の呼吸のしやすさやCPAPの使用感が改善する可能性があります。

ただし、鼻の治療だけで睡眠時無呼吸症候群そのものが治るとは限りません。

当院では耳鼻咽喉科として鼻や喉の状態を評価しながら、必要な治療を検討しています。

〜よくある質問(Q&A)〜

Q.睡眠時無呼吸症候群の検査は自宅だけで完結しますか?

A.簡易睡眠検査は自宅で行えます。検査結果によっては、その結果をもとに治療方針を決定できます。ただし、詳しい評価が必要な場合は精密検査(PSG)を追加します。

Q.簡易睡眠検査は痛いですか?

A.基本的に痛みを伴う検査ではありません。鼻や指先などにセンサーを装着します。多少の違和感はありますが、通常は普段と同じように眠ることができます。

Q.自宅でうまく眠れなかった場合はどうなりますか?

A.簡易検査では通常、睡眠時間そのものを正確に測定できません。睡眠時間が短かったり、十分な記録が得られなかったりした場合には、再検査やPSGを検討します。

Q.いびきだけでも検査を受けた方がよいですか?

A.いびきがある方すべてに睡眠時無呼吸症候群があるわけではありません。ただし、大きないびき、呼吸停止の指摘、日中の眠気などがある場合は、一度検査を検討することをおすすめします。

Q.痩せていても睡眠時無呼吸症候群になりますか?

A.はい。肥満がなくても、下あごが小さい、舌が大きい、扁桃が大きい、鼻づまりが強いなど、気道の構造によって睡眠時無呼吸症候群が生じることがあります。

Q.スマートウォッチで酸素飽和度が低いと表示された場合、睡眠時無呼吸症候群ですか?

A.スマートウォッチの酸素飽和度だけでは診断できません。測定誤差もあり、無呼吸や低呼吸の回数を正確に評価することは困難です。低い値が繰り返し表示される場合や症状がある場合には、医療機関での検査をおすすめします。

Q.子どもでも自宅で検査できますか?

A.小児でも自宅で呼吸状態を評価する検査が行われることはあります。ただし、成人用の簡易検査と同じ基準では判断できません。小児では扁桃肥大やアデノイド肥大などが原因になることも多く、必要に応じて小児の睡眠検査に対応した施設で評価します。

〜まとめ〜

睡眠時無呼吸症候群の検査は自宅から始められます。

睡眠時無呼吸症候群の検査には、自宅で行う簡易睡眠検査と、より詳しく調べる精密検査(PSG)があります。

自宅での簡易睡眠検査は、入院せずに普段の睡眠環境で検査できるため、仕事や家庭の都合で入院が難しい方にも受けやすい検査です。

一方で、簡易検査だけでは判断が難しい場合もあり、必要に応じてPSGを追加することが大切です。

「いびきがひどい」「寝ている間に呼吸が止まっている」「十分に寝ても疲れが取れない」

このような症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。

気になる症状があれば、まずは耳鼻咽喉科で相談してみましょう。

〜福岡市城南区/福岡市中央区/福岡市早良区で睡眠時無呼吸症候群の検査をご希望の方は「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」へ〜

福岡市城南区の「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」では、睡眠時無呼吸症候群の診療を行っています。

当院では、自宅で実施できる簡易睡眠検査に対応しており、検査結果に応じてCPAP療法による治療も行っています。

また、耳鼻咽喉科専門医として、睡眠時の呼吸に影響する鼻づまりや鼻・喉の状態についても診察しています。

睡眠時無呼吸症候群は、適切な検査と治療によって症状の改善が期待できる病気です。

いびきや睡眠中の無呼吸、日中の眠気などでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

〜参考文献〜

Kapur VK, et al. J Clin Sleep Med. 2017

Rosen IM, et al. J Clin Sleep Med. 2017

日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」

予約・お問い合わせ

当院では、待ち時間短縮のためLINEまたはWEBにて順番受付を行っております。初診の方もご利用いただけますので、以下のリンクよりご予約・お問い合わせの上ご来院ください。

予約・お問い合わせはこちら:なかの耳鼻科・美容皮ふ科 予約ページ

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2026年10月30日
鼻づまりに効く点鼻薬は?ステロイドと血管収縮薬の違い・使いすぎの危険性を耳鼻科医が解説

「鼻づまりがひどく、市販の点鼻薬が手放せない」

「点鼻薬を使うとすぐに鼻が通るけれど、数時間するとまた詰まってしまう」

「耳鼻科で処方されたステロイド点鼻薬は、すぐに効かない気がする」

このようなお悩みはありませんか?

実は、鼻づまりに使用する点鼻薬にはいくつかの種類があり、効果の現れ方や使用上の注意点が大きく異なります。

特に、市販の点鼻薬にも含まれる「血管収縮薬」は、即効性がある一方で、長期間使い続けると、かえって鼻づまりを悪化させてしまうことがあります。

この状態を「薬剤性鼻炎」と呼びます。

今回は、鼻づまりに使われる点鼻薬の違いや、薬剤性鼻炎が起こる仕組み、耳鼻咽喉科での治療方法について、わかりやすく解説します。

〜鼻づまりに効く点鼻薬にはどんな種類がある?〜

鼻づまりに使用する点鼻薬は、大きく分けると次のような種類があります。

種類主な作用特徴
ステロイド点鼻薬鼻粘膜の炎症を抑えるアレルギー性鼻炎の基本的な治療薬
血管収縮薬鼻粘膜の血管を収縮させる即効性があるが、使いすぎに注意
抗ヒスタミン点鼻薬アレルギー反応を抑えるくしゃみ・鼻水などを改善
生理食塩水スプレー鼻腔内の保湿・洗浄薬剤による血管収縮作用はない

この中で、特に違いを知っていただきたいのが、ステロイド点鼻薬と血管収縮薬です。

〜ステロイド点鼻薬と血管収縮薬は何が違う?〜

① ステロイド点鼻薬:鼻づまりの原因となる炎症を抑える

ステロイド点鼻薬は、鼻粘膜の炎症を抑えることで鼻づまりを改善する薬です。

アレルギー性鼻炎では、花粉やダニなどのアレルゲンによって鼻粘膜に炎症が起こり、粘膜が腫れることで鼻づまりが生じます。

ステロイド点鼻薬は、この炎症を抑えることで鼻づまりだけでなく、鼻水やくしゃみの改善にも効果が期待できます。

代表的な成分には、モメタゾン、フルチカゾンなどがあります。

ステロイド点鼻薬の特徴

・アレルギー性鼻炎に対して高い有効性がある

・効果は比較的緩やかに現れ、継続使用によって安定する

・医師の指示に従えば長期間使用できる

・血管収縮薬のような薬剤性鼻炎は通常起こさない

「ステロイド」という名前から副作用を心配される方もいますが、一般的な鼻噴霧用ステロイド薬は全身への移行が少なく(妊娠中にも使用可)、適切に使用すれば比較的安全性の高い薬です。

ただし、鼻出血や鼻の刺激感などが起こる場合があります。

② 血管収縮薬:短時間で鼻を通す薬

血管収縮薬は、鼻粘膜の血管を収縮させることで、腫れた鼻粘膜を一時的に小さくし、鼻づまりを改善する薬です。

代表的な成分には、ナファゾリン、オキシメタゾリン、トラマゾリンなどがあります。

点鼻後、数分程度で鼻が通りやすくなることがあり、即効性が特徴です。

しかし、血管収縮薬は鼻づまりの原因となるアレルギー性炎症などを根本的に改善する薬ではありません。

さらに、繰り返し使い続けると、薬の効果が切れた際に鼻づまりが悪化することがあります。

これが、薬剤性鼻炎につながる大きな問題です。

2種類の点鼻薬の違い

比較項目ステロイド点鼻薬血管収縮薬
主な作用炎症を抑える血管を収縮させる
即効性効果発現まで時間がかかることがある数分程度で効果が現れる
長期使用適切な管理下で可能原則として連用を避ける
薬剤性鼻炎通常起こさない長期連用で起こることがある
主な用途アレルギー性鼻炎など一時的な鼻づまりの緩和

つまり、ステロイド点鼻薬は炎症を抑えて鼻づまりを改善する薬、血管収縮薬は一時的に鼻を通す薬という違いがあります。

〜市販の点鼻薬を使いすぎるとどうなる?「薬剤性鼻炎」とは〜

市販の点鼻薬などの血管収縮薬入りの点鼻薬を使っている方の中で、当院にも下記の訴えで受診される方が度々いらっしゃいます。

「最初はよく効いていたのに、最近はすぐに鼻が詰まる」

「以前より点鼻する回数が増えている」

「点鼻薬がないと夜眠れない」

このような場合、薬剤性鼻炎(rhinitis medicamentosa)を起こしている可能性があります。

薬剤性鼻炎とは、主に血管収縮薬を長期間・頻回に使用することで、かえって鼻づまりが悪化する状態です。

・なぜ点鼻薬の使いすぎで鼻づまりが悪化するの?

血管収縮薬を使用すると、鼻粘膜の血管が収縮して鼻づまりが改善します。

しかし、繰り返し使用すると、薬の効果が弱くなったり、効果が切れた際に鼻粘膜が再び腫れたりすることがあります。

この現象には、血管の反応性の変化など複数の仕組みが関係すると考えられていますが、詳しいメカニズムは完全には解明されていません。

その結果、次のような悪循環に陥ります。

鼻づまりがつらい

↓

血管収縮薬を使用する

↓

一時的に鼻が通る

↓

薬の効果が切れると再び鼻が詰まる

↓

さらに点鼻薬を使用する

↓

鼻づまりが慢性化・悪化する

この状態が続くと、点鼻薬を使わないと鼻が通らないように感じることがあります。

ただし、これは一般的な意味での薬物依存症とは異なります。

・薬剤性鼻炎を疑う5つのサイン

次のような症状がある方は注意が必要です。

1. 市販の点鼻薬を毎日のように使用している

2. 点鼻薬の効果が以前より短くなった

3. 点鼻薬を使用する回数が増えている

4. 点鼻薬がないと鼻づまりが強くなる

5. 風邪や花粉症が落ち着いても鼻づまりが続いている

これらに当てはまる場合は、薬剤性鼻炎の可能性があります。

ただし、すべての市販点鼻薬で薬剤性鼻炎が起こるわけではありません。特に注意が必要なのは、血管収縮成分を含む点鼻薬です。

〜血管収縮薬は何日まで使ってよい?〜

血管収縮薬は、原則として短期間の使用にとどめることが重要です。

薬剤性鼻炎を避けるため、一般的には5-7日程度の短期使用が目安として示されることがあります。

ただし、連用可能な日数は製剤によって異なり、一定の日数を超えると必ず薬剤性鼻炎になるわけではありません。

大切なのは、製品の用法・用量を守り、鼻づまりが改善しないからといって自己判断で使い続けないことです。

数日使用しても鼻づまりが改善しない場合は、耳鼻咽喉科で原因を調べることをおすすめします。

〜薬剤性鼻炎は治る?耳鼻科での治療方法〜

薬剤性鼻炎は、原因となる血管収縮薬の使用を中止することで、多くの場合改善が期待できます。

しかし、長期間使用していた方では、急に中止すると一時的に鼻づまりが強くなり、つらく感じることがあります。

そのため、耳鼻咽喉科では鼻の状態や使用している点鼻薬、使用期間などを確認しながら治療を進めます。

① 原因となる血管収縮薬を中止する

治療の基本は、原因となっている血管収縮薬をやめることです。

原則として使用中止を目指しますが、長期間使用している場合は、患者さんの状態に応じて段階的に減量する方法を検討することもあります。

ただし、段階的な減量と一度に中止する方法のどちらが優れているかについて、十分な比較研究はありません。

② ステロイド点鼻薬を使用する

血管収縮薬の中止に伴う鼻づまりを軽減する目的で、ステロイド点鼻薬を使用することがあります。

ステロイド点鼻薬には鼻粘膜の炎症を抑える作用があり、薬剤性鼻炎の治療でも有用性が報告されています。

ただし、使用を開始してすぐに鼻づまりが完全に改善するとは限りません。

③ 元々の鼻づまりの原因を治療する

薬剤性鼻炎の患者さんでは、元々アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症などがあり、鼻づまりを改善するために血管収縮薬を使い始めたケースも少なくありません。

そのため、血管収縮薬を中止するだけでなく、元々の鼻づまりの原因を調べることが重要です。

例えば、アレルギー性鼻炎があればステロイド点鼻薬や抗アレルギー薬などを使用します。

また、鼻中隔弯曲症や下鼻甲介肥大など、鼻の構造的な問題がある場合には、それぞれに適した治療を検討します。

④ 薬剤性鼻炎はどのくらいで改善する?

薬剤性鼻炎は、原因となる点鼻薬を中止することで改善が期待できます。

軽度の場合は数日〜数週間で鼻づまりが軽減することがあります。しかし、長期間使用していた場合には、回復までさらに時間(年単位)がかかることや、根治不能になった例の報告もあります。

また、元々のアレルギー性鼻炎や鼻の構造的な問題が残っていると、薬剤性鼻炎が改善しても鼻づまりが完全にはなくならない場合があります。

「点鼻薬をやめても鼻づまりが治らない」という場合は、他の原因が隠れていないか確認することが大切です。

〜ステロイド点鼻薬を使っても鼻づまりが治らないのはなぜ?〜

ステロイド点鼻薬は、アレルギー性鼻炎による鼻づまりに有効ですが、すべての鼻づまりを改善できるわけではありません。

例えば、次のような原因がある場合には、点鼻薬だけでは十分な効果が得られないことがあります。

・鼻中隔弯曲症:左右の鼻を隔てる壁が曲がっている

・下鼻甲介肥大:鼻の中の粘膜や組織が大きくなっている

・慢性副鼻腔炎:副鼻腔に炎症が続いている

・鼻茸:鼻の中にポリープができている

・薬剤性鼻炎:血管収縮薬の長期使用によって鼻づまりが悪化している

また、ステロイド点鼻薬の使用方法が適切でない場合も、十分な効果が得られないことがあります。

耳鼻咽喉科では、鼻内視鏡検査などによって鼻づまりの原因を調べ、適切な治療を検討します。

アレルギー性鼻炎による鼻づまりが強く、薬物療法で十分に改善しない場合には、鼻粘膜焼灼術などが選択肢になることもあります。

ただし、鼻粘膜焼灼術はすべての鼻づまりに有効なわけではなく、適応を慎重に判断する必要があります。

〜よくある質問(Q&A)〜

Q. ステロイド点鼻薬は毎日使っても大丈夫ですか?

はい。アレルギー性鼻炎などでは、医師の指示に従って毎日使用することがあります。血管収縮薬のような薬剤性鼻炎は通常起こしません。ただし、鼻出血などの副作用には注意が必要です。

Q. 市販の点鼻薬を毎日使うと依存症になりますか?

血管収縮薬を含む点鼻薬では、連用によって反跳性鼻閉が生じ、点鼻薬を繰り返し使用する状態になることがあります。ただし、一般的な薬物依存症とは異なります。

Q. 薬剤性鼻炎は自然に治りますか?

原因となる血管収縮薬を中止することで、多くの場合改善が期待できます。ただし、鼻づまりが悪化することもあり、耳鼻咽喉科での治療が必要になる場合があります。

Q. ステロイド点鼻薬と血管収縮薬を一緒に使ってもよいですか?

医師の判断で短期間併用することはあります。ただし、血管収縮薬を長期間使い続けることは避ける必要があります。

Q. 点鼻薬の使いすぎで鼻の粘膜は元に戻らなくなりますか?

軽症の場合、原因となる点鼻薬を中止することで改善します。ただし、長期間使用している場合は回復に時間がかかることがあります。

Q. 鼻づまりがひどい場合、点鼻薬以外の治療はありますか?

鼻づまりの原因によっては、内服薬、鼻洗浄、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)、鼻粘膜焼灼術などが選択肢になります。鼻中隔弯曲症などの構造的な問題が強い場合には、手術を検討することもあります。

〜まとめ〜

鼻づまりの点鼻薬は正しく選ぶことが大切です。

鼻づまりに使われる点鼻薬には、炎症を抑えるステロイド点鼻薬と、一時的に鼻を通す血管収縮薬があります。

血管収縮薬は即効性がある一方、長期間使い続けると薬剤性鼻炎を引き起こし、かえって鼻づまりが悪化する可能性があります。

また、鼻づまりの原因はアレルギー性鼻炎だけでなく、鼻中隔弯曲症や慢性副鼻腔炎などさまざまです。

鼻づまりが長く続く場合や、市販の点鼻薬が手放せなくなっている場合は、自己判断で使い続けず、耳鼻咽喉科で原因を調べることが大切です。

〜福岡市城南区/福岡市中央区/福岡市早良区で鼻づまり・点鼻薬の使いすぎにお悩みなら「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」へ〜

なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、アレルギー性鼻炎や慢性的な鼻づまりに対して、鼻内の状態を確認し、原因に応じた治療をご提案しています。

特に、次のような方は一度ご相談ください。

・市販の点鼻薬を毎日のように使用している

・点鼻薬を使わないと鼻が通らない

・ステロイド点鼻薬を使用しても鼻づまりが改善しない

・長年、鼻づまりや口呼吸に悩んでいる

当院では、薬物療法だけでなく、必要に応じて鼻粘膜焼灼術などの治療も検討しています。

鼻づまりの原因を正しく見極め、一人ひとりの症状に合わせた治療を行うことを大切にしています。

〜予約・お問い合わせ〜

ご予約やお問い合わせは、こちらの予約ページ(LINEまたはWEB)よりご利用ください。

〜参考文献〜

Wise SK, et al. Int Forum Allergy Rhinol. 2023.

Graf P. Treat Respir Med. 2005.

Zucker SM, et al. Otolaryngol Head Neck Surg. 2019.

Seidman MD, et al. Otolaryngol Head Neck Surg. 2015.

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2026年10月28日
いびきはなぜ起こる?鼻づまりや睡眠時無呼吸との関係

「家族からいびきがうるさいと言われる」

「寝ているときに息が止まっていると言われた」

「朝起きても疲れが取れない」

このようなお悩みはありませんか?

いびきは、寝ている間に鼻からのどにかけての空気の通り道(上気道)が狭くなり、周囲の粘膜や軟らかい組織が振動することで生じます。

疲れているときや飲酒後などに一時的に起こることもありますが、毎晩のように大きないびきをかいている場合は、鼻やのどの病気、あるいは睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。

特に寒い季節は、風邪や鼻炎による鼻づまり、室内の乾燥などが重なり、いびきが気になる方もいらっしゃいます。

今回は、いびきの原因や治療法、耳鼻咽喉科で行う検査について詳しく解説します。

〜いびきが起こる仕組み〜

私たちが眠ると、舌やのどの周囲の筋肉が緩み、起きているときよりも空気の通り道が狭くなります。

その狭い部分を空気が通過すると、軟口蓋や口蓋垂、咽頭周囲の組織などが振動し、いびきが発生します。

いびきの原因となる狭窄部位は一つとは限りません。鼻、軟口蓋、扁桃、舌根など、複数の部位が関係することもあります。

また、仰向けで寝ると重力によって舌が後方へ移動し、気道が狭くなりやすくなります。

そのため、横向きで寝るといびきが軽くなる方もいます。

〜いびきの主な原因とは?〜

いびきにはさまざまな原因があります。特に耳鼻咽喉科で重要なのは、鼻やのどの構造的な問題です。

① 鼻づまり(アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎など)

鼻づまりは、いびきを悪化させる要因の一つです。

鼻の通りが悪くなると、鼻呼吸に必要な抵抗が増加し、口呼吸になりやすくなります。その結果、睡眠中の上気道が狭くなり、いびきが生じやすくなることがあります。

代表的な原因として、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、下鼻甲介肥大などがあります。

特に、次のような症状がある方は鼻の病気が関係しているかもしれません。

・普段から鼻が詰まっている

・寝ると鼻づまりが強くなる

・左右どちらかの鼻がいつも詰まっている

・花粉症やハウスダストアレルギーがある

鼻づまりの治療によって、いびきが軽減する場合があります。 ただし、鼻の治療だけで睡眠時無呼吸症候群が改善するとは限りません。

② 扁桃肥大・アデノイド肥大

口蓋扁桃やアデノイドが大きいと、空気の通り道が狭くなり、いびきの原因になります。

特に小児では、扁桃肥大やアデノイド肥大が睡眠時無呼吸の重要な原因となります。

お子さんに大きないびき、口呼吸、寝相の悪さ、睡眠中の呼吸停止などがある場合は注意が必要です。

③ 肥満・首周囲の脂肪

肥満によって舌や咽頭周囲に脂肪が蓄積すると、気道が狭くなりやすくなります。

特に首周囲の脂肪が多い方では、睡眠中に気道が閉塞しやすくなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。

④ 顎が小さい・下顎が後退している

日本人を含む東アジア人では、肥満がなくても顎顔面の骨格がいびきや睡眠時無呼吸に関係することがあります。

下顎が小さい方や後退している方では、舌が相対的に後方へ位置し、睡眠中に気道が狭くなりやすくなります。

そのため、痩せているから睡眠時無呼吸症候群にはならない、というわけではありません。

⑤ 加齢・飲酒・睡眠薬など

加齢に伴う筋緊張の変化や、就寝前の飲酒による上気道筋の弛緩も、いびきを悪化させる原因となります。

一部の睡眠薬や鎮静薬も睡眠中の呼吸に影響することがあるため、使用中の薬について診察時に確認することが重要です。

〜いびきと睡眠時無呼吸症候群(SAS)の違い〜

いびきがあるからといって、必ず睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。

しかし、大きないびきに加えて睡眠中の呼吸停止や日中の強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群を疑う必要があります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し停止したり、浅くなったりする病気です。

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では、睡眠中に上気道が部分的または完全に閉塞することで、低酸素血症や睡眠の分断が起こります。

このような症状はありませんか?

<いびき・睡眠の症状チェック>

・毎晩のように大きないびきをかく

・家族から呼吸が止まっていると言われる

・夜中に息苦しくて目が覚める

・朝起きても疲れが取れない

・日中に強い眠気がある

・起床時に頭痛や口の渇きがある

このチェックは診断用のスコアではありません。該当する症状がある場合、特に呼吸停止や強い日中の眠気がある場合は医療機関で相談しましょう。

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧、不整脈、心血管疾患、脳血管疾患などのリスクと関連することが知られています。

また、日中の眠気による集中力の低下や交通事故のリスクにも注意が必要です。

〜いびきの原因を調べるには?当院で行う診察・検査〜

いびきの原因は、鼻づまりや扁桃肥大などの耳鼻咽喉科疾患から、睡眠時無呼吸症候群までさまざまです。

なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、鼻やのどの診察に加え、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査にも対応しています。

① 鼻やのどの診察

まずは鼻づまりの有無や、扁桃肥大、咽頭の狭さなどを確認します。

必要に応じて鼻咽腔ファイバースコープを使用し、鼻腔から咽頭にかけての状態を詳しく観察します。

特に、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症、下鼻甲介肥大、扁桃肥大などがないかを確認し、いびきに関係する原因を調べます。

② 自宅でできる睡眠時無呼吸の簡易検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、自宅で行える簡易睡眠検査をご案内しています。

睡眠中に専用の機器を装着し、呼吸の状態や血液中の酸素飽和度などを測定します。

検査結果から、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりしていないかを評価します。

ただし、簡易検査だけでは診断が確定しない場合もあり、必要に応じて専門施設での精密検査(PSG検査)をご案内します。

③ 検査結果に応じた治療

当院では、睡眠時無呼吸症候群と診断された方に対して、CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)も行っています。

CPAP療法は、睡眠中に専用のマスクから空気を送り込むことで、気道が塞がるのを防ぐ治療です。

また、鼻づまりがあるとCPAPを快適に使用できない場合があります。

当院では耳鼻咽喉科として鼻の状態も確認し、必要に応じて鼻炎などの治療を併用することで、CPAP療法を継続しやすい状態を目指します。

※CPAP療法の適応は、睡眠検査の結果や症状、保険診療上の基準などを踏まえて判断します。

〜いびきの治療法にはどのようなものがある?〜

いびきの治療は、原因や睡眠時無呼吸の重症度によって異なります。

① 鼻づまりの治療

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などがある場合には、原因疾患に応じた治療を行います。

アレルギー性鼻炎ではステロイド点鼻薬や抗アレルギー薬、適応がある場合には舌下免疫療法などが選択肢となります。

鼻中隔弯曲症や下鼻甲介肥大などによって鼻閉が強い場合には、レーザー治療(当院でも可能です)や鼻中隔矯正術など(専門施設にご紹介いたします)の手術治療を検討することもあります。

② 生活習慣の改善

肥満がある方では減量が有効な場合があります。また、就寝前の飲酒を控えることや、仰向けでいびきが悪化する場合に横向きで寝ることも対策の一つです。

③ マウスピース(口腔内装置)

下顎を前方に移動させる口腔内装置によって、舌根周囲の気道を広げる治療です。

単純性いびきや、適応のある閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対して使用されます。歯科での作製や調整が必要です。

④ CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

中等症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群などに対して行われる代表的な治療です。

睡眠中に鼻や口に装着したマスクから空気を送り込み、気道が閉塞しないようにします。

CPAPは睡眠中の無呼吸や低呼吸を減らす効果が高い治療法ですが、継続的な使用が重要です。

また、鼻づまりがあるとCPAPの使用が難しくなることもあるため、鼻疾患を適切に治療することにも意味があります。

⑤ 手術治療

扁桃肥大やアデノイド肥大など、明らかな解剖学的狭窄がある場合には手術が検討されます。

成人でも病態に応じて咽頭手術などが選択肢となりますが、すべての患者さんに適応があるわけではありません。

手術の必要性は、狭窄部位、睡眠検査の結果、年齢、合併症などを総合して判断します。

〜子どものいびきにも注意が必要です〜

子どものいびきは、大人と原因や治療方針が異なる場合があります。

特に、アデノイド肥大や口蓋扁桃肥大は小児の閉塞性睡眠時無呼吸の代表的な原因です。

睡眠中の大きないびきや呼吸停止だけでなく、寝相の悪さ、夜尿、日中の落ち着きのなさ、集中力の低下などがみられることもあります。

お子さんが習慣的にいびきをかいている場合は、「成長すれば治るだろう」と自己判断せず、耳鼻咽喉科で相談することをおすすめします。

〜よくある質問〜

Q.いびきは耳鼻科と内科のどちらに相談すればよいですか?

A.鼻づまり、扁桃肥大、のどの狭さなどが疑われる場合は耳鼻咽喉科が適しています。睡眠時無呼吸症候群の診断や治療は、耳鼻咽喉科のほか、呼吸器内科や睡眠医療を専門とする医療機関でも行われています。

Q.鼻づまりを治せば、いびきも治りますか?

A.鼻づまりがいびきの主な原因であれば、治療によって軽減する可能性があります。ただし、舌根や咽頭の狭窄など複数の原因がある場合には、鼻の治療だけでは改善しないこともあります。

Q.痩せている人でも睡眠時無呼吸症候群になりますか?

A.はい。肥満がなくても、下顎が小さい、下顎が後退している、扁桃が大きいなどの理由で睡眠時無呼吸症候群になることがあります。

Q.いびきの治療に手術は必要ですか?

A.必ずしも必要ではありません。原因に応じて、薬物療法、生活習慣の改善、口腔内装置、CPAP療法などを検討します。手術は解剖学的な問題や重症度などを踏まえて判断します。

Q.いびきだけで、日中の眠気がなくても検査した方がよいですか?

A.日中の眠気がなくても睡眠時無呼吸症候群が存在することがあります。習慣的な大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘されている場合には、検査を検討する価値があります。

〜まとめ〜

いびきには治療できる原因が隠れていることもあります。

いびきは単なる寝ているときの音ではなく、鼻やのどの空気の通り道が狭くなっているサインかもしれません。

鼻づまり、扁桃肥大、肥満、顎の骨格など、原因は一人ひとり異なります。

また、いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていることもあります。

大切なのは、いびきを止めることだけではなく、なぜいびきが起こっているのかを調べ、原因に合った治療を選択することです。

〜福岡市城南区/福岡市中央区/福岡市早良区でいびき・睡眠時無呼吸症候群にお悩みなら「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」へ〜

いびきの原因には、鼻づまり、扁桃肥大、顎の骨格など、さまざまな要因が関係しています。

また、いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていることもあります。

なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、鼻やのどの診察から、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査、CPAP療法まで対応しています。

耳鼻咽喉科として鼻づまりや咽頭の状態を確認しながら、患者さん一人ひとりの原因や症状に合わせた治療をご提案しています。

「家族からいびきを指摘される」「寝ている間に呼吸が止まっていると言われた」「朝起きても疲れが取れない」「鼻づまりがあり、いびきも気になる」

このようなお悩みがある方は、福岡市城南区のなかの耳鼻科・美容皮ふ科へお気軽にご相談ください。

〜予約・お問い合わせ〜

ご予約やお問い合わせは、こちらの予約ページ(LINEまたはWEB)よりご利用ください。

〜参考文献〜

Kapur VK, et al. J Clin Sleep Med. 2017.

Ramar K, et al. J Clin Sleep Med. 2015;.

Mitchell RB, et al. Otolaryngol Head Neck Surg. 2019.

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2026年10月26日
寝ると鼻づまりがひどくなるのはなぜ?夜間の鼻づまりの原因と対策を耳鼻科専門医が解説

「昼間はそれほど鼻がつまらないのに、夜になると鼻づまりがひどくなる」

「布団に入って横になると、片方の鼻がつまる」

「鼻づまりで寝苦しく、夜中に何度も目が覚める」

このような症状でお悩みではありませんか?

実は、夜間や就寝時に鼻づまりが悪化することには、鼻の構造や自律神経、体位などが関係しています。

特に秋から冬にかけては、空気の乾燥や室内のハウスダストなどが影響し、鼻づまりを自覚しやすくなる方もいます。

今回は、寝ると鼻づまりが悪化する理由、考えられる病気、自宅でできる対策、耳鼻咽喉科での治療について解説します。

〜寝ると鼻づまりが悪化する4つの理由〜

① 横になることで鼻粘膜がうっ血する

鼻の内部には「下鼻甲介(かびこうかい)」という構造があり、表面は豊富な血管を含む粘膜で覆われています。

下鼻甲介は、吸い込んだ空気を温めたり、加湿したりする重要な働きをしています。

一方で、鼻粘膜の血管は自律神経の影響を受けて拡張・収縮するため、鼻の通りやすさも変化します。

立っているときと比べて、横になると体液や血液の分布が変化し、鼻粘膜の血液量が増えることで鼻腔が狭くなり、鼻づまりが悪化する場合があります。

つまり、寝ると鼻がつまるのは、必ずしも鼻水が増えるからではなく、鼻の粘膜が腫れることも大きな原因なのです。

② 「鼻周期」によって左右交互に鼻がつまる

実は、健康な人でも左右の鼻の通りやすさは常に同じではありません。

私たちの鼻には「鼻周期(nasal cycle)」と呼ばれる生理的な現象があります。

これは、自律神経の働きによって、左右の鼻粘膜が交互に腫れたり縮んだりする現象です。

数時間程度の周期で変化することが多いものの、個人差があり、必ずしも一定の時間で交代するわけではありません。

特に横向きに寝ると、下側になった鼻の通りが悪くなることがあります。

例えば、右側を下にして寝ると右の鼻がつまる、左側を下にすると左の鼻がつまる、といった症状です。

鼻周期自体は正常な生理現象ですが、アレルギー性鼻炎などで鼻粘膜が腫れていると、鼻周期による変化を強く感じやすくなります。

③ アレルギー性鼻炎が夜間の鼻づまりを悪化させる

夜間の鼻づまりで多い原因の一つが、アレルギー性鼻炎です。

特に注意したいのが、ダニやハウスダストによる通年性アレルギー性鼻炎です。

寝具にはダニ由来のアレルゲンが蓄積しやすく、就寝時に吸い込むことで鼻のアレルギー症状が悪化する場合があります。

また、アレルギー性鼻炎では、くしゃみや鼻水よりも鼻づまりが主体となる「鼻閉型」の患者さんもいます。

次のような症状があれば、アレルギー性鼻炎が関係している可能性があります。

・朝起きるとくしゃみや鼻水が多い

・布団に入ると鼻がつまる

・一年中鼻づまりがある

・鼻や目がかゆくなる

・家の掃除や寝具の交換時に症状が悪化する

④ 秋冬の乾燥や寒暖差による影響

秋から冬にかけては、外気温の低下や暖房による室内の乾燥が鼻の症状に影響します。

鼻の粘膜は、吸い込んだ空気を適切な温度と湿度に調整する役割を担っています。

しかし、乾燥した空気にさらされると、鼻粘膜の乾燥や刺激感、鼻汁の粘稠化などが起こり、鼻の不快感が増すことがあります。

また、急激な温度変化によって鼻水や鼻づまりが生じる「非アレルギー性鼻炎」が関与する場合もあります。

ただし、乾燥だけで鼻づまりが生じるとは限らず、アレルギー性鼻炎や鼻の構造的な問題が隠れていることもあります。

〜夜間の鼻づまりを引き起こす病気とは?〜

夜間の鼻づまりが続く場合には、単なる体位の影響だけでなく、鼻の病気が関係している可能性があります。

原因・病気特徴
アレルギー性鼻炎ダニ・ハウスダストなどで鼻粘膜が腫れる
非アレルギー性鼻炎温度変化や刺激などで鼻症状が生じる
鼻中隔弯曲症鼻の左右を隔てる壁が曲がり、片側がつまることが多い
下鼻甲介肥大下鼻甲介が腫大し、鼻の空気の通り道が狭くなる
慢性副鼻腔炎鼻づまりに加え、粘り気のある鼻水や嗅覚低下を伴うことがある
鼻茸(鼻ポリープ)鼻腔内にポリープができ、持続的な鼻閉を引き起こす

特に、片側だけの鼻づまりが持続する場合や、薬を使用しても改善しない場合には、鼻の構造的な異常や鼻腔内の病変を確認することが重要です。

まれですが、片側性の鼻閉に血性鼻汁や反復する鼻出血を伴う場合には、腫瘍性病変にも注意が必要です。

〜鼻づまりは、いびきや睡眠の質にも関係する?〜

鼻づまりは、単に息苦しいというだけでなく、睡眠にも影響することがあります。

・鼻づまりによって口呼吸が増える

鼻の通りが悪くなると、睡眠中に口呼吸が増える場合があります。

口呼吸では、口腔や咽頭が乾燥しやすくなり、起床時の喉の痛みや口の渇きにつながることがあります。

また、鼻腔抵抗の増加は、いびきや睡眠中の呼吸障害に関係することがあります。

・鼻づまりと睡眠時無呼吸症候群

鼻づまりが強い方では、睡眠の質が低下したり、いびきが増えたりすることがあります。

さらに、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の患者さんでは、鼻閉が呼吸のしづらさやCPAP治療の継続しにくさに関係することもあります。

ただし、睡眠時無呼吸症候群の主な閉塞部位は咽頭であり、鼻づまりだけが原因とは限りません。

鼻づまりを治療することで、睡眠の自覚症状やCPAPの使用しやすさが改善する場合がありますが、鼻の治療だけで睡眠時無呼吸症候群が治るとは限らない点には注意が必要です。

次のような症状がある場合には、鼻の診察だけでなく、睡眠時無呼吸症候群の評価も検討します。

・大きないびきをかく

・睡眠中に呼吸が止まっていると指摘される

・夜中に何度も目が覚める

・十分寝ても疲れが取れない

・日中に強い眠気がある

〜寝ると鼻がつまるとき、自宅でできる対策〜

夜間の鼻づまりを軽減するために、日常生活で工夫できることがあります。

① 寝室の湿度を適切に保つ

乾燥が強い場合には、加湿器などを使用して寝室の湿度を調整しましょう。

湿度40〜60%程度を一つの目安とし、過度な加湿による結露やカビの発生には注意してください。

② 寝具のダニ・ハウスダスト対策

アレルギー性鼻炎が疑われる場合には、寝具の管理が重要です。

シーツや枕カバーを定期的に洗濯し、寝具の清掃や防ダニカバーの使用などを検討しましょう。

ダニアレルゲンへの曝露を減らすことは有用ですが、環境整備だけですべての鼻症状が改善するわけではありません。

③ 頭を少し高くして寝る

横になることで鼻づまりが悪化する場合には、上半身を少し起こした姿勢で寝ると楽になることがあります。

ただし、効果には個人差があり、無理に枕を高くして首に負担をかけないようにしましょう。特に子供の場合は頭だけを高くしてしまうと首が過度に折れ曲がってしまい(顎が胸につくように)、気道がせなくなるため、窒息・呼吸困難の原因になってしまいますので注意しましょう。子供場合は、頭から背中にかけて傾斜をかけるようにして頭を高くしてあげると良いでしょう。

④ 生理食塩水による鼻洗浄(鼻うがい)

鼻洗浄は、鼻腔内の粘液やアレルゲンを洗い流し、鼻症状を軽減する補助的な方法です。

専用の鼻洗浄液や器具を使用し、適切な方法で行うことが大切です。

鼻洗浄に用いる水は、一度沸騰させて冷ました水を使用しましょう。

鼻洗浄の方法や鼻うがいの器具の選定については過去のブログをご参照ください。

⑤ 血管収縮薬入り点鼻薬の連用に注意!

鼻づまり用点鼻薬には、鼻粘膜の血管を収縮させ、一時的に鼻の通りを良くするものがあります(市販のものにも多く含まれています)。

即効性がある一方で、長期間繰り返し使用すると、かえって鼻づまりが悪化する「薬剤性鼻炎」を引き起こすことがあります。

毎晩のように点鼻薬を使用しなければ眠れない場合は、薬を追加するのではなく、耳鼻咽喉科で原因を調べることをおすすめします。

〜耳鼻咽喉科ではどのような検査・治療を行う?〜

夜間の鼻づまりが続く場合には、鼻の粘膜の状態と鼻腔の構造を確認し、原因に応じた治療を行います。

検査について

・鼻腔内の診察、鼻内視鏡検査

下鼻甲介の腫れ、鼻中隔の弯曲、鼻茸の有無、鼻汁の性状などを確認します。

・アレルギー検査

症状や診察所見に応じて、ダニ、ハウスダスト、花粉などに対するアレルギーの有無を調べます。

・副鼻腔の画像検査

慢性副鼻腔炎や鼻茸などが疑われる場合には、必要に応じてレントゲンやCTなどの画像検査を検討します。

・睡眠時無呼吸症候群の検査

いびきや無呼吸、日中の眠気などがある場合には、睡眠検査を検討します。

治療について

夜間の鼻づまりの治療は、原因によって異なります。

治療方法主な対象・目的
ステロイド点鼻薬アレルギー性鼻炎などによる鼻粘膜の炎症・腫脹を抑える
抗ヒスタミン薬アレルギー性鼻炎の症状(鼻汁、痒みなど)を軽減する
舌下免疫療法ダニ・スギ花粉によるアレルギー性鼻炎に対する長期的治療
下鼻甲介手術・鼻粘膜焼灼術薬物治療で改善しにくい鼻症状(特に鼻閉)に対して検討
鼻中隔矯正術など鼻の構造的な狭窄が強い場合に検討

特に鼻づまりが主体のアレルギー性鼻炎では、鼻粘膜の炎症を抑えるステロイド点鼻薬が重要な治療選択肢となります。

また、鼻中隔弯曲症や高度な下鼻甲介肥大など、構造的な問題が大きい場合には、薬だけでは十分な改善が得られないこともあります。

〜よくある質問〜

Q. 寝ると片方の鼻だけつまるのは病気ですか?

必ずしも病気とは限りません。鼻周期や横向きの姿勢によって、片側の鼻がつまることは健康な人でも起こります。ただし、常に同じ側がつまる場合には、鼻中隔弯曲症などが関係している可能性があります。

Q. 夜だけ鼻づまりがひどいのはアレルギーでしょうか?

アレルギー性鼻炎は原因の一つですが、それだけとは限りません。体位による鼻粘膜のうっ血、鼻周期、非アレルギー性鼻炎、鼻の構造的な問題なども考えられます。

Q. 鼻づまりを治せば、いびきも治りますか?

鼻づまりの改善によって、いびきが軽減する場合はあります。しかし、いびきには舌や軟口蓋、咽頭の構造なども関係するため、鼻の治療だけで完全に改善するとは限りません。

Q. 子どもが寝ると鼻づまりやいびきを起こす場合は?

小児では、アレルギー性鼻炎に加えて、アデノイド肥大や口蓋扁桃肥大が関係している場合があります。習慣的ないびきや口呼吸、睡眠中の無呼吸がある場合には、耳鼻咽喉科での評価をおすすめします。

Q. 寝る前に鼻づまりの点鼻薬を使ってもよいですか?

ステロイド点鼻薬と血管収縮薬入り点鼻薬では作用が異なります。ステロイド点鼻薬は継続使用によって炎症を抑える薬ですが、血管収縮薬入り点鼻薬は連用による薬剤性鼻炎に注意が必要です。使用する薬剤や使用期間について、医師・薬剤師に確認しましょう。

〜まとめ〜

夜間の鼻づまりには理由があります。

寝ると鼻づまりが悪化する背景には、横になることによる鼻粘膜のうっ血や、左右の鼻が交互につまる鼻周期など、正常な生理現象が関係していることがあります。

一方で、アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症、慢性副鼻腔炎など、治療が必要な病気が隠れている場合もあります。

特に、鼻づまりによって眠れない、口呼吸やいびきが続く、日中の眠気が強いといった場合には、睡眠への影響も考慮することが大切です。

「寝ると鼻がつまるのは仕方がない」と我慢せず、原因に応じた適切な治療を受けましょう。

〜福岡市城南区/福岡市早良区/福岡市中央区で、夜間の鼻づまり・いびきでお悩みなら「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」へ〜

当院では、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症など、さまざまな鼻づまりの原因を考慮し、患者さん一人ひとりの症状に合わせた診療を行っています。

鼻づまりは、日常生活だけでなく、睡眠の質にも影響する重要な症状です。

「夜になると鼻がつまる」「寝ると息苦しい」「鼻づまりといびきが気になる」といった症状がある方は、お気軽にご相談ください。

福岡市の「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」では、鼻の専門的な診療を通じて、快適な鼻呼吸と良質な睡眠をサポートします。

〜予約・お問い合わせ〜

ご予約やお問い合わせは、こちらの予約ページ(LINEまたはWEB)よりご利用ください。

〜参考文献〜

Camacho M, et al. Sleep. 2015.

Schoustra E, et al. Brain Sciences. 2022.

Nasal function and CPAP use in patients with obstructive sleep apnoea: a systematic review. 2021.

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2026年10月25日
アレルギー性鼻炎の薬が効かない原因とは?症状別の対処法と選び方

アレルギー性鼻炎の薬を飲んでいるのに、鼻水や鼻づまりが改善せずにお困りではありませんか。

この記事を読めば、ご自身の症状に合わせて、次に試すべき具体的な薬の成分や、点鼻薬の併用、舌下免疫療法といった治療の選択肢を判断できるようになります。

〜アレルギー性鼻炎の薬を飲んでも、つらい症状が改善しないと感じていませんか?〜

アレルギー性鼻炎の薬を服用しても効果が実感できない、あるいは以前は効いていたのに効かなくなったと感じる方は少なくありません。その原因は一つではなく、薬の種類が症状に合っていなかったり、使い方が適切でなかったり、アレルギー以外の病気が隠れていたりするなど様々です。

大切なのは、なぜ効かないのかという原因を正しく突き止め、ご自身の症状に合った対処法を見つけることです。

〜アレルギー性鼻炎の薬が効かないと感じる4つの主な原因〜

アレルギー性鼻炎の薬が効かないと感じる背景には、いくつかの理由が考えられます。症状と薬のミスマッチから、アレルギー以外の要因まで、主な4つの原因を解説します。

原因1:ご自身の症状タイプと薬の成分が合っていない可能性

アレルギー性鼻炎の症状は、主に「くしゃみ・鼻水」と「鼻づまり」に分けられます。これらは体内で症状を引き起こす原因物質が異なり、それぞれに有効な薬の成分も異なります。例えば、くしゃみや鼻水には「抗ヒスタミン薬」が効果的ですが、鼻づまりの主な原因である鼻粘膜の腫れ(炎症)に対しては、ヒスタミン以外の炎症性物質が関係しているため抗ヒスタミン薬の効果は限定的です。

ご自身の主な症状と、服用している薬の得意分野が合っていない可能性があります。

原因2:薬の効果を十分に引き出せていない間違った使い方

薬は正しく使って初めて十分な効果を発揮します。例えば、ステロイド点鼻薬は鼻の粘膜に直接薬剤を届けることが重要ですが、鼻の壁に向かって噴霧するなど使用方法を誤っていると効果が半減してしまいます。

また、一部の内服薬は食後に服用すると吸収が悪くなり、効果が弱まることがあります。自己判断で服用回数を減らしたり、症状が出た時だけ使ったりするのも効果を実感しにくい原因となります。

原因3:花粉飛散量の増加や生活習慣の乱れによる症状の悪化

薬を飲んでいても、アレルゲンである花粉やハウスダストの量が多ければ、薬の効果以上にアレルギー反応が強く出てしまい、症状を抑えきれなくなることがあります。特に、例年に比べて花粉の飛散量が極端に多い年は、普段の薬では効かないと感じやすくなります。

また、睡眠不足やストレス、アルコールの摂取は自律神経のバランスを乱し、アレルギー症状を悪化させる一因となります。

原因4:アレルギー以外の病気(副鼻腔炎など)を併発している

アレルギー性鼻炎による鼻粘膜の腫れが長引くと、鼻の奥にある副鼻腔という空洞に炎症が広がり、副鼻腔炎(ちくのう症)を併発することがあります。副鼻腔炎になると、黄色や緑色の粘り気のある鼻水、頬や額の痛み、頭重感といった症状が現れます。この状態では、アレルギーを抑える薬だけでは不十分で、細菌感染に対する治療などが必要になります。

アレルギー性鼻炎の薬を使っても改善しない場合は、他の病気の可能性も考える必要があります。

〜【要注意】市販の点鼻薬の使いすぎは「薬剤性鼻炎」を招き、鼻づまりを悪化させることも〜

つらい鼻づまりをすぐに解消したくて、市販の点鼻薬に頼っている方もいるかもしれません。しかし、特定の成分を含む点鼻薬を長期間使い続けると、かえって症状を悪化させる「薬剤性鼻炎」という状態に陥ることがあるため注意が必要です。

なぜ血管収縮剤を含む点鼻薬は長期間の使用が推奨されないのか

市販の点鼻薬の多くには、「血管収縮剤」という成分が含まれています。この成分は、鼻の粘膜の血管を強制的に収縮させることで、一時的に粘膜の腫れを引き、劇的に鼻の通りを良くします。しかし、連用すると薬の効果が切れた際にリバウンドで血管が拡張し、以前よりもひどい鼻づまりが起こるようになります。

その結果、さらに薬に頼ってしまう悪循環に陥り、最終的には常に鼻が詰まっている状態(薬剤性鼻炎)になってしまいます。眠気などの副作用とは異なり、依存のリスクがあるのです。

点鼻薬が手放せない状態になった場合の正しい対処法

もし血管収縮剤を含む点鼻薬が手放せない状態になっているなら、まずはその使用を中止することが治療の第一歩です。しかし、自己判断で急にやめると激しい鼻づまりに襲われるため、非常に困難を伴います。

そのため、医療機関で処方されるステロイド点鼻薬に切り替えながら、血管収縮剤から離脱する必要があります。薬剤性鼻炎は1日の使用頻度を守るだけでは防げず、他にも原因の鼻閉の原因がないかなども含めて、根本的な治療には耳鼻咽喉科医による専門的な介入が不可欠です。

〜薬の効果が実感できない時に試したい、症状別の見直し方〜

現在使用している薬で十分な効果が得られない場合、症状に合わせて薬の種類を見直すことで改善が期待できます。処方薬を含め、どのような選択肢があるのかを知っておきましょう。

鼻水・くしゃみが主症状なら抗ヒスタミン薬の種類を見直す

くしゃみやサラサラした鼻水が止まらない場合は、アレルギー反応の主役であるヒスタミンの働きを抑える「抗ヒスタミン薬」が治療の中心です。現在処方されている薬で効果が不十分な場合でも、別の成分の抗ヒスタミン薬に変更すると効果が見られることがあります。人によって薬との相性があるため、効き目が悪いと感じたら医師に相談し、処方薬の変更を検討するのが良いでしょう。

鼻づまりが特にひどい場合はステロイド点鼻薬の併用を検討する

アレルギー性鼻炎の薬を飲んでも鼻づまりだけが残る、というケースは非常に多く見られます。鼻づまりの主な原因は鼻粘膜の強い炎症であり、症状が強い場合はこれを抑えるには抗ヒスタミン薬の内服薬だけでは力不足なことが多いです。そこで効果的なのが「ステロイド点鼻薬」の併用です。

鼻の粘膜に直接作用して炎症を強力に抑えるため、鼻づまりの改善に高い効果を発揮します。全身への影響はほとんどなく、安全に使用できる薬です。

眠気の副作用に悩んでいる方が知っておきたい薬の選び方

アレルギー性鼻炎の薬の中には、眠気の副作用が出やすいものがあります。特に第2世代抗ヒスタミン薬の中でも、眠気の出やすさには差があります。もし眠気で仕事や勉強に集中できない場合は、医師に相談して眠気の出にくいとされる薬に変更してもらうことが可能です。

具体的には、フェキソフェナジン(アレグラ®︎)、ロラタジン(クラリチン®︎)、ビラスチン(ビラノア®︎)、デスロラタジン(デザレックス®︎)などは、眠気が少ないタイプの薬として知られています。

〜その飲み方、損していませんか?薬の効果を最大限に高める正しい服用法〜

薬の種類だけでなく、その使い方一つで効果の現れ方は大きく変わります。せっかく薬を飲むのであれば、その効果を最大限に引き出すためのポイントを知っておきましょう。

花粉シーズン前から服用を開始する「初期療法」の重要性

毎年、特定の季節に花粉症で悩まされる方には「初期療法」が非常に有効です。これは、花粉が本格的に飛散し始める約1-2週間前から、抗アレルギー薬の服用を開始する方法です。症状が出る前から薬を飲むことで、鼻の粘膜が過敏になるのを防ぎ、シーズン中の症状を軽く抑えることができます。

症状がひどくなってから慌てて薬を飲むよりも、結果的にシーズンを通して楽に過ごせるため、処方薬による計画的な治療が推奨されます。

薬の効果を高める正しい服用タイミングと生活習慣のポイント

薬の成分によっては、服用するタイミングが効果を左右することがあります。例えば、ビラスチン(ビラノア)という薬は、食事の影響で吸収率が下がってしまうため、空腹時(食前1時間または食後2時間)に服用する必要があります。

また、アルコールは血管を拡張させて鼻づまりを悪化させるため、薬を飲んでいる期間は飲酒を控えるのが賢明です。規則正しい生活を送り、体の免疫バランスを整えることも、薬の効果を助ける上で重要です。

〜飲み薬だけではない!薬物療法で改善しない場合の治療選択肢〜

内服薬や点鼻薬を適切に使用しても症状がコントロールできない重症のアレルギー性鼻炎に対しては、さらに進んだ治療の選択肢があります。薬が効かないからと諦める前に、以下の治療法も検討してみましょう。

・根本的な体質改善を目指す「舌下免疫療法」というアプローチ

舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)のエキスを毎日少量ずつ舌の下に投与することで、体をアレルゲンに慣れさせ、アレルギー反応そのものを起こしにくくする治療法です。治療には3年以上の期間が必要ですが、成功すればアレルギー薬を減らしたり、不要にしたりすることが期待できます。現在、日本ではスギ花粉とダニが原因のアレルギー性鼻炎に対して保険適用となっています。

・頑固な鼻づまりを解消する「鼻粘膜焼灼術(レーザー治療)」

薬を飲んでも改善しない頑固な鼻づまりには、レーザー治療(鼻粘膜焼灼術)が有効な選択肢となります。これは、アレルギー反応の主戦場となる鼻の粘膜(下鼻甲介)をレーザーで焼灼し、粘膜を変性・収縮させる治療法です。これにより、鼻の通りが良くなり、アレルギー反応も起きにくくなります。また、鼻汁・くしゃみにも効果は期待できます。

治療は外来で短時間で行うことができ、特に鼻づまりの症状が強い方におすすめです。ただし、効果は永続的ではなく、個人差がありますが1〜3年程度で元に戻ることがあります。

・重症のスギ花粉症に有効な注射治療「抗IgE抗体療法(ゾレア)」

既存の治療法では効果が不十分な重症・最重症のスギ花粉症の方には、抗IgE抗体療法(ゾレア)という注射による治療があります。この薬は、アレルギー反応の引き金となるIgEという物質に直接結合し、その働きをブロックすることで、花粉症の症状を強力に抑制します。治療費が高額になるという側面はありますが、つらい症状から解放される効果が期待できる治療法です。

〜セルフケアで改善しない場合は耳鼻咽喉科へ。受診を判断するべきサインとは〜

アレルギー性鼻炎は身近な病気ですが、症状が長引いたり悪化したりする場合は、専門家である耳鼻咽喉科の受診が重要です。特に、市販薬を1週間以上使用しても症状が改善しない場合や、黄色い鼻水、頬の痛みなど副鼻腔炎が疑われるサインがあるときは、早めに相談しましょう。また、鼻づまりで夜眠れない、仕事や学業に集中できないなど、日常生活に支障が出ている場合も、より効果的な治療法を提案できるため、受診の目安となります。

自己判断で悩まず、専門医に正確な診断を仰ぐことが解決への近道です。

〜アレルギー性鼻炎の薬が効かない時によくある質問〜

ここでは、アレルギー性鼻炎の薬に関するよくある質問にお答えします。

Q. アレルギー性鼻炎の薬が効かなくなった場合、次にどの市販薬を試せばよいですか?

薬が効かない原因は様々で、副鼻腔炎など他の病気の可能性もあるため、自己判断で別の市販薬を試すより耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。専門医が鼻の中を直接確認し、症状に合った最適な薬を処方する、あるいは他の治療法を提案することが、根本的な解決につながります。

Q. 同じアレルギー性鼻炎の薬を長期間飲み続けると、耐性ができて効かなくなりますか?

現在広く使われている第2世代抗ヒスタミン薬では、飲み続けることで耐性ができて効かなくなるということは基本的にありません。むしろ花粉シーズン中は継続して服用することが推奨されています。効き目が悪くなったと感じる場合は、その年の花粉飛散量が例年より多い、体調の変化、あるいは別の病気(副鼻腔炎など)の併存など、薬以外の要因が影響している可能性があります。

Q. 薬を飲んでも鼻づまりだけが改善しません。特に夜眠れない時の良い対処法はありますか?

鼻づまりの症状には、鼻粘膜の炎症を直接抑えるステロイド点鼻薬の併用が有効です。内服薬だけでは抑えきれない鼻粘膜の腫れを強力に鎮める効果があります。また、特に夜眠れない時は、就寝時の姿勢を少し頭が高くなるよう枕で調整したり、部屋の加湿を行うことで鼻粘膜の乾燥や充血を防ぎ、通りを良くすることができます。セルフケアと併せて医師に相談し、適切な点鼻薬を処方してもらうと良いでしょう。

〜「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」のアレルギー治療〜

当院は、専門性の高い治療と患者さんに寄り添う丁寧なコミュニケーションを大切にしています。つらいアレルギー症状にお悩みの方が、安心して治療を続けられる環境が整っています。

専門医による正確な診断と幅広い治療選択肢の提示

耳鼻咽喉科専門医が、鼻や喉の観察だけではなく、必要に応じてアレルギー検査や、ファイバースコープを用いて鼻の奥の状態まで詳細に観察したり、レントゲンを追加したりして、症状の根本原因を正確に診断します。その上で、内服薬や点鼻薬による治療はもちろん、レーザー治療、根本的な体質改善を目指す舌下免疫療法、重症の方向けの注射による治療まで、患者さんの症状やライフスタイルに合わせた幅広い治療の選択肢をご提案できます。

薬が効かない原因を特定し、一人ひとりに合った治療をご提案します

アレルギー性鼻炎の薬が効かないと一言でいっても、その背景には様々な原因が隠されています。なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、患者さん一人ひとりのお話を丁寧に伺い、専門的な検査を通じてその原因を正確に突き止めます。そして、薬の種類の見直しから、レーザー治療や舌下免疫療法といった根本的な治療まで、幅広い選択肢の中から最適な治療計画を一緒に考えていきます。

特に、アレルギー症状の根本改善を目指す「舌下免疫療法」に力を入れており、これまで多くの患者さんへ導入実績があります。

〜WEB予約システムで通院しやすく、継続的なサポート体制〜

患者さんの貴重な時間を大切にするため、WEB予約システムを導入しており、スマートフォンやパソコンから事前に予約することで、院内での待ち時間を最小限に抑えることが可能です。アレルギー治療は継続が重要だからこそ、通院しやすい環境を整え、患者さんが安心して治療のゴールを目指せるよう、最後までしっかりと伴走します。

予約・お問い合わせ

当院では、待ち時間短縮のためLINEまたはWEBにて順番受付を行っております。初診の方もご利用いただけますので、以下のリンクよりご予約・お問い合わせの上ご来院ください。

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2026年10月23日
耳垢栓塞の症状と治療法〜耳鼻科での除去と正しい耳掃除の頻度〜

急に耳が聞こえにくくなったり、水が入ったような耳の詰まり感が続いたりして、不安に感じていませんか。

この記事では、その不調の原因かもしれない「耳垢栓塞」について、ご自身で症状を確認する方法から、耳鼻咽喉科での安全な治療・除去方法、再発させないための正しい耳掃除の頻度までを詳しく解説します。

〜耳垢栓塞とは?耳の穴に耳垢が完全に詰まってしまう状態〜

耳垢栓塞とは、耳垢が耳の穴に完全に詰まってしまい、栓をしたような状態になる病気です。通常、耳垢は自然に耳の外へ排出されますが、何らかの原因で耳の奥に溜まり、硬く固まってしまうことで発症します。特に、不適切な耳掃除によって耳垢を奥に押し込んでしまうことが大きな原因の一つです。

耳垢の詰まりによって、聞こえにくさや耳の閉塞感といった症状が引き起こされます。

・耳垢には乾いた「乾性耳垢」と湿った「湿性耳垢」の2種類がある

耳垢には、個人の体質によって大きく2つのタイプがあります。一つは、乾燥してカサカサした「乾性耳垢(かんせいじこう)」です。もう一つは、湿り気があり粘り気の強い、いわゆるアメ耳と呼ばれる「湿性耳垢(しっせいじこう)」です。

この違いは遺伝によって決まるもので、湿性耳垢は乾性耳垢に比べて耳の穴に付着しやすく、溜まりやすい特徴があります。

・日本人の多くは乾性耳垢で、自然に排出されやすい

日本人の約7〜8割は、カサカサとした乾性耳垢であると言われています。乾性耳垢は、皮膚が鼓膜側から外耳道入り口方向に移動する「epithelial migration/上皮遊走」という作用や、顎の動きなどに伴って自然と耳の入り口の方へ移動し剥がれ落ちていく、「自浄作用」が働くため、本来は頻繁な耳掃除を必要としません。過度な耳掃除は、この自浄作用を妨げ、かえって耳垢を奥に押し込んでしまう可能性があります。

〜これって耳垢栓塞?セルフチェックしたい主な症状〜

耳垢栓塞になると、耳の中に栓がされたような状態になるため、特有の症状が現れます。自分で判断するのは難しいですが、以下のような症状に心当たりがないか確認してみてください。これらの症状は、耳垢栓塞を判断する上での重要なサインとなります。

・急な難聴や耳がこもるような詰まり感(耳閉感)

耳垢栓塞の最も代表的な症状は、突然の難聴や耳の詰まり感(耳閉感)です。特に、シャワーやお風呂、プールなどで耳に水が入ったことをきっかけに、耳垢が水分を吸って膨張し、急に耳が聞こえにくい状態になることがよくあります。音がこもって聞こえる、膜が張ったような圧迫感を感じるのも特徴です。

・キーン、ジーといった耳鳴りがする

耳垢の塊が鼓膜の近くを圧迫したり、外からの音が遮断されることで、脳が音を聞こうと感度を上げたりすることで、「キーン」や「ジー」といった耳鳴りが生じることがあります。難聴や耳閉感と同時に耳鳴りが気になる場合は、耳垢栓塞の可能性も考えられます。

・自分の声が頭に響くように聞こえる(自声強聴)

耳垢で外耳道が完全に塞がれると、音が届きにくくなる伝音難聴の状態が生じます。このとき、自分の発した声や呼吸音が骨を伝わって直接耳に響く「自声強聴」が起こり、自分の声が頭の中で大きく響く・割れて聞こえるといった違和感を自覚します。なお、自声強聴は耳管が開いたままになる「耳管開放症」でも見られる症状ですが、耳垢栓塞の場合は耳垢を取り除くことで速やかに改善するのが特徴です。

〜耳垢栓塞を招く主な原因|良かれと思った耳掃除が逆効果になることも〜

耳垢栓塞は、日常生活の中の些細な習慣が原因で引き起こされることが少なくありません。特に良かれと思って行っている耳掃除が、かえって症状を悪化させる最大の理由となる場合があります。なぜ耳垢が詰まりやすくなるのか、その主な原因を理解することが予防の第一歩です。

・綿棒や耳かきで耳垢を奥に押し込んでしまう

耳垢栓塞の最も多い原因は、不適切な耳掃除です。綿棒や耳かきを耳の奥まで入れると、耳垢を外にかき出すどころか、逆に奥へ奥へと押し込んでしまいます。これを繰り返すことで、耳垢が圧縮されて硬い塊となり、外耳道を塞いでしまうのです。

・お風呂やプールで耳に水が入り耳垢が膨らむ

もともと耳の奥に溜まっていた乾燥した耳垢は、お風呂やシャワー、水泳などで水分を吸収すると、まるでスポンジのように膨張します。それまで隙間があった外耳道が、膨らんだ耳垢によって完全に塞がれてしまい、突然聞こえなくなるという症状を引き起こします。

・補聴器やイヤホンの日常的な使用で耳垢が溜まりやすくなる

補聴器やイヤホン、耳栓などを日常的に使用していると、耳の穴が塞がれる時間が長くなります。これにより、耳垢が自然に排出されるのを物理的に妨げてしまい、耳の奥に溜まりやすくなります。器具を出し入れする際に、耳垢を奥に押し込んでしまうことも一因です。

・加齢に伴い耳の自浄作用が低下する

高齢になると、皮膚の新陳代謝が衰えるため、外耳道の皮膚が乾燥し、耳垢を自然に外へ送り出す自浄作用が低下します。そのため、耳垢が剥がれ落ちにくく、外耳道に蓄積しやすくなります。これも高齢者に耳垢栓塞が多く見られる理由の一つです。

〜耳鼻咽喉科で行う耳垢栓塞の治療法|無理せず専門医に相談を〜

耳垢栓塞の症状がある場合、自分で無理に取ろうとするのは危険です。耳鼻咽喉科では、専門の医師が安全かつ確実に耳垢を除去するための治療を行います。痛みを伴うことは少なく、多くは短時間で処置が完了しますので、安心して受診してください。専門医による処置は、最も安全な治し方です。

・専用の器具や吸引器を用いた安全な耳垢の除去

耳鼻咽喉科では、耳垢鉗子や耳垢鈎といった専用の器具を使い、耳垢を安全に取り除きます。また、医療用の吸引器を用いて、耳垢を吸い出す処置も行われます。

これらの方法は、医師が耳の中を直接見ながら行うため、鼓膜や外耳道を傷つけるリスクが低いのが特徴です。場合によっては、ぬるま湯で洗い流す「耳洗浄」を行うこともあります。

・固まった耳垢をふやかす点耳薬を使った処置

耳垢が長期間にわたって蓄積し、石のように硬くなってしまっている場合は、無理に剥がそうとはしません。まず、耳垢を柔らかくする点耳薬を処方します。この薬を数日間、自宅で耳の中に垂らしてもらい、硬い耳垢を十分にふやかしてから、後日改めて来院していただき、安全に除去する処置を行います。

・顕微鏡や内視鏡で耳の奥を観察しながら丁寧に取り除く

耳鼻咽喉科の医師は、処置を行う際に必要に応じて顕微鏡を使用します。これにより、耳の奥深くや鼓膜の状態を拡大して鮮明に確認しながら、丁寧かつ安全に耳垢の除去を行うことが可能です。自分で見えない部分を無理に触るのとは異なり、鼓膜などの重要な組織を傷つけることなく、安全性の高い処置ができます。

〜耳垢栓塞を繰り返さないために|正しい耳掃除の方法〜

一度耳垢栓塞の治療を受けても、誤った耳掃除の習慣を続けていると、再び繰り返す可能性があります。

耳の健康を守るためには、正しい耳掃除の頻度と方法を知っておくことが非常に重要です。

やりすぎは禁物であり、適切なケアを心がけましょう。

・耳掃除は基本的に不要!気になるときに優しくケア

耳には自浄作用があるため、耳掃除は基本的に必要ありません。気になるときは、耳の入り口から1cm程度の目で見える範囲を、綿棒やティッシュで優しく拭う程度にとどめましょう。毎日や週に何度も行う必要はなく、むしろやりすぎは耳のトラブルの原因になります。耳のつまりや聞こえにくさの詳しい原因については、耳の症状・疾患ページも併せてご確認ください。

・お風呂上がりの毎日の綿棒は外耳炎のリスクを高めるため避ける

お風呂上がりに毎日綿棒で耳の奥を掃除する習慣がある方もいますが、これは避けるべきです。頻繁な耳掃除は、耳の皮膚を守っている皮脂を取り過ぎてしまい、外耳道を乾燥させ、かえって炎症を引き起こすリスクを高めます。

〜お子さんや高齢者に耳垢栓塞が多い理由とご家族が気づくポイント〜

耳垢栓塞は、年齢を問わず誰にでも起こり得ますが、特にお子さんと高齢者は注意が必要です。それぞれの年代で耳垢が詰まりやすい理由があり、ご本人が症状をうまく伝えられない場合も多いため、ご家族が変化に気づいてあげることが大切になります。

・子供の耳垢栓塞:耳の穴が狭く、中耳炎などの病気との見極めも必要

子供は大人に比べて耳の穴(外耳道)が狭く、新陳代謝が活発なため耳垢が溜まりやすい傾向があります。また、自分で「聞こえにくい」といった症状を正確に訴えることが難しいため、ご家族が「呼びかけへの反応が悪い」「テレビの音を大きくする」といった変化に気づくことが重要です。難聴の原因が中耳炎など他の病気の可能性もあるため、気になる場合は耳鼻科での正確な診断が必要です。

・高齢者の耳垢栓塞:皮膚の乾燥や自浄作用の低下が影響

高齢になると、加齢によって耳の自浄作用が低下し、さらに皮膚の乾燥が進むことで耳垢が硬く、剥がれにくくなります。これにより、耳垢が外耳道に蓄積しやすくなります。また、補聴器の使用も耳垢の排出を妨げる一因です。

ご家族が会話中に聞き返しが増えたと感じた場合は、難聴だけでなく耳垢栓塞の影響も考えられます。

〜耳垢栓塞に関するよくあるご質問〜

ここでは、耳垢栓塞に関して患者さんからよく寄せられる質問についてお答えします。

Q. 耳掃除をしてもらうためだけに耳鼻科へ行ってもよいのでしょうか?

はい!!もちろん大丈夫です!

安全な耳掃除は専門知識を要する医療行為であり、ご自身で無理に行うよりも耳鼻咽喉科で処置を受ける方がはるかに安全です。また、他の病気が隠れていないかを確認する良い機会にもなりますので、耳掃除だけでも遠慮なくご来院ください。

Q. 耳垢栓塞の除去は痛いですか?治療にはどのくらいの時間がかかりますか?

耳垢の除去は、通常ほとんど痛みを伴いません。耳垢が非常に硬い場合でも、専用の薬で柔らかくしてから処置するため、無理に剥がすことはありません。処置にかかる時間は耳垢の状態によりますが、数分で終わることがほとんどです。

ただし、耳垢をふやかす点耳薬が必要な場合は、複数回の通院が必要になることもあります。

Q. 子供の耳垢が湿っているタイプですが、自宅での耳掃除はどうすればよいですか?

湿性耳垢は粘り気が強く詰まりやすいため、ご自宅で無理に取ろうとせず、定期的に耳鼻咽喉科で除去してもらうのが最も安全です。ご自宅でケアする場合は、耳の入り口付近に出てきたものを綿棒で優しく拭う程度にとどめ、決して奥まで入れないようにしてください。

〜まとめ〜

耳垢栓塞は、急な難聴や耳の詰まり感を引き起こす病気ですが、その多くは不適切な耳掃除が原因です。綿棒などで耳の奥を掃除する習慣は、かえって耳垢を押し込み、症状を悪化させるリスクがあります。もし耳垢栓塞が疑われる症状があれば、自分で解決しようとせず、速やかに耳鼻咽喉科を受診することが最も安全で確実な方法です。

また、再発を防ぐためには、無理な耳掃除を避け、気になるときに耳の入り口を優しく拭う程度の正しいケアを心がけましょう。

〜福岡市城南区・中央区・早良区で耳垢栓塞にお悩みなら「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」へ〜

急な耳の詰まりや聞こえにくさでお悩みではありませんか。福岡市城南区の「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」では、耳鼻咽喉科の専門医が、耳垢栓塞の診断から安全な除去まで丁寧に対応いたします。「耳掃除だけで受診してもいいのかな?」とためらう必要はありません。

お子さまからご高齢の方まで、耳のことで気になる症状があれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

・耳鼻咽喉科専門医が耳の奥までしっかり観察し、安全に処置します

顕微鏡や内視鏡といった専門設備を用いて、肉眼では見えない耳の奥までしっかりと観察し、鼓膜や外耳道を傷つけることなく安全に処置を行います。お一人おひとりの耳の状態に合わせて、最適な方法で治療を進めます。

・お子さまからご高齢の方まで、ご家族で安心して受診できる体制です

当院は、言葉で症状をうまく伝えられない小さなお子さんから、ご高齢の方まで、幅広い年代の患者さんに安心して受診していただけるクリニックを目指しています。ご家族皆さまの耳・鼻・のどの健康をサポートしますので、気になることがあればいつでもご相談ください。

・WEB予約システムで待ち時間を短縮し、通院しやすい環境を整えています

患者さんの貴重な時間を大切にするため、WEB予約システムを導入しています。スマートフォンやパソコンから事前に順番受付をすることで、院内での待ち時間を最小限に抑え、スムーズに診察を受けていただくことが可能です。お忙しい方でも安心してご来院ください。

〜予約・お問い合わせ〜

ご予約やお問い合わせは、こちらの予約ページ(LINEまたはWEB)よりご利用ください。

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2026年10月21日
インフルエンザワクチンはいつ打つ?接種時期と注射・フルミストの違い

今年(2026年度)は例年よりも早くインフルエンザが流行しています。

インフルエンザの流行シーズンが近づくと、患者さんからよくいただく質問があります。

「インフルエンザワクチンはいつ打つのがいい?」

「10月に接種すると効果が早く切れてしまう?」

「注射とフルミスト(鼻に噴霧するワクチン)はどちらがいい?」

インフルエンザワクチンは、接種する時期だけでなく、年齢や健康状態、ワクチンの種類によっても選び方が異なります。

今回は、インフルエンザワクチンの適切な接種時期、効果が現れるまでの期間、注射とフルミストの違いについて、医学的な根拠をもとにわかりやすく解説します。

〜インフルエンザワクチンはいつ打つのがよい?〜

一般的には、10月〜11月に接種を済ませておくことをおすすめします。

日本では例年、冬にインフルエンザの流行が大きくなりますが、2026年度のように近年は流行開始が早まったり、季節外れの流行がみられたりすることもあります。

ワクチン接種後、十分な免疫応答が得られるまでには一般に約2週間かかるため、流行が本格化する前に接種しておくことが重要です。

一般的な接種時期の考え方について表にまとめましたので、今後の参考にしてみてください。

接種時期考え方
9月早期流行への備え。ただし接種可能時期は医療機関・製剤による
(製剤が医療機関に届いていないことが多い)
10月おすすめの接種時期
(ほぼどの医療機関にも製剤あることが多い)
11月おすすめの接種時期
12月未接種であれば流行状況に応じて検討
1月以降流行が続いていれば接種の意義がある場合も
(医療機関によっては接種終了していることも多い)

特に、13歳未満のお子さんで注射ワクチンを2回接種する場合は、接種間隔も考慮して早めに予定を立てましょう。

〜10月に接種すると、春まで効果が続かない?〜

インフルエンザワクチンによる免疫は時間とともに低下します。

ただし、10月に接種すると冬の途中で必ず効果がなくなる、というわけではありません。

接種後の抗体応答は一般に約2週間で得られ、その後数か月にわたって一定の予防効果が期待されます。

効果の持続期間には年齢、免疫状態、流行株との適合性などが影響します。特に高齢者では時間経過による予防効果の低下が問題になることがあります。

そのため、春までの効果を期待して意図的に接種を遅らせるよりも、地域の流行状況に合わせて早めに備えることが大切です。

〜注射ワクチンとフルミストの違い〜

日本では、従来の注射による不活化インフルエンザワクチンに加え、鼻に噴霧する弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト®︎」が使用されています。

従来からの注射ワクチンとフルミスト®︎(点鼻ワクチン)の違いについて簡単にまとめておりますので、接種を検討する際に参考にされてください。

項目注射ワクチンフルミスト®︎
ワクチンの種類不活化ワクチン弱毒生ワクチン
接種方法皮下注射(日本国内の主流)
筋肉注射(海外の主流)
両鼻腔に噴霧
国内の対象年齢生後6か月以上2歳以上19歳未満
接種回数13歳未満は原則2回
13歳以上は原則1回
1回
主な副反応接種部位の痛み・腫れ、発熱など鼻水・鼻づまり、発熱など
特徴幅広い年齢層に使用可能針を使わず接種できる
注意点重篤なアレルギー歴など免疫不全、妊娠、喘息などで注意・禁忌がある

フルミストは鼻の粘膜で免疫応答を誘導するという特徴があります。一方、注射ワクチンは血中抗体を中心とした免疫応答を誘導します。

どちらが優れているかは一概には言えず、年齢や基礎疾患、流行株などによって効果が異なります。

〜フルミストはどんな子どもにおすすめ?〜

フルミストは、注射が苦手なお子さんや、1回で接種を終えたいご家庭にとって選択肢になります。

ただし、すべてのお子さんに適しているわけではありません。

特に、以下の場合は接種前に医師による確認が必要です。

・喘息の治療中、または喘鳴を繰り返している

・免疫機能に異常がある、免疫抑制治療を受けている

・妊娠している

・特定の薬剤を使用している

・強い鼻づまりがある

フルミストの国内添付文書では、妊娠中や免疫機能に異常がある方などは禁忌とされており、喘息のある方には慎重な判断が必要です。

また、鼻づまりが強い場合はワクチンが鼻粘膜に十分届かない可能性があるため、接種時期の変更や注射ワクチンを検討することがあります。

〜インフルエンザワクチンは毎年接種した方がよい?〜

基本的には、毎年の接種が推奨されます。

その理由は、インフルエンザウイルスが変化することと、ワクチンによる免疫が時間とともに低下することです。

ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、発症や重症化、入院のリスクを減らす効果が期待できます。2025〜2026年シーズンの米国の暫定的な評価でも、ワクチン接種による一定の予防効果が報告されています。

〜よくある質問〜

Q. インフルエンザワクチンは12月に打っても遅くありませんか?

遅すぎるとは限りません。流行が続いている場合、12月以降でも接種する意義があります。ただし、免疫が得られるまでの時間を考えると、早めの接種が望ましいでしょう。

Q. 注射ワクチンとフルミストで免疫ができるまでの期間は違いますか?

どちらも接種後おおむね2週間を目安に免疫応答が得られます。ただし、免疫の仕組みや個人差があり、厳密に同じタイミングで同等の防御効果が完成するわけではありません。

Q. 昨年インフルエンザにかかった場合もワクチンは必要ですか?

接種を検討する意義があります。インフルエンザには複数の型や株があり、前年の感染だけで翌シーズンの十分な予防効果が得られるとは限りません。実際に当院でも1シーズンに複数回インフルエンザに罹患した方も何人もおられます。

Q. ワクチン接種後にインフルエンザにかかることはありますか?

あります。ワクチンは感染・発症を100%防ぐものではありませんが、重症化予防という重要な役割があります。

Q. インフルエンザにかかった直後でもワクチンを接種できますか?

急性期の症状が回復し、全身状態が安定してから接種を検討します。インフルエンザに感染したこと自体を理由に、すべての方で一律の長期間の接種間隔を設ける必要はありません。

しかし、インフルエンザの治療で用いた薬剤によってはワクチン接種までの間隔を一定期間空ける必要があります。過去のブログで案内しておりますので、インフルエンザになった後、ワクチンはいつ打てる?をご参照ください。

〜まとめ〜

接種時期とワクチンの種類を適切に選びましょう!

インフルエンザワクチンは、一般的には流行が本格化する前の10〜11月に接種することが一つの目安です。

注射ワクチンは幅広い年齢層に使用でき、フルミストは2歳以上19歳未満の方に使用できる針を使わないワクチンです。

どちらにも特徴があり、年齢や基礎疾患、接種歴などを踏まえて選択することが大切です。

〜福岡市城南区/福岡市中央区/福岡市早良区でインフルエンザワクチン接種をご希望の方へ〜

なかの耳鼻科・美容皮ふ科では、注射によるインフルエンザワクチンと、点鼻ワクチン「フルミスト®︎」に対応しています。フルミスト®︎が日本に導入された当初からの使用経験があり、患者さんに合わせて柔軟に対応しております。

接種時期やワクチンの選択についても、耳鼻咽喉科専門医がご相談に応じています。 福岡市城南区・鳥飼・別府・茶山・七隈周辺、福岡市中央区、福岡市早良区でインフルエンザ予防接種をご検討の方は、ホームページまたは公式LINEからWeb予約をご利用ください。

ワクチンの在庫や予約枠は時期によって異なりますので、最新の案内をご確認ください。

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2026年10月19日
溶連菌と扁桃炎の違いは?症状・検査・治療を耳鼻科医が解説

「のどが痛くて熱が出たけれど、溶連菌?それとも扁桃炎?」

「扁桃腺に白い膿がついていると言われたけれど、溶連菌なの?」

「溶連菌と診断されたら、抗生物質は必ず飲まないといけないの?」

このような疑問を持ったことはありませんか?

のどの痛みや発熱は、子どもから大人までよく見られる症状です。特に「溶連菌」と「扁桃炎」は、似たような症状が現れるため、混同されることも少なくありません。

しかし、実は溶連菌と扁桃炎は、そもそも意味が異なる言葉です。

今回は、溶連菌と扁桃炎の違いや見分け方、必要な検査、治療法、注意すべき合併症について、耳鼻咽喉科専門医の立場からわかりやすく解説します。

〜溶連菌と扁桃炎は何が違う?〜

まず知っていただきたいのは、溶連菌は「細菌の名前」、扁桃炎は「病気の状態」を表す言葉だということです。

・溶連菌とは?

溶連菌とは「溶血性連鎖球菌」の略称で、一般的にのどの感染症で問題となるのは、A群β溶血性連鎖球菌という細菌です。

この細菌がのどに感染すると、咽頭炎や扁桃炎を引き起こすことがあります。

特に5〜15歳くらいの子どもに多く見られますが、大人も感染することがあります。

溶連菌感染症では、のどの痛みや発熱に加えて、首のリンパ節の腫れや、体に細かい赤い発疹が出ることもあります。

・扁桃炎とは?

扁桃炎とは、のどの奥の左右にある「口蓋扁桃」に炎症が起こった状態です。

一般的に「扁桃腺が腫れている」と言われるのは、この口蓋扁桃が赤く腫れている状態を指します。

扁桃炎の原因はさまざまで、溶連菌などの細菌だけでなく、アデノウイルスをはじめとするウイルスによっても起こります。

つまり、溶連菌は扁桃炎を引き起こす原因の一つなのです。

〜症状から溶連菌と扁桃炎を見分けられる?〜

溶連菌による咽頭炎・扁桃炎と、ウイルスによる咽頭炎・扁桃炎では、症状にいくつかの傾向があります。

症状溶連菌性咽頭炎・扁桃炎ウイルス性咽頭炎・扁桃炎
発熱発熱が多い発熱する場合もある
のどの痛み強いことが多い軽度から強い痛みまでさまざま
扁桃の腫れよく見られるよく見られる
扁桃の白い付着物(白苔)見られることがある見られることがある
咳・鼻水比較的少ない比較的多い
首のリンパ節の腫れ前頸部に圧痛を伴うことがある見られることがある
EBウイルスでは後頸部が多い
発疹猩紅熱では細かい赤い発疹原因ウイルスによっては出現
その他いちご舌(舌が赤くなる)が出ることがあるEBウイルスの場合、血液検査異常(異型リンパ球・肝機能異常など)がある

特に、溶連菌感染症では、突然の発熱や強いのどの痛みがあり、咳や鼻水が目立たないことが特徴の一つです。

ただし、これらの症状だけで確実に区別できるわけではありません。

扁桃腺に白い膿がついていたら溶連菌?

「扁桃腺に白いものがついているから、溶連菌ではないか」と心配される方もいます。

確かに溶連菌性扁桃炎では、扁桃に白い付着物(白苔)が見られることがあります。

しかし、アデノウイルスやEBウイルスなどによる感染症でも、同じような白苔が見られます。

そのため、扁桃に白苔がついているだけで溶連菌と判断することはできません。

診察では、扁桃の状態だけでなく、発熱の経過、咳や鼻水の有無、首のリンパ節の状態などを総合的に確認します。

〜溶連菌の検査はいつ必要?〜

溶連菌感染症が疑われる場合には、必要に応じて迅速抗原検査を行います。

溶連菌の迅速検査とは?

綿棒でのどの奥や扁桃の表面をぬぐい、溶連菌が存在するかを調べる検査です。

一般的には5〜10分程度で結果がわかりますが、検査キットによって所要時間は異なります。

ただし、すべての患者さんに検査が必要というわけではありません。

例えば、咳や鼻水、声がれなど、明らかにウイルス感染を疑う症状がある場合には、溶連菌の検査が不要と判断されることもあります。

また、溶連菌感染症は3歳未満のお子さんでは典型的な咽頭炎として発症することが比較的少なく、年齢や周囲の感染状況によっても検査の必要性は異なります。

検査が陰性なら溶連菌ではない?正確性は?

溶連菌の迅速抗原検査は、短時間で結果がわかる便利な検査ですが、100%正確というわけではありません。

小児を対象とした研究では、以下のように報告されています。

・感度:約86% … 溶連菌が存在する人のうち、約86%で陽性となる割合

・特異度:約95% … 溶連菌が存在しない人のうち、約95%で陰性となる割合

つまり、検査が陰性でも、実際には溶連菌に感染している場合があります。尚、検査の精度は使用する検査キットや検体の採取方法によっても異なります。

特に3歳以上の小児や思春期の患者さんでは、溶連菌感染症が疑われ、迅速抗原検査が陰性だった場合、必要に応じて咽頭培養検査などで確認することが推奨されています。

一方、成人では溶連菌感染後のリウマチ熱がまれであることなどから、迅速検査が陰性だった場合に、全例で追加の培養検査を行う必要は通常ありません。

検査結果だけでなく、症状や診察所見を合わせて判断することが大切です。

症状がなくても溶連菌検査が陽性になることもある?

実は、健康で症状のない子どもでも、約8〜12%はのどに溶連菌を保菌していると報告されています。

「保菌」とは、細菌がのどに存在していても、感染症としての症状が出ていない状態です。

そのため、例えば溶連菌を保菌している子どもが、別のウイルスによってのどの痛みを起こした場合、溶連菌の迅速検査が陽性になることがあります。しかし、この場合、のどの痛みの原因はウイルスである可能性があります。

溶連菌検査が陽性でも、必ずしも現在の症状の原因が溶連菌とは限らないということです。

このため、症状のない方にむやみに検査を行うことは、通常推奨されません。

耳鼻咽喉科では、発熱、のどの痛み、扁桃の状態、咳や鼻水の有無などを総合的に確認し、検査の必要性や結果を判断することが大切です。

〜溶連菌と扁桃炎では治療法が違う?〜

治療を考えるうえで最も重要なのは、原因が細菌なのか、ウイルスなのかという点です。

溶連菌の検査結果は治療方針を決めるうえで重要ですが、検査が陽性であっても、保菌の可能性を含めて症状や診察所見を総合的に判断することが大切です。

・溶連菌性咽頭炎/扁桃炎の場合

溶連菌による感染症と診断された場合には、抗菌薬(抗生物質)による治療を行います。

一般的に使用されるのは、ペニシリン系抗菌薬であるアモキシシリンなどです。

溶連菌に対して適切な抗菌薬を使用することで、症状の持続期間を短縮し、周囲への感染を減らす効果が期待できます。

また、急性リウマチ熱などの合併症を予防する目的もあります。

アモキシシリンなどでは通常10日間の治療が基本となりますが、薬剤や患者さんの状態によって治療期間は異なります。

症状が改善しても、自己判断で薬を中止せず、指示された期間を守ることが大切です。

・ウイルス性咽頭炎/扁桃炎の場合

ウイルスが原因の場合、通常は抗菌薬を使用しません。

治療は、解熱鎮痛薬による痛みや発熱の緩和、水分補給、十分な休養などが中心となります。

なお、扁桃炎を引き起こす細菌は溶連菌だけではありません。細菌感染が疑われる場合でも、原因や重症度を評価したうえで抗菌薬の必要性を判断します。

「扁桃炎だから抗生物質が必要」というわけではないことを知っておきましょう。

〜溶連菌や扁桃炎を放置するとどうなる?〜

多くの咽頭炎や扁桃炎は適切な治療や経過観察によって改善しますが、まれに注意が必要な合併症を起こすことがあります。

・扁桃周囲膿瘍

扁桃の周囲に膿がたまる病気です。

片側の強いのどの痛み、口が開けにくい、唾液が飲み込めない、声がこもるなどの症状が現れることがあります。

扁桃周囲膿瘍では、抗菌薬治療だけでなく、膿を排出する処置が必要となる場合があります。

・溶連菌感染後急性糸球体腎炎

溶連菌感染後、一定期間(約1-3週間)が経過してから腎臓に炎症が起こることがあります。

血尿、尿量の減少、顔やまぶたのむくみ、血圧上昇などが主な症状です。

なお、適切な抗菌薬治療を行っていても、発症を完全に予防できるわけではありません。

・急性リウマチ熱

溶連菌感染後に免疫反応によって起こる病気で、関節や心臓などに炎症を引き起こすことがあります。

現在の日本では比較的まれな合併症ですが、溶連菌性咽頭炎に対して適切な抗菌薬治療を行う理由の一つです。

<こんな症状があれば早めに受診を>

・のどの痛みが強く、水分を十分に飲めない

・片側だけのどが非常に強く痛む

・口が開けにくい

・高熱が続く、または症状が悪化している

・首が大きく腫れている

・息苦しい感じがある

特に、息苦しさ、唾液が飲み込めない、急激に悪化する首の腫れなどがある場合は、気道に影響する重い感染症の可能性もあるため、速やかな救急受診が必要です。

〜溶連菌になったら学校や保育園はいつから行ける?〜

溶連菌感染症は、咳やくしゃみなどによる飛沫や、接触を通じて周囲の人に感染することがあります。

適切な抗菌薬治療を開始すると、一般的に24時間程度で感染性は大きく低下します。

日本の学校保健安全法では、溶連菌感染症は原則として第三種の感染症「その他の感染症」として扱われることがあり、一律の出席停止期間が定められているわけではありません。

一般的には、適切な抗菌薬を開始して24時間程度が経過し、発熱がなく、全身状態が良好であることが登園・登校再開の目安になります。

ただし、学校や保育施設のルール、医師の判断に従ってください。

その他の感染症(インフルエンザ・コロナなど)の隔離期間・療養期間については過去の記事をご参照ください。

〜よくある質問〜

Q. 溶連菌は熱がなくても感染していることがありますか?

はい。発熱が目立たない場合もあります。

また、症状がなくても、のどに溶連菌が存在する「保菌」という状態があります。

検査が陽性でも、必ずしも現在の症状の原因が溶連菌とは限らないため、検査の必要性や結果の解釈には注意が必要です。

Q. 溶連菌は何度も感染しますか?

はい。溶連菌にはさまざまな型があることなどから、一度感染しても再び感染することがあります。

ただし、繰り返し検査が陽性となる場合には、無症状の保菌状態にウイルス感染が重なっている可能性もあります。

Q. 抗生物質を飲めば、すぐに治りますか?

適切な抗菌薬治療を開始すると、一般的には24〜48時間程度で症状が改善し始めることが多いです。

ただし、改善までの時間には個人差があります。治療開始後48時間程度経過しても改善しない場合や、症状が悪化する場合は再度診察を受けましょう。

Q. 家族が溶連菌になったら、全員検査を受けた方がよいですか?

無症状の家族全員に検査や予防的な抗菌薬治療を行う必要は通常ありません。

ただし、家族にも発熱やのどの痛みなどの症状が現れた場合は、医療機関に相談しましょう。

Q. 溶連菌の治療後には尿検査が必要ですか?

溶連菌感染後には、まれに急性糸球体腎炎を発症することがあります。

しかし、症状がなく順調に回復している方全員に、治療後の尿検査を行う必要は通常ありません。

血尿、むくみ、尿量の減少などが見られる場合には、尿検査や血液検査などが必要になります。

〜まとめ〜

のどの痛みは原因に合った治療が大切です。溶連菌と扁桃炎は混同されがちですが、溶連菌は細菌の名前、扁桃炎は扁桃に炎症が起きた状態を表します。

扁桃炎の原因はさまざまで、溶連菌などの細菌によるものもあれば、ウイルスによるものもあります。

そのため、扁桃が赤く腫れている、白い膿がついているといった見た目だけで、原因を判断することはできません。

また、すべての扁桃炎に抗生物質が必要なわけではありません。

大切なのは、症状や診察所見、必要な検査から原因を見極め、それぞれに合った治療を行うことです。

〜福岡市早良区・城南区・中央区でのどの痛み・扁桃炎・溶連菌が気になる方は「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」へ〜

福岡市城南区の「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」では、お子さんから大人の方まで、のどの痛みや発熱、扁桃炎などの診察を行っています。

「のどが痛くて食事がとりにくい」

「扁桃腺が腫れている」

「子どもが溶連菌に感染していないか心配」

このような症状でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

耳鼻咽喉科専門医が、のどの状態や症状の経過を確認し、必要に応じた検査と治療をご提案します。

福岡市城南区や周辺地域で、のどの痛みや扁桃炎、溶連菌感染症が気になる方は、なかの耳鼻科・美容皮ふ科へご相談ください。

ご相談や受診の予約はこちら。

〜参考文献〜

厚生労働省. 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版

Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Clinical Guidance for Group A Streptococcal Pharyngitis. Updated November 18, 2025.

Barshak MB, et al. Clin Infect Dis. 2026

Cohen JF, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2016

Shaikh N, et al. Pediatrics. 2010

Shulman ST, et al. Clin Infect Dis. 2012

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2026年10月18日
補聴器が必要なレベルとは?聴力の基準と症状を解説

最近、会話中に聞き返すことが増えたり、ご家族からテレビの音量を指摘されたりして、ご自身の聞こえに不安を感じていませんか。

補聴器が必要なレベルなのか、年齢相応なのか、その境界線が分からず悩んでいる方も多いでしょう。

この記事を読めば、ご自身の聴力状態を医学的な基準や具体的な症状と照らし合わせ、「今すぐ補聴器を検討すべきか、まだ様子見で良いのか」を明確に判断できるようになります。

〜補聴器が必要とされる聴力レベルの医学的基準〜

補聴器が必要な聴力レベルを判断するには、まず医学的な基準を理解することが重要です。聴力は「デシベル(dB)」という単位で表され、数値が大きくなるほど聞こえにくい状態を示します。

専門的な聴力検査によってご自身の聴力レベルを客観的に把握することが、適切な対策への第一歩です。補聴器が必要なレベルかどうか、まずはその基準を知りましょう。

聴力レベル(dB)でわかる難聴の4段階分類

難聴の程度は、日本聴覚医学会の基準に基づき、主に4つの段階に分類されます。それぞれのレベルで、日常生活における聞こえ方が異なります。

軽度難聴(25dB~40dB未満):ささやき声や小さな声が聞き取りにくいレベルです。静かな場所での会話には支障が少ないですが、少し離れたり騒がしかったりすると聞き間違いが増えます。

中等度難聴(40dB〜70dB未満):普通の大きさの会話が聞き取りにくくなるレベルです。補聴器がないと、会議の内容を理解したり、複数人での会話に参加したりすることが困難になります。

高度難聴(70dB〜90dB未満):非常に大きな声でないと聞き取れないレベルです。補聴器なしでは、耳元で大声で話されても言葉の判別が難しい状態です。

重度難聴(90dB以上):補聴器を使っても会話の聞き取りが極めて困難なレベルです。すぐ近くの車のクラクションなど、非常に大きな音しか感じ取れません。

一般的に補聴器装用の良い適応は中等度難聴(40dB)から

一般的に、聴力レベルが40dB以上の中等度難聴と診断された場合が一つの目安とされ、補聴器の装用が検討されることが多くなります。このレベルになると、日常会話の聞き取りに支障が生じ、コミュニケーションに困難を感じる場面が増えるためです。

補聴器を使用することで、言葉の聞き取りを補い、社会生活における不便さや孤立感を軽減することが期待できます。ただし、これはあくまで一つの目安であり、40dB未満の軽度難聴であっても、個人の生活環境やコミュニケーションの機会(会議で聞こえにくいなど)に応じて生活の質向上のために補聴器の装用が検討・推奨されるケースもあります。

〜【セルフチェック】日常生活で補聴器を考えるべき5つのサイン〜

聴力検査の数値だけでなく、日常生活の中での「聞こえにくさ」も補聴器が必要なレベルか判断する重要なサインです。専門家への相談を検討する前に、ご自身の状況が当てはまるかセルフチェックしてみましょう。これらのサインが複数当てはまる場合は、補聴器をつけることを考えるタイミングかもしれません。

1.テレビの音量が大きいと家族から指摘される

自分では適切な音量だと思っていても、一緒にテレビを見ている家族や友人から「音が大きすぎる」と頻繁に指摘されるのは、難聴の初期サインとして非常に多いケースです。特に、ドラマのセリフなど人の声が聞き取りにくく、無意識のうちに全体の音量を上げてしまう傾向があります。他の人と比べて明らかに大きな音量でないと楽しめない場合は、聴力が低下している可能性があります。

2.会話中に何度も聞き返してしまう

1対1の会話であっても、「え?」「もう一度お願いします」と聞き返す回数が以前より増えてきたら注意が必要です。特に、周りが少し騒がしい場所や、相手が早口で話している場合に、言葉を正確に捉えるのが難しいと感じるようになります。聞き返しはコミュニケーションの妨げとなり、相手に気を使わせてしまうことにもつながるため、聞き取りが難しいと感じたら専門家への相談を検討しましょう。

3.複数人での会話についていくのが難しい

家族での食事や友人との集まり、職場での会議など、複数人が同時に話す場面で会話の流れについていくのが難しいと感じるのも、難聴の代表的な症状です。誰が話しているのか、どんな話題なのかが掴みにくく、会話から取り残されているような孤立感を覚えることがあります。

音は聞こえていても、言葉として内容を理解するのが難しい状態です。

4.後ろから話しかけられても気づかないことがある

背後や少し離れた場所から名前を呼ばれたり、話しかけられたりしても気づかないことが増えた場合も、聴力が低下しているサインです。音の方向を認識する能力や、小さい音を捉える力が弱まっている可能性があります。

安全面でも、例えば後ろから来る車や自転車の音に気づきにくくなる危険性があるため、軽視できない症状といえます。

5.電話の声が聞き取りにくい

電話での会話は、相手の表情や口の動きが見えないため、聞き取りの難易度が上がります。以前は問題なくできていた電話での会話が、相手の声がこもって聞こえたり、言葉を判別するのが難しいと感じたりするようになったら、聴力低下が考えられます。聞き取りやすい方の耳に変えたり、受話器を強く押し当てたりしないと会話が難しい場合は、注意が必要です。

〜軽度難聴(25dB〜)でも補聴器は必要?脳の健康を守る早期装用のメリット〜

聴力レベルがまだ軽度難聴の段階であっても、早めに補聴器の使用を検討することには大きな意味があります。「まだ何とか聞こえるから大丈夫」と放置せず、早期から適切な音の刺激を脳に届けることが、将来的な「言葉を理解する力」や認知機能の維持に繋がります。

「聞こえる」だけでなく「言葉を理解する力」の低下を防ぐ

難聴を放置して脳への音の情報入力が減少すると、音を聞き取る力だけでなく、言葉の意味を処理・理解する能力自体が低下していく可能性があります。その結果、後から補聴器をつけ始めても「音は大きく聞こえるが、何を言っているのか言葉として判別できない」という状態になりかねません。

早期から補聴器を活用することは、脳に継続的な刺激を与え、「言葉を聞き分ける力」を維持するためのリハビリテーションとしても重要です。

難聴と認知症リスクの関係性

難聴と認知症リスクの関連は、様々な研究で指摘されています。世界的な医学誌の報告では、難聴のある方は、難聴のない方と比較して認知症発症リスクが約1.4倍と報告されています。また、補聴器を用いた聴覚介入により、認知機能低下のリスクが高い高齢者では、3年間の認知機能低下が約48%抑制されたという研究結果もあります。過度な期待は禁物ですが、聞こえをサポートして音の刺激や会話の機会を保つことは、脳の健康維持において重要な意義を持つと考えられています。(Lancet 2020, JAMA Neurology 2023, Lancet 2024など)

当院の補聴器診療の流れや「聞こえと脳のトレーニング」の考え方については、補聴器診療の流れで詳しくご案内しています。

〜自分のレベルを正しく知るために、まずは耳鼻咽喉科を受診すべき理由〜

聞こえにくさを感じた際、自己判断で補聴器や集音器を購入する前に、まずは耳鼻咽喉科を受診してください。専門医による適切な診察・検査を受けることで、以下のような重要なメリットが得られます。

1. 治療可能な耳の病気かどうかを診断できる

聞こえにくさの原因は加齢だけではありません。耳垢栓塞や滲出性中耳炎など、医療的な治療によって回復する病気が隠れている場合もあります。まずは治療可能な疾患がないかを診察・鑑別することが最優先です。

2. 正確な聴力検査と補聴器・集音器の違いの把握がわかる

防音室内で行う純音聴力検査や語音聴力検査を通じて、現在の聴力状態や言葉の聞き取りやすさを正確に測定します。また、単に音を増幅させる「集音器」とは異なり、医療機器である「補聴器」は個々の聴力に合わせて精密な調整が行われます。専門医の指導のもとで適切な機器の選定と調整を進めることが可能です。

補聴器と集音器の違い(法律上の位置づけ・価格・調整機能)は、補聴器と集音器の違いとは?で詳しく解説しています。

〜身体障害者手帳の交付対象となる難聴レベルと公費助成制度〜

難聴の程度が一定の基準以上に進行した場合、公的な支援制度を利用できることがあります。聴力が両耳で70dB以上(6級相当)または片耳で90dB以上かつもう片方が50dB以上などの基準を満たすと、身体障害者手帳(聴覚障害)の交付対象となる可能性があります。

手帳が交付されると、障害者総合支援法に基づき、補聴器の購入費用の一部が助成されます。対象となる聴力レベルや助成内容は自治体によって異なるため、詳しくはお住まいの市区町村の福祉担当窓口にご確認ください。

〜補聴器の必要なレベルに関するよくある質問〜

補聴器が必要なレベルかどうかを考える際、多くの方が抱く疑問についてお答えします。

Q. 補聴器は何歳から使い始めるのが良いですか?

補聴器をつけ始めるのに特定の年齢はありません。「聞きにくさ」を感じ、日常生活やコミュニケーションに不便が生じた時が検討のタイミングです。加齢性難聴は少しずつ進行するため自覚しにくいですが、聞き返しや聞き間違いが増えたら、年齢に関わらず一度耳鼻咽喉科に相談することをお勧めします。

Q. 軽度難聴のレベルなら、補聴器なしでも生活に支障はありませんか?

静かな場所での1対1の会話など、支障が少ない場面もあります。職場での会議や少し騒がしい場所では、聞き取りにくさからストレスを感じたり、重要な情報を聞き逃したりする可能性があります。

また、音の刺激が少ない状態が続くと脳の機能低下にもつながるため、軽度でも積極的に補聴器の使用を検討する価値は十分にあります。

Q. 補聴器は片耳だけでも効果がありますか?両耳につけるべきレベルとは?

左右の聴力差が大きい場合など、片耳にだけ補聴器をつけることもあります。しかし、人は本来両耳で音を聞くことで、音の方向や距離感を掴み、雑音の中から会話を聞き分けています。両耳に難聴がある場合は、両耳に装用する方がより自然な聞こえに近づき、聞き取りの改善効果も高まります。

まずは専門医に相談し、ご自身の聴力状態に合った装用方法を判断してもらうことが重要です。

〜「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」の補聴器相談〜

当院では、聞こえにお悩みの方が安心して最適な一歩を踏み出せるよう、専門性の高いサポート体制を整えています。単に補聴器を販売するのではなく、医学的な診断から購入後の生活までを見据えた、一貫したケアを提供します。

治療の要否から判断できる「補聴器相談医」が在籍

当院の院長は、一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会より委嘱された「補聴器相談医」です。聞こえにくさの原因を医学的に正しく診断し、補聴器が本当に必要なのか、あるいは治療によって改善する可能性があるのかを的確に判断します。専門医の診断が基盤にあるため、安心してご相談いただけます。

購入後まで続くアフターフォロー

補聴器は購入後すぐに理想通り聞こえるようになるわけではなく、音に脳を慣らしていく期間が必要です。当院では認定補聴器技能者と連携し、最初は抑えた音量から始めて段階的に微調整を重ねることで、新しい音環境に脳を無理なくなじませる調整と丁寧な経過観察(アフターフォロー)を行っています。

医療費控除の対象となる診療情報提供書の作成が可能

補聴器相談医の診察に基づき、補聴器の購入が治療のために必要と判断された場合、確定申告で医療費控除の対象となることがあります。当院では、その際に必要となる「補聴器適合に関する診療情報提供書」を作成することが可能です。費用に関するご負担を軽減するための一助となります。

ご予約・お問い合わせについて

補聴器外来は完全予約制です。診療の詳細は補聴器診療の流れをご確認ください。

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2026年10月15日
首のしこりは何科?症状別の見分け方と危険なサインを解説

ある日ふと首を触ったときに、しこりのようなものを見つけると、何か悪い病気ではないかと不安になりますよね。

首にしこりができる原因は様々で、何科を受診すればよいか迷う方も少なくありません。

この記事では、首のしこりに気づいたときに何科を受診すればよいのか、症状別の見分け方や放置すると危険なサインについて、耳鼻咽喉科専門医が分かりやすく解説します。

〜首のしこり、何科を受診すべきか?迷ったらまずは「耳鼻咽喉科」へ〜

首のしこりに気づいたとき、どの診療科を受診すればよいか迷うかもしれませんが、結論から言うと、まずは「耳鼻咽喉科」の受診をおすすめします。

耳鼻咽喉科は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科といって、耳・鼻・のどだけでなく、甲状腺や唾液腺、リンパ節などを含む首周り(頭頸部)全体の専門家です。

しこりの原因を正確に診断し、適切な治療へとつなげるために、自己判断で様子を見るのではなく、専門医に相談することが重要です。

首周りの複雑な構造を専門的に診断できるから

首(頚部)は、リンパ節、甲状腺、唾液腺(耳下腺・顎下腺)、血管、神経、筋肉などが密集している非常に複雑な部位です。

耳鼻咽喉科医は、これらの解剖学的構造を熟知しており、しこりがどの器官から発生しているのかを的確に判断できます。

触診だけでなく、必要に応じて専門的な検査機器を用いて詳しく調べることで、しこりの正体に迫ることが可能です。

しこりの原因となる多様な疾患にまとめて対応可能だから

首にしこりができる原因は、リンパ節の炎症から唾液腺や甲状腺の腫瘍まで多岐にわたります。

耳鼻咽喉科では、これらの疾患の多くを専門的に診療しています。

例えば、のどの炎症が原因でリンパ節が腫れている場合、ファイバースコープでのどの奥まで観察し、根本的な原因を特定できます。

一つの科で総合的に診察・検査ができるため、効率的に診断を進められるのが大きな強みです。

〜【症状・場所でチェック】耳鼻咽喉科?皮膚科?内科?受診先の見分け方〜

首のしこりの多くは耳鼻咽喉科が専門ですが、しこりの場所や性状によっては他の診療科が適している場合もあります。

ここでは、症状やしこりのある場所から、どの診療科を受診すべきかの目安を解説します。

ご自身の症状と照らし合わせて、受診先を選ぶ参考にしてください。

耳の下やあごの下にしこりがある場合

耳の下やあごの下、首にしこりがある場合、唾液腺(耳下腺や顎下腺)の腫れやリンパ節の腫脹が考えられます。

唾液腺の腫瘍や唾石症、ウイルス感染による耳下腺炎(おたふくかぜ)、細菌感染によるリンパ節炎などが主な原因です。

これらの領域は耳鼻咽喉科の専門分野であるため、まずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。

皮膚の表面に近い、コリコリしたしこりがある場合

皮膚のすぐ下に(耳たぶの中など)、触るとコリコリと動き(指でつまむことが出来る)、比較的境界がはっきりした首にしこりがある場合、粉瘤などの良性の皮下腫瘤の可能性があります。

これらは皮膚科や形成外科が専門となります。

どちらを受診すべきか迷う場合は、まずは皮膚科や形成外科で相談してみるのも一つの方法です。

のど仏の周辺や首の付け根にしこりがある場合

のど仏の周辺〜下の方や首の付け根にしこりがある場合、甲状腺の病気が疑われます。

甲状腺腫瘍や内部に液体が溜まった嚢胞(のうほう)、甲状腺全体が腫れる橋本病(慢性甲状腺炎)などが考えられます。

甲状腺疾患は耳鼻咽喉科でも診療を行いますが、ホルモンの異常を伴う場合は内分泌内科が専門となります。

まずは耳鼻咽喉科でエコー検査などを受けてしこりの状態を調べ、必要に応じて適切な診療科を紹介してもらうのがスムーズです。

痛みや熱を伴うしこりがある場合

首(顎の下、首筋、首の両サイド)にしこりがある部分に痛みや熱っぽさ、赤みがある場合は、細菌やウイルス感染によるリンパ節炎の可能性が高いです。

のどの痛みや鼻水など、風邪のような症状を伴うことも少なくありません。

原因となる感染源はのどや鼻、歯などにあることが多いため、これらの部位も併せて診察できる耳鼻咽喉科の受診が適しています。

〜放置は危険?すぐに病院へ行くべき「首のしこり」の危険なサイン〜

首にしこりができても、多くは一時的な炎症など心配のないものですが、中には悪性腫瘍など早めの対応が必要な病気が隠れている可能性もゼロではありません。

以下のような特徴がみられる場合は、自己判断で放置せず、できるだけ早く医療機関を受診してください。

・しこりが数週間以上消えない、または急に大きくなった

風邪などによる一時的なリンパ節の腫れは、通常1〜2週間で自然に小さくなります(EBウイルスによるリンパ節炎などは改善までに1ヶ月かかることもあります)。

しかし、首のしこりが数週間にわたって消えない、あるいはだんだん大きくなってくる場合は注意が必要です。

特に痛みを伴わないのに大きさが変わらない、または増大傾向にある場合や増加傾向にある場合は、腫瘍性の病気も考えられるため、一度検査を受けることをおすすめします。

・石のように硬く、指で押しても動かない

しこりを指で触ってみたときの感触も重要なサインです。

炎症によるリンパ節の腫れは、比較的弾力があり、指で押すと動くことが多いです。

一方で、悪性のしこりは周囲の組織に食い込むように広がるため、石のように硬く、指で押しても動かない傾向があります。

このような特徴を持つ首のしこりには注意が必要です。

・表面がデコボコしている

良性の腫瘍は、比較的境界がはっきりしていて、表面が滑らかなことが多いです。

それに対して、悪性の腫瘍は不規則な形をしており、表面がゴツゴツ、デコボコしていることがあります。

しこりの形がいびつだと感じた場合は、専門医による診察を受けるようにしましょう。

・声のかすれや飲み込みにくさなど他の症状を伴う

首のしこりに加えて、声がかすれる(嗄声)、食べ物や飲み物が飲み込みにくい(嚥下障害)、息苦しいといった症状がある場合、しこりが声帯の神経や食道、気管などを圧迫している可能性があります。

特に甲状腺がんや下咽頭がんなどでは、このような症状がみられることがあります。

これらの症状は生活の質にも関わるため、早めに専門医に相談することが重要です。

〜首のしこりの原因として考えられる代表的な病気〜

首にしこりができる原因は一つではありません。

感染による一時的なものから、良性・悪性の腫瘍まで様々です。

ここでは、首のしこりの原因として考えられる代表的な病気について解説します。

原因を知ることで、過度な不安を和らげ、冷静に受診するきっかけとなります。

【リンパ節の腫れ】風邪などが原因の「リンパ節炎」

首のしこりの原因として最も頻度が高いのが、リンパ節の腫れです。

リンパ節は体内に侵入した細菌やウイルスと戦う免疫器官で、風邪や歯周病、のどの炎症などに反応して腫れることがあります。

これを反応性リンパ節炎と呼びます。

通常は痛みを伴い、原因となる感染症が治るとともに自然にしこりも小さくなります。

【唾液腺の病気】耳下腺や顎下腺の腫瘍

耳の下(耳下腺)やあごの下(顎下腺)が腫れる場合、唾液腺の病気が考えられます。

唾液腺にできる腫瘍は、多形腺腫やワルチン腫瘍といった良性であることが多いですが、まれに悪性の場合もあります。

痛みのないしこりがゆっくり大きくなるのが特徴です。

また、唾液の通り道に石ができる唾石症では、食事のたびに痛みと腫れを繰り返します。

【甲状腺の病気】甲状腺腫瘍や嚢胞

のど仏の下あたりにできるしこりは、甲状腺の病気の可能性があります。

良性腫瘍である腺腫様甲状腺腫や、液体が溜まった袋である嚢胞が代表的です。

ほとんどは良性ですが、甲状腺がんの可能性も考慮する必要があります。

飲み込むときにしこりが上下に動くのが特徴の一つです。

【皮膚・皮下の腫瘍】粉瘤(アテローム)や脂肪腫

皮膚のすぐ下にできるしこりでは、粉瘤や脂肪腫がよくみられます。

粉瘤は、皮膚の下にできた袋の中に垢や皮脂が溜まったもので、中央に黒い点が見えることがあります。

脂肪腫は、脂肪が増殖してできた柔らかい良性腫瘍です。

いずれも通常は痛みがありませんが、粉瘤は感染すると赤く腫れて痛むことがあります。

【悪性腫瘍】悪性リンパ腫や他のがんからの転移

頻度は低いですが、悪性腫瘍が原因で首にしこりができることもあります。

血液のがんである悪性リンパ腫では、痛みなくリンパ節が腫れて大きくなります。

また、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、肺がん、胃がんなどが首のリンパ節に転移して、最初の症状として首のしこりが見つかることもあります。

これを転移性リンパ節腫脹と呼びます。

〜病院では何をする?問診から精密検査までの流れ〜

「病院で何をされるのだろう」という不安から、受診をためらってしまう方もいるかもしれません。

ここでは、実際に医療機関を受診した際の一般的な診察・検査の流れを解説します。

流れを知ることで、安心して受診に臨むことができます。

問診と触診でしこりの状態を丁寧に確認

まず、医師が問診を行います。

いつからしこりがあるか、大きさや形に変化はあるか、痛みや他の症状はあるかなどを詳しく伺います。

その後、しこりの場所、大きさ、硬さ、動き、表面の状態などを直接手で触って確認する「触診」を行います。

問診と触診で得られた情報は、しこりの原因を推測する上で非常に重要です。

痛みのない超音波(エコー)検査でしこりの内部を詳しく観察

次に、超音波(エコー)検査を行うことが一般的です。

これは、超音波を使って首の内部を画像として映し出し、しこりの状態を詳しく観察する検査です。

しこりの大きさや形、内部の性状(液体か固形か)、血流の状態などをリアルタイムで確認できます。

痛みや放射線被ばくの心配がなく、身体への負担が少ない安全な検査で、診断のための多くの情報を得られます。

必要に応じて行う細胞診や血液検査

エコー検査で悪性の腫瘍が疑われる場合や、診断を確定するためには、さらに詳しい検査が必要になります。

代表的なものが「穿刺吸引細胞診」です。

これは、しこりに細い針を刺して細胞を直接採取し、顕微鏡で良性か悪性かを調べる検査です。

また、炎症の程度を調べたり、腫瘍マーカー/リンパ腫のマーカー、甲状腺ホルモンの異常を確認したりするために、血液検査を行うこともあります。

〜首のしこりの受診に関するよくある質問〜

首のしこりに関して患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。受診前の疑問や不安を解消するための参考にしてください。

Q. 痛くない首のしこりでも、病院に行くべきですか?

はい、受診をおすすめします。

リンパ節炎など炎症によるしこりは痛みを伴うことが多いですが、一方で悪性リンパ腫やがんの転移、多くの良性腫瘍は痛みを伴わないことが少なくありません。

「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、一度専門医の診察を受けることが重要です。

Q. 子どもの首にしこりを見つけました。何科に連れて行けばよいですか?

耳鼻咽喉科か小児科を受診してください。

子どもの首のしこりは、風邪などの感染症に伴うリンパ節の腫れがほとんどで、心配のない場合が多いです。

しかし、まれに他の病気が隠れている可能性もあるため、しこりが長引く場合や大きい場合は、一度専門医に診てもらうと安心です。

Q. 首のしこりの検査費用は、保険適用でどのくらいかかりますか?

診察や検査は健康保険が適用されます。

3割負担の方の場合、頸部エコー検査の費用は1,050円程度で、その他に初診料や診察料などがかかります。

行う検査内容によって費用は異なりますが、身体的にも経済的にも負担の少ない検査から段階的に進めていくのが一般的です。

〜まとめ〜

首のしこりは、風邪による一時的なリンパ節の腫れから、唾液腺・甲状腺の病気、さらには悪性腫瘍まで、様々な原因で生じます。

多くは心配のないものですが、中には注意が必要な病気が隠れている可能性もあります。

どの科を受診すべきか迷った場合は、首周りの構造を熟知した「耳鼻咽喉科」に相談するのが最も確実です。

特に、しこりが数週間消えない、硬くて動かない、急に大きくなったなどのサインが見られる場合は、早めに受診しましょう。

自己判断で放置せず、専門医による適切な診断を受けることが、安心への第一歩です。

〜福岡市城南区で首のしこりにお悩みなら「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」へ〜

福岡市城南区およびその周辺で、首のしこりに関するお悩みや不安をお持ちの方は、ぜひ「なかの耳鼻科・美容皮ふ科」にご相談ください。

当院では、九州大学病院や九州がんセンターで培った専門的な知識と豊富な経験を持つ医師が、患者さん一人ひとりの症状に寄り添い、丁寧な診察と的確な診断を心がけています。

地域の皆さんが安心して相談できる「かかりつけ医」として、お悩みの解決をサポートします。

〜なかの耳鼻科・美容皮ふ科が選ばれる3つの理由〜

当院では、患者さんに安心して最適な医療を受けていただくために、専門性の高い診療体制を整えています。

首のしこりの診断から治療まで、一貫して質の高い医療を提供できるのが当院の強みです。

首の構造を熟知した耳鼻咽喉科専門医が一貫して診療

当院では、日本耳鼻咽喉科学会認定の専門医が、問診から診察、検査、結果説明までを一貫して担当します。

首(頚部)の複雑な解剖を熟知した医師が直接診療にあたることで、より正確な診断と、患者さんの不安に寄り添った分かりやすい説明が可能です。

高性能エコー検査でしこりの状態をその場で詳細に評価

当院では、高性能な超音波検査機器を導入しており、首のしこりの状態を詳細に観察することができます。

しこりの大きさや内部の性状、血流などをその場で評価し、画像をお見せしながら結果を説明することで、患者さんご自身の納得度も高まります。

痛みや被ばくの心配がない安全な検査です。

しこりだけでなく鼻やのども含めた総合的な原因究明が可能

首のしこりの原因は、首自体にあるとは限りません。

鼻やのどの慢性的な炎症が原因でリンパ節が腫れることもあります。

耳鼻咽喉科の強みは、しこりを単独で診るのではなく、ファイバースコープなどを用いて鼻やのどの奥の状態まで詳しく観察し、頭頸部全体から原因を探れる点にあります。

このような総合的な視点での診断が、根本的な原因の解明につながります。

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2026年10月13日